蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

市民WSの皆さんと…

2011年01月25日 21時33分42秒 | 日記
昨日は、市民会館建設市民ワークショップの皆さんとの懇談会だった。
検討委員会からも、私以外に数名が参加。
傍聴席には、市職員さんや市議会議員さん
市内演劇関係者の顔もあった。

本来ね…
箱の話をする前に、運営方法や財源の話をするべきなんだけど
市の方針が、まず箱のイメージを明確にして…
ってことになってまして…
どんなに良いホールが出来ても
それを使いこなせなければ…ねぇ…

けど、それを言っても埒があかん状態

今回の懇談会では、出席者それぞれが考えるホールのイメージを
対話することですり合わせていこうというのが目的だった。

私は先週演劇関係者と対話した内容を
A4版用紙一枚にまとめ、関係者に配布させて頂いた。

まず、先週の日記に記載した件に至る過程の説明があり
その後、質疑応答。
あちらこちらから声があがり
ざっくばらんな感じで会議は進行。
緊張せずに話せる環境もあったと思うが
私もかなり突っ込んだ質問や意見を言わせて頂いた。

市民WS側の意見としては
何が何でも「小ホールを音楽専用ホールに」ということではなく
「演劇用の小劇場も併設できるなら小ホールを音楽専用ホールに」
ということだったらしい。

先週の市からの説明を聞いた検討委員のメンバーは

  長野市は、音楽で芸術活性化を目指すことになったのか?
  いつの間に?!

と、思ったようである。
私もそう思った。

  主ホール:音楽主目的の多目的ホール
  小ホール:音楽専用ホール
  音楽専用リハーサル室
  (リハーサル室兼用小劇場)

って聞けば、そう思う人のほうが多いでしょう。

音楽・音楽・音楽と来て、ついでのように演劇。
演劇の上演できる空間は、クラッシック音楽以外は
何でも対応できるって言ってるのにね。。

リハーサル室と兼用の小劇場って、どんな空間?

リハーサル室というのは、ホールで上演する団体が
ホールを仕込む間や、それより以前に
舞台と同じ広さの場所で同じような舞台組みをして
練習するための場所だよねぇ…

そりゃさ。
広さはあるから、何もない空間って考えれば
何だって出来ないわけじゃないだろうけど…
用途が違うのになぁ…

私が懸念していたのは

  リハーサル室 兼 小劇場

の「リハーサル室兼」という部分。

ブラックボックス形式(四角い箱)の小劇場を目指す
という話だったんだけど…

ブラックボックスは、いろんな形に舞台を作れる面白さがあり
演出家としては、とっても魅力的な空間である。

けどね、全部自分たちで作らねばならないんですよ。
というか、舞台屋さんに入ってもらわないと
出来ないことだらけだったりもします。

あ、夢幻としては嬉しかったりします。
ただ、舞台組み経験のない団体は大変です!

まず、ホール利用料金以外に舞台仕込みのための人件費予算が必要。
しかも、吊りモノ(照明や幕類)や音響機材
平台やパネルなどもホールにないとすれば
レンタルしてこなければならないことになる。
レンタルするにはレンタル料金が派生するわけで…

その上、リハーサル室も兼ねているとなると
大ホールで上演する団体とバッティングする可能性も大きく
舞台を一から作らなければならないのに
連続して借りることが難しいケースが必ず出てくる。

ブラックボックス形式での理想形は
基本舞台・客席プランが基本料金に組み込まれ
それらが可変式となっていて
小劇場の天井全体にバトンが据え付けてあり
吊りモノや機材・資材類が備品としてある環境。

これなら立派な小劇場!
そんな劇場が出来るなら、こんな有難いことはない。

基本舞台形式があるなら、アマチュア団体も
学生もそんなに構えずに公演できる。

けど、リハーサル室って考えると
こんな設備はいらないですよねぇ。

因みに、某市のリハーサル兼小劇場と称したホールは
天井も低く、バトンはわずか三本だけでした。

そのあたりを、詳細な数字も提示しながら
突っ込ませて頂いた。

結果として、昨日の会議は
理想的な方向に進行したと言える…かな?

