傾聴と瞑想

★『「今」に生きるための方法の一つは、
人のいうことに心から耳を傾けることです。
一つ一つの会話を大切にして、
新たな気持ちで相手がどんなことを伝えたいのかを、
「本当に」聞こうとすれば、あっという間に人生を変えることができます。』

エリエール&シーヤ・カーンのこの言葉、とても大切だと感じるので、ここでも他のブログでも何回か引用した。何度でも、忘れかけたときに思い起こして、かみしめたい。とくに瞑想への体験的理解が深まるほどに、この言葉から受ける意味合いも変化しているような気がする。

人の話を聴くとき、雑念や思考なく、ただひたすら耳を傾けることをどれだけ真剣に行なったことがあるだろうか。ロジャーズ派のカウンセリングは「おうむ返し」という技法も用いるが、次にどんな「おうむ返し」をするかなどと「思考」するよりも、「思考」なく聴くことのほうが、はるかに大切なことだ。

瞑想をすればするほど、自分が「聴く」、「傾聴する」という「瞑想」を、本当は全くできていなかったのだということが、よく分かる。「聴く」ということにおいて、何がいちばん大切なのかということも、瞑想をすればするほど分かるようになる。

「傾聴」が、瞑想になりうるか、つまり余計な思考をさしはさまず、ひたすら聴くことができるか。それが大切なのだ。

本当に心から集中して、日常の一瞬一瞬、心から聞くことができれば、それは「聴く瞑想」となり、自分にとっての修行ともなるが、それによって同時に人間関係が変り、相手の人さえも変化していくかもしれない。