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-大東亜戦争調査会叢書12 国際連盟とは何だったのか-(GHQ焚書図書開封 第113回)

2019-04-04 06:17:32 | 近現代史
GHQ焚書図書開封 第113回
-「大東亜戦争調査会」叢書12 国際連盟とは何だったのか-
 戦後書かれた、歴史書はその内容の半分がアメリカの立場から書かれている。その当時の日本の置かれた立場から書かれた本は昭和18年発刊の「米英の東亜攪乱」以外にない。
 満州事変の頃、アメリカと対照的に、イギリスは日本の満州進出に対して理解をしめしていた。それは、満州に利害関係がなかったことにもよるが、国際連盟の芳沢謙吉代表による日本案提案に対しても、イギリスのセシルは受け入れていたし、「The Time」は、共感と称賛の評価だった。日本が満州での警察の役割を果たしていることや、支那の主権は満州に及んでいないことなどを記事にしていた。
「米英の東亜攪乱」第1章 満州事変 第2節 国際連盟の妨害工作、第3章 日本の連盟脱退
 国際紛争の平和的解決の美名のもとアメリカの民主党ウィルソン大統領から提案された国際連盟だったが、提案国アメリカ自身が参加しないという矛盾をもってスタートした。しかし、その実態は、「援支反日」の、支那を援助し日本を封じ込める組織だった。
 世界第一次世界大戦には勝ったが、実質的には敗残国状態のイギリスはこの機会をとらえて世界の覇者への起死回生をねらっていた。アングロサクソンによる世界制覇体制(世界政府)をつくることであり、常にイギリスの背後には非参加国アメリカが控えていた。
 やがて、支那をめぐって、日本はアメリカの意向を受けて行動するイギリスとは悉く対立する構図が出来上がってきた。
 第一次世界大戦後、無傷で繁栄の道を歩みつつある若き大国、アメリカと日本。連盟会費滞納、規約違反を続ける蒋介石中国と比べ、アジアの優等生日本が何故、一国覇権主義アメリカに迎合し白人国家に追随する国々の怨嗟の的となったのか?そこには、連盟という組織を利用して参加国を支配しようとするイギリス外交のしたたかさがあった。
 ドイツのナチス台頭をきっかけに、ドイツによるベルサイユ条約改定要求をおそれた英仏は見せしめとして、国際連盟の組織を守るため日本に対して経済封鎖の処分を科せることになる。
アメリカが参加していない国際連盟の大国のひとつである日本を脱退するまで追い込めば国際紛争の平和的解決の目的を達することができなくなることに気付かなかった加盟国は、自らの力で国際連盟を形骸化させてしまった。
日本の国際連盟脱退後、ドイツ、イタリヤの脱退が続き、国際連盟の威信低下が、国際秩序を乱すことになり第二次世界大戦誘発の遠因となった。
参考文献:「米英の東亜攪乱」大東亜戦争調査会
2016/8/3に公開