日本のブータンに住んでます
あした晴れるか
そこまでして笠ヶ岳
笠ヶ岳へ行くと決めてからどうにも気が重い
億劫ならやめておけばいいのに・・
5月20日(金)17時半過ぎ、家を出発
白鳥町の大和屋にてみそかつ定食をいただき
上宝道の駅でおやすみなさいませ
しかし気が重いせいか、それとも気が逸るのか?
浅い眠りを繰り返す
5月21日(土)3時55分、起床
槍見のヘリポート脇駐車場に移動
4時48分、出発
4時57分、登山口
5時40分、最初の渡渉地点
ザックを先に投げて、石に飛び移る
計画ではクリヤ谷コースで往復するはずだったが・・
暗くなってからここを渡るのはちょっとな〜
水量が特に多いわけではないからドボンしても平気だろうけど・・・
笠新道へ下りよう
歩く距離が6〜7キロ増えてしまうが
錫杖岳前衛フェースが見えた
6時31分、錫杖岳分岐
6時43分、3回目の渡渉
以前日没後、ここで迷っている
クリヤ谷の沢、本流を渡るのは3回
6時55分、山荷葉の群生に出会う
この実がおいしんだなぁ
だんだんと急登になって
8時45分、水場で休憩
暑い、かなりへばった
水を汲もうか迷ったが
上には雪があるからと汲まずに出発
クリヤノ頭が見えてきた
このピークを左から巻くと
岩の切れ間から槍が見える
10時53分、雷鳥岩で休憩
ここにはテントが一張りできるスペースがある
こちらは稜線の北側だと勘違いしていたが
西側だから雪はない
11時26分、標高2430m
人工的に石が積んであり、ここもビバークによさそう
ピッケルを使って小さな雪渓を二つ三つ越え
13時21分、標高2680mでアイゼンを履く
スタートして8時間半、遅いっ
ときどき槍・穂高が眺められるのが救い
ガスが上ってきた
雪の隅っこをやっとこ登ります
ここからはアイゼンを脱いで
もうちょい
14時47分、笠ヶ岳山頂
コースタイム9時間30分のところ10時間かかってしまったー
とにかく登れたことを神様に感謝
笠ヶ岳山荘まで下りてメシにしよう
わぉーん、まっしろけ
トレースをたどる
15時5分、笠ヶ岳山荘に到着
出迎えてくれたテント泊の若者から
これからの下山を諌められる
避難小屋にもふたりいるので考えてみてくださいといわれ
避難小屋を覗いてみる
こちらでも「今から下山ですかー」とネガティブな反応
3対1で思い切り劣勢
まあ確かに遅い
けど登山届には下山予定21時と記している
まだ想定内ではあるのだ
19時までに笠新道の夏道を見つけられれば大丈夫
仮にビバークするにしても山頂直下のここよりは
いくらか寒さは和らぐだろう
シュラフなしではとても眠れたものではない
15時33分、3人に礼を述べて出発
メシを食ってる場合でも雪を溶かしてる場合でもなかった
16時4分、抜戸岩
登ってくるカップルから下の様子を聞いてみる
女性の口から「楽勝ですよ!」がでた
杓子平も軽アイゼンとストックでいいくらい
たしかにふたりともストックだ
よっしゃー
ふたりの足跡をついていけば間違いない!
がけっこーこーだだっ広いとトレース見失うんですね
ここで間違うととても厄介
iPhone4sの電源を入れて「山と高原地図」で狙いを定める
ここではドコモが通じたと聞いたので
auはどうかな?とガラケーも電源投入、アンテナが2本立った
長男に電話
「おぅ俺やけど下山がだいぶ遅れてて帰るのだーいぶ遅ぅなるわ」
これでやめとけばいいのについ本音がでた
「たぶん大丈夫やと思うけど〜」
ここで電話を切ったから切られたほーは焦ったみたい・・・
笠ヶ岳がまぶしいぜ
18時3分、杓子平を渡りきった
タイムリミットが近づいている
雪の上をまっすぐに下降
iPhoneを見ると電池残量がもう24%に減っている
もう電話じゃなくしたのに基地局を探しているのだろうか?
18時34分、笠新道をみつけた
間に合った
カメラを仕舞い込んで水を少し飲む
喉がからっからだけど
一口分だけは残しておこう
顔を上げると正面奥穂高岳から月が昇りはじめた
みるみる満月に
ヘッドランプを灯して歩き出す
長い長い下りだ
20時53分、左俣林道に出た
残りの水を飲み干す
月明かりでも行けそうだが
クマさんから見えるようにランプを弱く灯して歩く
笠新道を下りてる途中、左後ろになにか居たしね
空がひらけると右側には月に照らされた笠ヶ岳
雪を帯びた雄大な姿が神秘だ
こんな神々しい姿をカメラに収めようなんて
とても罰当たりな行為に思えてくる
来年の今頃この時刻、三脚持ってここまで来ようかね?
それから歩くこと6.5キロ
ろくに食わずによくもまあ、今なら体重計に乗りたい
25キロは歩いたと思ってたけど
GPSによれば23.74kmでした
高山のすき家で豚丼おしんこセットを食ってると息子から電話
「どんなもん?」