蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

かくれんぼ

2012年11月07日 14時39分27秒 | 日記
かくれんぼ

「もういいかい」「まあだだよ」

日本人なら誰でも知っている伝統的な遊びの一つだ。
隠れん坊、隠れ鬼ごっこという言い方もあるし
「かくれご」と呼ぶ地域もあるそうな。

「かくれんぼ」は

 隠れる→見つける

という単純な遊びだけど、どういうわけか
私の中で深く根を下ろしている。
芝居の中で登場する遊びも、鬼ごっこかかくれんぼが多い。

なぜ深く根を下ろしているのか?と

取り立てて考えたことがなかったが
偶然読んだ本の中に、ハッと思わせる小論文を発見!

 「或る喪失の経験ー隠れん坊の精神史ー」著/藤田省三

因みにこの論文、2009年のセンター試験国語の
現代文問題として出題されたそうです。

これによると…
「かくれんぼ」に深く内在されている相互主体的共同性とその経験だと。

鬼は隠れた者を発見することによって
市民権を再び獲得して仲間の社会に復帰し
隠れた者の方は鬼に発見して貰うことによって
(略)社会に再び戻ることができるのであった。
こうしていずれも社会喪失の危機を経過することを通して
相互的に回復と再生を獲得するという劇的過程をぼんやりと経験する。

その経験は、人類史の核だとも。

私たちは子どもの頃から、遊びの中で
知らぬ間に他者との相互関係をぼんやりと経験して来たわけか…

次回本公演作品を深める良いきっかけとなった。

この小論文が掲載されていたのは「近代名作館2」という本で
別の題材の関係で借りたのだが、題材を変更したため
今日返却しようと思った本だった。

返す前にチラ読みぐらいは…と思ってパラパラとめくってみた時
目に飛び込んできたのが、上記の小論文だった。

  縁だよね、これも。

アンテナにピピッと来る文章に出会った時
喜びと共に、縁と運命を感じます。