最後の不明者、死亡確認=北海道地震、死者40人に―停電解消も節電呼び掛け
北海道胆振地方を震源とする大規模地震で、厚真町の土砂崩れ現場で10日未明、男性1人が見つかり、死亡が確認された。町によると、男性は最後まで行方が分からなかった幌内地区の山本辰幸さん(77)で、同地震による死者は40人となった。
これまで死亡が確認されたのは、山本さんを含む同町の36人のほか、むかわ町、新ひだか町、苫小牧市、札幌市で各1人。避難所に身を寄せる被災者は2544人(9日午後10時現在)に上る。全半壊した建物は計50棟に及び、安平町、平取町、北広島市、日高町、むかわ町に避難指示が出ている。
一方、広範囲に影響を及ぼした停電は、9日までに北海道全域でほぼ解消した。ただ、需要ぎりぎりの不安定な電力供給が続いており、週明け以降は電力需要が高まるとみられるため、北海道電力は住民や企業に節電への協力を呼び掛けた。
厚生労働省によると、一時6万1700戸余りに上った道内の断水は10日午前5時現在で8400戸まで減少。一時1万5000戸余りが断水した札幌市でも一部を除いてほぼ解消した。一方、厚真町では全約2100戸で断水が続き、自衛隊などが給水支援を行っている。
厚真町、新たな活断層が存在か 北海道地震で最大震度7観測
北海道の地震で最大震度7を観測した厚真町の現場付近に、これまでに知られていない活断層が複数存在していた可能性があることが10日、専門家への取材で分かった。過去に繰り返し地震が発生し、地形や地層が変化してできた「二次的活断層」が認められるとしている。
道内の有志の専門家らでつくる「石狩沖積低地研究会」が2014〜17年に実施した地質調査で判明した。
政府の地震調査委員会は今回の地震について、震源近くの活断層「石狩低地東縁断層帯」で発生したものではないと説明している。研究会の調査が進めば、地震のメカニズム解明の一助になる可能性がある。
最大震度7程度の余震に十分注意 雨の土砂災害も注意を
今月6日、最大で震度7の揺れを観測する地震が起きた北海道では、その後も余震と見られる地震が相次ぎ、9日夜は厚真町などで震度4の揺れを観測しました。気象台は、揺れの強かった地域では、初めの地震から1週間ほどは最大で震度7程度の揺れの地震に十分注意するとともに、雨による土砂災害にも注意するよう呼びかけています。
今月6日に発生した北海道胆振地方を震源とするマグニチュード6.7の地震では、厚真町で震度7の揺れを観測したほか、各地で震度5弱以上の揺れを観測しました。
震源の周辺では、その後も余震と見られる地震が相次ぎ、気象台によりますと、9日午後11時前には厚真町や安平町などで震度4の揺れを観測する地震があったのをはじめ、10日午前4時までに震度4を5回、震度3を18回、震度2を48回、震度1を90回観測し、体に揺れを感じる地震が合わせて161回に上るなど地震活動が活発になっています。
気象台は、揺れの強かった地域では、初めの地震から1週間ほどは、最大で震度7程度の揺れの地震に十分注意するよう呼びかけています。
また、地震の揺れが強かった胆振地方や日高地方では10日夕方まで断続的に雨が降る見込みです。
気象台は、地震によって地盤が緩んでいる地域では雨で土砂災害の危険性がさらに高まるおそれがあるとして注意を呼びかけています。