往年の銀幕のスター達が、もうずいぶんと、鬼籍に入ってしまった。たまたま、新聞を読んでいたら、山崎努(75歳)、高倉健(80歳)、大滝秀治(86歳)のインタビューが、目に止まった。黒澤明監督に抜擢されて、「天国と地獄」のうす暗い部屋から、高台にある屋敷を見上げる青年の誘拐犯役や、その後の「必殺仕置き人」、伊丹十三監督作品の主人公など、今や、演技の鬼と呼ばれる存在になったが、俳優という仕事は、「積み重ねたら駄目、引きずったら、駄目で、一つの仕事を終えたら、失敗を恐れずに、いつも、ゼロから始めないと、、、、」今や、気になる老男優の一人になっている。「はやぶさ、遙かなる帰還」も、見ておかないと、、、、、、と思い始めた。今年の夏に公開予定されている「あなたへ」の高倉健は、これが、最期に、なるのであろうか?自分が、台本を読んで、つまらない台詞だと思ったという「久しぶりにきれいな海を見た」を、大先輩の大滝秀治が、ポツリと本番で呟くのを聞いて、「言葉の深さに気づかされた」と言っている。そして、何十回となく読んだ台本の台詞も、大滝秀治が、只一言、本番で、言った短い台詞言葉に、「懸命に生きていたからこそ、この言葉が出たんだ。大滝さんが喋ると、一字も変えていないのに、その言葉の意味が出る。まだまだ、一生懸命やろうと思った。」と、激白している。これまた、「あなたへ」も、ますます、期待が高まり、見なければいけなくなってきた。どうやら、最近では、「男が惚れる男優」が、少なくなってきたようである。そんな気がしてならない。言葉の意味や、重みを演技で、表現できる俳優、仲代達矢も、高倉健より、1歳若いが、、、、、、これらの老男優達が、一寸気になり始めた。