皆さんはきっとシャープ・ペンシルを使っていると思います。
この言葉は和製英語で、実際は「メカニカル・ペンシル」と呼ぶそうですが、僕は今も昔も完全なる鉛筆派です。
僕自身は筆圧が強いとは思いませんが、シャーペンを使っているボキボキと芯が簡単に折れてしまい、書く作業が中断してしまうのです。
僕の使う鉛筆削りはSLの代名詞「D-51」をモチーフにしており、ご近所の文具店で購入して今年で31年を迎えます。
小学校入学と共に歩み始め、大学時代は記憶にないのですが手許においてあったはずですから、どんな用具よりも僕が愛用してきた、なくてはならない代物だのですが、最近うまく削ることができません。
中で鉛筆画空回りしてしまうのです。
「遂に買い替えの時期か」
と思うと、本当にさびしいものです。
中村俊輔がセルティック在籍時、ドアマンがドアの開け閉めをすることに驚いていましたが、100年の歴史がザラである欧州サッカーでは、勤続年数が途方もなく多い従業員が数多く存在するはずです。
彼らは当然クラブに愛情を注ぎ、同時に選手にも同様の感情を持ちます。
それ以上にクラブが彼ら、裏方の人間に敬意を払い、その役目を尊重しているからこそ、勤め上げることができたはずです。
日本でも一つの会社で定年まで働き続ける事は困難ですから、勤め上げた人間は本当に大したものだと思います。
ミランですとバレージは祝福されながら退団しましたが、ウルトラスを対立していたマルディーニは、むしろ遠征先でその功績を讃えられる、皮肉を味わいました。
鉛筆削りは裏方に当たりますが、その存在を僕自身が気付かないうちに重宝していたからこそ、これだけの付き合いになったと考えます。