
蜘蛛の糸聞こゆるものは鐘の音
休日の朝、七時半。チェロの音に起こされる。窓近くにぶら下がってる蜘蛛の糸に見とれる。...

樫若葉突風部屋を揺らしけり
若ぶって(無茶な運動をして)膝を怪我した私の罪に対する判決が下される。 一ヶ月のリハビリ通い、執行猶予一ヶ月。つまり向こう一ヶ月は足を使わないこと、スポーツ禁止。一ヵ月後から一ヶ月...

明け方の雨にうたれて鳥つるむ
新潟県人の同僚に雪中梅をもらう。と書くと、眉毛の太い色白の青年から一升瓶をどんと渡されたイメージだけど、実は一時帰国してた(三十代にサヨナラしたばかりの)新潟美人が、ペリエの空瓶に...

母の日の花束風に吹かれをり
夢を見た。故郷の海で釣りをしている。家族も一緒にいる。夏の真昼のように明るくて、私はち...

水打つて商売の邪魔ばかりして
「忍者」 ゆうべ、閉店後、半分閉まりかけのシャッターの下から誰かが忍び込んで来た。浅黒い顔。全身黒づくめ。黒の地下足袋をはいてる。彼はカウンターで閉店業務をやってるわれわれのほう...

青嵐また書き直す楽譜かな
楽しいことばかりじゃない。買取の本やCDが一気に四千点くらい持ち込まれ、それをたった二...

慰めて褒めて夏牡蠣食ひにけり
「大失敗」 弓子のオケのコンサートをミスしてしまった。楽しみにしていたのに、忘れきって...

自転車でチヤイナタウンへゆく若葉
バレエのビッグリハーサルを終え、スタバにて友達とアイスコーヒーを喫し、さらにCPにて発...

伸ばしたる手の先にある青葉かな
ぶじ、今年もKD俳句賞へ投稿できる。今日の消印をぎりぎりで押してもらう。月曜はホリディ...