【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

都構想

2019-04-11 06:38:37 | Weblog

 「都」と呼ぶためには、そこが日本の「都」であった歴史がほしい、と私は感じます。もちろん大坂にもかつて「難波宮」か置かれていたことはありますが、短期間だし、飛鳥時代の「日本」は「今の日本」よりはずいぶん小さいですよね。ということで、日本に「都」は「京都」と「東京都」の二つがあれば十分、が私の意見です。

【ただいま読書中】『鳥取藩の御蔵所・事件簿 〈藩政資料『御目付日記』より〉』佐々木靖彦 著、 今井出版(鳥取県文化芸術活動支援補助金助成事業)、3500円(税別)

 元禄十年〜明治四年分の鳥取藩の『御目付日記』から、御蔵所(藩の米を保存する倉庫)に関するものを抜粋・解読・解説した労作です。
 鳥取藩では領内に十箇所以上、大阪にも御蔵所が設けられていました。年貢米を搬入し、扶持米として搬出する機能を持っていますが、江戸時代には「米」は「食料」であると同時に「通貨」ですから、今で言うなら「米倉庫」であると同時に「日銀の金庫」でもあるわけです。
 私が蔵奉行や蔵番だとしたら恐れるのは、鼠や虫に食われる・雨漏りなどで米が傷む・火災・盗難・紛失などでしょう。だから、厳重な管理が必要になりますが、それでも「事件」は起きます。それも、考えられるものは全て、ときには、考えられない(想定外)のものまで。御蔵所の掘に子供が落ちて水死したとか、入り口に所有者不明の米が一俵放置されていた、とかも記録されています。帳簿や手形の書き間違いは、これはあり得るでしょうね。
 感情を排して淡々と記述されていますが、蔵番にも真面目な者もいれば無能な者もいたらしいことが読み取れます。
 ところで、現代日本での倉庫や金庫は、大丈夫なんでしょうか?