The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

新着、農楽蔵のノラ・ブラン&ノラ・ルージュ

2017-10-11 23:40:41 | ワイン
新着と書いたけど、自宅には届くはずもない。
というのも、件のその日にオーダーするのを、トンと失念してしまったのだ。

そうなると頼みの綱は〇〇酒店ということになるのだけれど、さてどうなるのか?(笑)
という感じで、胸突き八丁の心持ちで、いつもの河南ディストリクトのあのお店に足を運んでみたら・・・
それが飲めました。
何と新着の表題のワインをご相伴に預かってしまったのです。





アリガトー!

今の時点では、ノラ・ブランは内向的に押し黙っている。
一方ではノラ・ルージュは意外に妖しの香気を漂わせているものの、もちろん先がある。
でもルージュは今でも楽しめそうな気配がするのです。

どんなことをしても飲みたいワイン、何よりのご褒美でした。

2012 ヴァン・ド・アルザス ピノ・ノワール シュタイネール ジャン・ガングランジェ

2017-10-08 17:56:48 | ワイン
日々追われるようにワインを飲んでいると、心に残ったものは書き留めねばならない。
そうそうブルゴーニュのグランクリュや秀逸なシャンパーニュ、そして年代もののボルドーならもちろん心浮かれるけれど、ここにきてそんな立派なワインではなくてもダイジョウブなのだ。
まずは美味しい料理とそれに合うワイン、そして気の合う仲間がいれば、それが一番だと思うようになった。
そんなワイン飲みが一人、こんな小さな地方都市にも居ると言うことだ。

昨晩のこのワインはイロイロな意味で面白かった。
フツーに鮨屋の持込で、イクラなんでもブルピノ・グランクリュではないだろう、ということでアルザスのナチュールを選んだのだ。





SO2無添加、ノンフィルトレ、ノンコラージュ、そしてもち自然発酵。
100%全房発酵で一切除梗はしない。
その後の発酵から熟成の流れはブルゴーニュの方法を踏襲している。

飲んだ人はご存知かと思うが、実に妖艶で、一つ間違えば『雲谷斎』!
色合いは全房によって薄いけれど、味わいは濃密極まりない。
加えてアルコール度数は15%ときたもんだ。

艶かしいフェロモン様のあの香りに気付かないヤツがもし居たら、ここへ連れて来いってんだ。(笑)
フランボワーズでしょ、オレンジピールでしょ、もちろんクローヴなどの香辛料もある・・・
でもあの妖艶さはフェロモンでしょ!

口外するには頬を赤らめてしまうほどに、いやらしい香り・・・
まるで嘗てのデュジャックのようだ!と言ったら言い過ぎか?(笑)

で、その日はオトッツアン機転が利く、何とお造りの中の『しめ鯖』に目を付けた。
それが最高のアビナメントを齎せてくれた。



鮨屋に赤は無いよね、という頭でっかちなゲスWine Heatはどけどけ~
『しめ鯖』にはガングランジェのピノなんだよ。(笑)

2007 スキャマンドル グラン・レゼルヴ VDP フランス

2017-10-05 15:35:12 | ワイン
このワインは息子がお世話になっている歯科医院の院長夫妻からお土産でいただいたものだ。
『スキャマンドル』というワイン名は、その昔どこかで聞いた記憶があったのだが、どうしても思い出せなかった。
それもそのはず、それは2004年物を何かの機会に飲んでいたのだが、この2007年物とは全く違うエティケットだったのだ。
なので薄れた記憶を辿ってみれば、確かにここの2004年物のグラン・レゼルヴを飲んではいたようだ。



このワインはインプラントの世界的な権威ドクター・フランク・レノワーと若き天才醸造家ステファン・ブレー、そしてフランス人画家のピア・マリ・ブリッソンの運命的な出会いから生まれた物とのこと。
フランス南西部のニーム地方に2001年にドメーヌは設立され、2003年に初ヴィンテージのリリースとのことだ。。
そしてカリニャン、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルの4種類の葡萄が生産され、極限まで濃縮された、絶妙の味わいを醸し出す、唯一無二のワインが造りだされている。
特にも、グラン・レゼルヴァはカリニャン100%のこのドメーヌのプレステージ物。
言うだけ野暮だけど、美味しいに決まっているはずだ。

ワインの色合いはこの通り、ガーネット色に輝き、エッジは琥珀に染まりつつ、芯は濃密で光を通さない。



甘いガトーの誘いは、それに妖しげなフェロモンと蜂蜜と展開し、そしてスパイシーさとセミドライなプルーンやブラックチェリーのアロマへと続くのだ。
味わいは15度のアルコールを伴いながら、完熟の果実を正にチョコレートのソースを絡めながら舐めるが如くに味わえるのだ。

『スキャマンドル』はそれこそ色んな意味でワンダフルなワインと言える。
それは業界の先人がこのワインに関わっていることも、それこそエポックメイキングなのだが、本当の意味での凄さはまずは飲んでみることで分るのだろう。

そして業界の客人の土産でこのワインを飲めたことは、こんな素敵なことはないのだろう!とも思うのだ。

2012 サ・セ・ボン ローラン・ルブレ ACトゥーレーヌ MG

2017-10-01 15:02:08 | ワイン
グラストさんの1周年の月末立ち飲み会も2日連続通ったけれど、なかなか面白いワインに出会うことができた。
特にもこの表題のワインは出色物で、マグナムだけに評判以上に楽しむことが出来た。

ともすればナチュール系のロワールのガメイは、やややぼったくなるものだが、ここのは違う!
口当たりの良い飲み口で、優しい渋みと、ジュワッと広がるエキス、そしてそこに適度な酸味が下支えをして、自然派御出汁系の底味が見事に展開をするのだ。



それはジャン・フォアイヤールのガメイより僅かに軽快でスタイリッシュであることは確かであるけれど、その御出汁感はまるで主従の契りでも交わしたかのように近似している。

更に特筆すべきはその香りで、白胡椒、マッシュルーム、ラズベリー、レッドチェリーに潰れたイチゴ、そこに椎茸の出汁が加わり、待てばその複雑さは際立ってくるのだ。

このワインの重宝さは普段の食卓でも発揮されることだろう。
なぜならばこのワインは極めてガストロノミックであり、特にも和食に見事な相性を見せることが間違いないからである。