公共工事として道路工事が盛んですが、もし本当に“必要な道路”なのだったら、それはもちろんそこを利用する人(あるいは車)が一定数以上存在しているはずですね。だったらいっそのこと、(18世紀のイギリスのように)民間が道路を造ってそこを有料道路として料金を徴収するシステムにしたらどうです? 本当に“必要な道路”だったら、ペイするはずですが。ペイしないくらいの交通量が確保できないのだったら、要らないのでは?
【ただいま読書中】『千円札は拾うな』安田佳生 著、 サンマーク出版、2006年、1200円(税別)
前書きの所で笑ってしまいます。「成功して金持ちになった人は千円札を拾いません。いや、千円札を拾わない人が金持ちになるのだと言えます。」とあります。たしかに大金持ちになる人は「千円札を拾うのにかける時間的コスト」がおそらく千円をかるく超えるでしょうから、わざわざ足や車を止めて千円札を拾わないでしょう。拾ったらかえって損をする。だけど、だからといって「千円札を拾わない人」がすべて金持ちになれるかといえば「逆は真ならず」でしょう。もちろん、「金持ちになりたい」と思いながらずっと地面を見つめて「お金が落ちていないかなあ」と行動したら、それは金持ちになるには遠い道ですが。
ただまあ、こういったキャッチフレーズ(古い?)は、ことばそのものの正確さよりも、その効果の方が重要ですから、あまりこだわらずに読んでみることにしました。
「勤勉は悪、努力は報われない(=変化しつづけること、頭を使って効率化することが善)」「残業をやめれば給料は増える(前の章と同じ意味)」「優秀な人材には仕事をさせない(自由な時間を与えて優秀ゆえの創造性を発揮させる)」などはわかりやすい主張ですが、その次の「本郷猛を鍛えてはいけない」では笑ってしまいました。「あなたは何点ですか」と自己評価をさせて、若い人間が「70点です」と答えるようだったら、著者はそんな人は採用しないそうです。だって“伸びしろ”が30点しかないのですから。(ちなみに、なぜ「本郷猛」なのかと言うと、いくら「本郷猛」を鍛えてもショッカーの手先には勝てても怪人には勝てない。怪人に勝つためには「本郷猛」を捨てて仮面ライダーにならなければならない、ということからだそうです)
「自分でできることは自分でしない」もわかりやすい。会社の社員に自社の掃除をさせるより、それを外注に出してその時間は労働をさせた方が会社は儲かる、ということです。そうそう、一番うるさい客は往々にして一番儲からない客だから、そんなのはさっさと切れ、なんて過激なことも著者は主張しています(さらに、自分の会社で実践しているそうです)。どんどん借金をしてそれを投資に回せ、とも著者は言います。投資先は「人材」「情報」「ブランド」です。何十倍以上の投資効率を生みだすのはこの3つだけだから、と。
一見びっくりするような章のタイトルが並んでいますが、その中での主張は実はけっこう真っ当な物が並んでいるように私には見えます。なんだか当たり前すぎるような、とも思えますが、では私が社長で著者と同じような経営戦略や投資戦略をとれるかと言えば、なかなか難しいでしょう。著者が自分で言っていますが、何でも捨てる覚悟を持つこと、そしてその「何でも」の中に自分自身も含めることは、本当に難しいことですから。ただ、新しいビジネスモデルを構築するためには、何かを捨てないと話が始まらないんですよね。これは、今の日本にも言えることかもしれない、とちらりと思えます。
で、結論。本書を一文にまとめると「金を生かして使うことができない“貧乏性”の社長では、企業は大きく成長しない」。ただしこれは「勝ち組」からのことばで、「負け組」からの教訓も知っておかないと高転びするかもしれない、という危惧は覚えます。
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前書きの所で笑ってしまいます。「成功して金持ちになった人は千円札を拾いません。いや、千円札を拾わない人が金持ちになるのだと言えます。」とあります。たしかに大金持ちになる人は「千円札を拾うのにかける時間的コスト」がおそらく千円をかるく超えるでしょうから、わざわざ足や車を止めて千円札を拾わないでしょう。拾ったらかえって損をする。だけど、だからといって「千円札を拾わない人」がすべて金持ちになれるかといえば「逆は真ならず」でしょう。もちろん、「金持ちになりたい」と思いながらずっと地面を見つめて「お金が落ちていないかなあ」と行動したら、それは金持ちになるには遠い道ですが。
ただまあ、こういったキャッチフレーズ(古い?)は、ことばそのものの正確さよりも、その効果の方が重要ですから、あまりこだわらずに読んでみることにしました。
「勤勉は悪、努力は報われない(=変化しつづけること、頭を使って効率化することが善)」「残業をやめれば給料は増える(前の章と同じ意味)」「優秀な人材には仕事をさせない(自由な時間を与えて優秀ゆえの創造性を発揮させる)」などはわかりやすい主張ですが、その次の「本郷猛を鍛えてはいけない」では笑ってしまいました。「あなたは何点ですか」と自己評価をさせて、若い人間が「70点です」と答えるようだったら、著者はそんな人は採用しないそうです。だって“伸びしろ”が30点しかないのですから。(ちなみに、なぜ「本郷猛」なのかと言うと、いくら「本郷猛」を鍛えてもショッカーの手先には勝てても怪人には勝てない。怪人に勝つためには「本郷猛」を捨てて仮面ライダーにならなければならない、ということからだそうです)
「自分でできることは自分でしない」もわかりやすい。会社の社員に自社の掃除をさせるより、それを外注に出してその時間は労働をさせた方が会社は儲かる、ということです。そうそう、一番うるさい客は往々にして一番儲からない客だから、そんなのはさっさと切れ、なんて過激なことも著者は主張しています(さらに、自分の会社で実践しているそうです)。どんどん借金をしてそれを投資に回せ、とも著者は言います。投資先は「人材」「情報」「ブランド」です。何十倍以上の投資効率を生みだすのはこの3つだけだから、と。
一見びっくりするような章のタイトルが並んでいますが、その中での主張は実はけっこう真っ当な物が並んでいるように私には見えます。なんだか当たり前すぎるような、とも思えますが、では私が社長で著者と同じような経営戦略や投資戦略をとれるかと言えば、なかなか難しいでしょう。著者が自分で言っていますが、何でも捨てる覚悟を持つこと、そしてその「何でも」の中に自分自身も含めることは、本当に難しいことですから。ただ、新しいビジネスモデルを構築するためには、何かを捨てないと話が始まらないんですよね。これは、今の日本にも言えることかもしれない、とちらりと思えます。
で、結論。本書を一文にまとめると「金を生かして使うことができない“貧乏性”の社長では、企業は大きく成長しない」。ただしこれは「勝ち組」からのことばで、「負け組」からの教訓も知っておかないと高転びするかもしれない、という危惧は覚えます。
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