ただ行政側の思惑がどうなのか…
予算的な問題はどうなのか…
敷地面積的に本当に可能なのか…

I氏は「出来ます!」と言ってましたが…

実際、設計者が決まり建築図をみないと
どうなるかわかりません。。。

ともかく…

私は、検討委員会だけじゃなくて
市民WSにも参加することに決めました。
じゃないと、今まで検討委員会で話し合ってきたことが
無意味になるように思えるので…

基本構想に即した会館が落成できるように…

もしそれが不可能なら…
酷いホールが出来るくらいなら
建設はとりやめたほうがいい。

造るならば、何としても良いホールを…
その点がぶれないように、運営面や活用方法を含め
しっかりと見ていきたいと思います。

懇談会の後、若干の休憩を挟み
市民WS舞台機構検討会が行われた。

これは、具体的な舞台機構の専門会議だったけど
参加させて頂いて、本当に良かった。

疑問だった点を理解できたし
皆さんがどんなホールを脳裏に描いているか
はっきりと共通認識として捉えることが出来た。

 疑問1 「音楽主目的の多目的ホール」
     可変式音響反響板(反射板)をつけるにもかかわらず
     なぜ「音楽主目的」と名付けねばならないのか?

だって、大抵の多目的ホールに反響板は設置されてますよね。

 答え  理想的な可変式を導入するにあたり
     建築家にわかりやすい表現だから

だそうです。
私は、これで理解しました。
人って、自分の持つイメージから
なかなか離脱出来ないもんですものね。
現在、T・WのI氏が想定している可変式だと
残響音の問題がかなりクリアできるとのことでした。

I氏の目標は

  残響音 → 音楽:1.8秒/演劇その他:1.2秒

まあ…多目的とすれば、ぎりぎり許せる範囲かな。。
あとは、台詞が明瞭に聞こえるかどうかは
発声・滑舌にかかってくるでしょうね。

  疑問2 音楽専用小ホールにした場合、稼働率は?

市側は「ニーズが高い」と言ってたんですよね。
ニーズが本当に高いなら、稼働率だって良いはずだけど
利用料金がまだ設定されてないし
万が一自分たちが考えていた料金より高額になった場合も含め
本当に利用する人がたくさんいるのか…

  答え  土・日は取り合いになるでしょう
      平日も、幼稚園や学校関係の需要がある

と、音楽関係者が言いきってくれました。

平日の稼働率を心配した舞台屋さんから
講演会や映像を観れる設備を
同居させたほうがいいという意見が出され
私もそのほうが良いんじゃないかと思ったけど
あれだけ言いきれるってことは
本当に市民のニーズが高いのでしょうから
ならば音楽専用ホールも良いかと思いました。

私も音楽が好きだし、良い音を聞けるなら嬉しいし。

舞台屋さんからは、舞台機構についてや
機材関係の安全面を留意するための意見が出され
「なるほど~」と納得できる発言も多く
私が不安に思ったことも、きちんと答えて下さって
とても有意義な時間だった。

そして、いよいよ小劇場の機能についての話に移った。

芝居がまともに出来る空間
そして、市民も使える劇場が必要だよ…

きっと今後演劇の必要性は高まって行く…
と、私は思っている。
全国的には教育機関や社員教育に取り入れたりしてるしね。
けど、長野はまだまだ厳しい状況…

懇談会では

  リハーサル室兼用ではない小劇場

の方向で話が固まった。

なので、私が理想とするブラックボックス形式の劇場に関して
詳細な意見を発言させて頂いた。

劇場の高さ・面積・吊りモノや機材関係
扉や廊下、楽屋、ロビーなど…

それから一室だけでも広い練習室を…とお願いした。
だって、市が提示した練習室大は広さが50㎡だったんです。
50㎡ってどれくらいの空間かわかりますか?
因みに今、上田で利用させて頂いている視聴覚室や練習室が60㎡です。
10人で動くのに厳しいスペースです

少々言い過ぎだったかな。。
うるさい委員だと思われたかもね。。。
けど、こんな話を具体的にできるなんて
滅多にないチャンスだもの。
まさに千載一遇のチャンス♪
そんな感じの会議でした。

………

さて、ここからが正念場です…