書きたい・・・書きたい・・・
・・・俺の頭の中にあるものを、みんな吐き出したい・・
これは、文豪・中島敦さんが命の灯が消えかかっている死の床で
朦朧とした意識の中、呟いていた言葉の一部。
来月から始まる「奇想山月記 TORA」は
中島敦先生が執筆された「山月記」と
中島先生の人生をリンクさせながら執筆した超大作。
劇団本公演としては初の二幕物で提出することに。
上演時間は休憩15分を含み凡そ150分。
山月記の中に下記のような一文がある。
人間はだれでも猛獣使いであり
その猛獣にあたるのが各人の性情である
性情とは、文字の通り性質と心情
性格や習慣によって培われた命の癖、感情のようなものかな。
感情ってヤツは、やっかいだなーと常日頃から感じている。
縁によって、ころころ変わってしまうマイナス感情は
時として、恐ろしい方向に舵を切る要因ともなる。
恨み、憎しみ、嫉妬・・・
物欲、権力欲、独占欲・・・
その裏側に潜むのが
羞恥心、自尊心
誰でも自分を守りたい。
守りたいから
自尊心が傷つけられないように回避もするし
辱めに合いそうな状況から逃れようとする。
正当化し理由付けをして・・・
人の行動には全て理由があるんだよね。
そう考えると人間界で起きている出来事は
ほぼ辻褄があうし、理解もできる。
これ、良し悪しとは別の話。
そもそも良し悪しの基準が十人十色
大切なものが違う
美しいと感じるものが違う
想像する未来が違う
そして、猛獣を飼ってるわけだから
すれ違いが起きるのも当然
争いがおきるのも火を見るより明らかだ。
このやっかいな感情である猛獣を飼いならすことができれば
生きるのが楽になるし、コミュニケーションも円滑になり
人間同士の摩擦も減るんだろうけど。
飼いならす=コントロール
これが非常に難しい。
間をすっ飛ばして、誤解を恐れずに言うならば
猛獣を飼いならすために「芸術文化」があるんじゃないかと。
例えば・・・
作家は書くことで猛獣を生き生きと活動させることができる。
役者は演じることで誰にも迷惑かけることなく
猛獣を生かすことができる。
うまーく自己や他者の猛獣と向き合いながら
虚構の世界で吐き出して、日常を穏やかに過ごす。
「書きたい・・・頭の中にあるものを、みんな吐き出したい・・・」
と呟きながら、33歳という若さでこの世を去った中島敦先生。
先生の行動を辿りながら、様々なことを考えさせていただきました。
心から感謝いたします!
執筆にあたり、多くを参考にさせていただいたのが
武内雷龍先生の著書「夏雲」
雷龍先生から原作表記のご許可をいただき
激励のメッセージもいただいています。
誠にありがとうございます!
更に、今回調査する過程で「中島敦の会」の存在を知り
ご連絡をさせていただいたところ
中島先生の生誕100年記念に発刊された
「中島敦と私」という著書をお送りいただきました。
心より御礼申し上げます。
私も書きたい・・・書きたいことがたくさんある。
Blogに書きたいことが、脳の中で渦巻いている。
にもかかわらず、今年はその時間を取ることが出来ず
ついに師走に入ってしまった。
何とか年末までに、今年の総括をしておきたい。
毎年年末に振りかえると
激動の一年だった・・・
と思うような一年を過ごしてきたが
今年は更に輪をかけて、目まぐるしく学びの多い一年だった。
書きとめておかねば勿体なさすぎる!(^^)!
何とか時間を作りたい・・・
まずは劇団本公演と須坂☆キッズシアタープロジェクトの成功に向けて
準備をきっちりと整え、それが終わったら一年を振り返ろう!
◎劇団本公演「奇想山月記 TORA」チラシ
◎須坂☆キッズシアタープロジェクト チラシ
キッズシアタープロジェクトについては
また別の日に詳細を記します(*^^*)