最近、円高がすすんで日本経済にとって好ましくないためか、新聞でも大きく取り上げるようになりました。
今日の朝日新聞では、「いちからわかる」と題して円高が15年ぶりの水準だと大きく報じています。
中段に質問形式で「Qなぜ円が買われるの?」という記事があり、つづいて「Qこれからどうなるの?」という記事があります。
まず、なぜ円が買われているかですが、簡単に言えば、みだしにあるとおり「欧米より安全」だからです。でも、これではよくわからないので新聞の「いちからわかる」といううたい文句が嘘になってしまいます。
まず、欧米の何が安全ではないのかですが、記事を読みますと、金融機関や政府のことのようです。
欧米の金融機関は、昔の日本の金融機関のように多額の不良債権を抱え、その上にギリシャのように政府の借金が多額で返せないかもしれないのに、これを引き受けているのだから、欧米の銀行は危ない。そこで、こうした不良債権が少ない日本の銀行が安全だから円も安全だと見られて円買いになり、円高になっていると説明しています。
ということは、欧米の金融機関は、相当危ない!と投資家(欧米の)が見ているということになります。
ギリシャのように政府の借金に関しては、自国で借金できていれば問題ないはずですが、ドルや円で借金している場合には。こうした外貨がないと返せないということになります。
また、EU加盟の国から借りていてユーロで返す場合も考えられますが、政府に財源がない場合には、借り替えるとか、期間を延長するというような対策をすることになりますが、これは「借金は返さないよ!」と宣言していると同じことで、信用不安から市場が混乱するだけだと思います。
小生もよくわからないのですが、ギリシャ政府が自分でコントロールできないユーロという通貨を使っているのも問題を複雑にしているようです。
なぜなら、こういう緊急事態に通貨の切り下げといった政策ができないと思うからです。
さて、話が核心から外れてしまいましたが、次に「これからどうなるの」についてに記事の内容を説明します。
その答は見出しにあるように米国景気や世界経済の先行き次第という条件がついていますが「80円前後に進む見方も」あるそうです。
何故、そんなに円高が問題かといえば、輸入品は安くなるのですが、輸出品が売れなくなって景気が悪くなるという面があるようです。
この長短を比較すると、自動車や電機といった輸出関連企業の業績が悪化することへの影響の方が大きいそうで、日本としては、円高は避けたいというのが本音のようです。
経済が絶好調であれば多少の円高は問題ないようですが、今回の円高の理由が金融機関の安全という問題で起こっているのですから驚きです。
なお、円高を阻止するため政府と日銀に何ができるのかが記事の下段に出ていますが、内容につきましては、記事をご覧いただきたいと思います。
それにしても、このブログでも申し上げたことがありますが、本当に「安全だ!」という理由で欧米の投資家は円を買っているのでしょうか?
ユーロ安やドル安にして、金儲けをしているのではないでしょうか?
国際決済銀行の07年4月の調査では、外国為替の取引額は一日平均3.2兆ドル(275兆円)、そのうち円とドルは13%になっているそうです。
こんなべらぼうな儲け話があるのでしょうか?例えば、為替を短期間(一月など)に1割円高にすれば、0.32兆ドル(27、5兆円)も儲かる計算になります。
最後に海外旅行好きの嘆きです。
「旅行会社さん、もう少し円高の還元をしてくださいよ。会社名はいいませんが、去年と同じ内容なのに値上げをしているツアーがありました。燃料サーチャージも本来ならやめるべきで、少なくとも外国の航空会社は、円高分を還元すべきではないですか?」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます