The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

年越しワイン その4-2006 エスキス ヴァン・ド・フランス ジュリアン・クルトワ

2016-01-07 22:36:29 | ワイン
ナチュールの大御所を父に持つこの造り手ですが、漏れ聞く話ではその徹底ぶりはその↑を行くようです。
あるところでは、変態ワインと揶揄とも賛辞ともとれる評価を受けているやに聞きますが、さて本当のところはどうなのか?
で、これ幸いにと、帰ってきた醸造人の端くれになった息子と一緒に飲んでみた。







『エスキス』はロワールのピノ・ムニュ100%で造る、言うなれば辛口貴腐といったところか?

ワタクシに言わせれば、変態というよりは、大昔のワインというのは、むしろこのような姿をしていたのだろう!とさえ思わせるワインなのだ。

畑仕事は化学肥料は一切使わず、醸造中のSO2もなし、そして全てが自然酵母による発酵とのこと。
収穫後プレス機に直接かけて、アルコール発酵や熟成のために樽内で寝かせ、30ヶ月の樽熟成を経て瓶詰めされる。
8~15hl/haの超低収量でモンラッシェもビックリするよなこのワインが出来るのだ!

色合いは、まるで鼈甲アメのごとく琥珀色を呈し、その香りは蜂蜜、黄桃、チンピときて、待てばドライフルーツやハーブも連想させるのだ。
味わいは香りに騙されそうになるが、ごく辛口で、底味のエキスの中のグリセリンが仄かな甘みを惹起する。
その余韻は舐めるだけでも感じ取れ、そこがモンラッシェや秀作のヴィオニエを驚かすのだ。

このワインは『ヴァン・ド・フランス』だけれども、掟破りの結果の『ヴァン・ド・フランス』なのだ。
興味だけでワインを開けて、結果年越しに凄いワインを経験することになった・・・

ほんまに驚きです!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここにあります↓