アンティークのある暮らし  DORIS

ハウステンボス在住のネットショップ「DORIS」店長のブログです。http://mttaki.shop-pro.jp/

錦繍

2012年09月21日 | バレエ・映画・読書・コンサートなど・・・

朝晩涼しくなってやっと秋らしくなってきました。

私の大好きな栗、さんまの次と言えば「読書」です。

 

最近はあまり文学を読まなくなりましたが、子どもの頃から本が好き だった私は家が貧しくてあまり本を買ってもらえなかったので、学校の 図書館を利用して本を読みあさっていました。

 

小学生の頃は「小公女」や「赤毛のアン」など、中学に入るとドイツ 文学やイギリス文学など、外国の文学を読んでは憧れ、いつかは海外に

行ってみたいと夢を膨らませていました。

 

連れ合いとの出会いもやはり本がきっかけでした。お互いの趣味が 音楽や文学だということを知り、しかも、同じ本を読んだことがある とわかってその本の話題で盛り上がりました。その中の一つが宮本輝著 の「錦繍」だったのです。

 

私が最初に連れ合いに抱いた印象はあまり良くなかったのですが、 「錦繍」を読んでいると知り、私よりはかなり年下の若い男性(その当時) がこ宮本輝の本を読んでいることに興味を抱きました。

 

私は一緒に音楽を聴いたり、映画を見たりして共感し合えることは とても大事だと思っていますので、同じような感性を持った連れ合いと なら一緒に生きていけるのではないかと思い、結婚したのです。

 

二十数年経ってもその考えは間違っていなかったと思っていますし、 実際に私と連れ合いはその後も同じような本を読み、お互いに感想を話し 合ったりしています。

 

この三浦綾子さんの「残された言葉」もそうです。この本のことに ついては改めて記したいと思っています。

 

この「ペコロスの母に会いに行く」は、西日本新聞で紹介されて いるのを連れ合いが見つけ、取り扱い店になっていた長崎の喫茶店まで 買いに行った本です。62歳の漫画家の岡野雄一さんが、認知症のお母 さんとのやりとりを描いた漫画ですが、読んでいると心がほんわりして きます。

 

現在は映画化も決まり注目されるようになってきましたので、ご存 じの方も多いと思います。この前、もう一冊購入して、秋田のショート スティに入所している義母に送ってあげました。

 

私は特に、このページが好きです。

 

「命がすれ違う」と題して、認知症のお母さんとあかちゃんが 散歩の途中に出会うシーンです。このように思いを馳せることのできる 岡野さんって本当に優しい方なのだと改めて思います。

みなさんにお勧めしたい本です。

 

そして、最後に最近改めて読んでいる詩集があります。

茨木のり子さんの「よりかからず」です。タイトルは漢字ですが、 私のパソコンでは出ないのでひらがなにしました。

好きな詩はたくさんありますが、やはりタイトルの「よりかからず」 が一番好きです。

 

 

もはや

できあいの思想にはよりかかりたくない

もはや

できあいの宗教にはよりかかりたくない

もはや

できあいの学問にはよりかかりたくない

もはや

いかなる権威にもよりかかりたくない

ながく生きて

心底学んだのはそれくらい

自分の耳目

自分の二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある

よりかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ

 

茨木さんは2006年に亡くなられているので、もし現在も 生きていらしたら、今の世の中をどのように歌われただろうかと 思います。

 

 

コメント
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