パイプラインかタンカーか
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Photo: RIA Novosti
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ロシアの「ガスプロム」は、日本に対し、サハリン南部から北海道に至る海底パイプライン建設を提案している。日本は現在、これを検討中だ。
技術的観点から言えば、そうしたガスパイプラインの建設は完全に現実的だ。 ロシア石油ガス生産者同盟のゲンナジイ・シマリ会長は「主な問題は、どのような自然災害が起きても、その安定性を保証できるかどうかにある」と見ている―
「ガスパイプライン建設というアイデアは、もうずいぶん以前から。かなり活発に論議されている。しかし,ここには双方が考慮せざるを得ない若干の面がある。一方では我々はすでに、液化天然ガス工場を建設した。今日液化天然ガスは、世界のガス市場で著しく重きを増しているからだ。それゆえロシアは将来的に、天然ガスをより多く生産し、それを日本や中国など適当などこかに供給する事になる。
他方ではロシアはすでに、ガスパイプライン建設を成功裏に成し遂げた経験を持っている。例えば,黒海を通る2つのパイプラインをすでに成功裏に敷設した。黒海では最深部は2500メートルもあるが、パイプラインは十分安定的にしっかり働いている。
しかし日本の場合、状況は異なる。地震学的に危険地帯に属するからだ。もし我々が日本側と検討を重ね、いかなる天災が起きても、パイプラインはしっかりと安定したものになるだろうと確信も持てたなら、プロジェクトは現実化されるだろう。」
日本では、ほぼすべての原子炉が停止した事に関連して、石油やガス。石炭などに対する需要が急激に高まった。現在日本は、液化天然ガスを輸入拡大することで。かなりの部分を補っているが、パイプラインを通じて供給される天然ガスよりもひどく高くつく。
それ以外にも、インフラ上の制限も存在する。液化天然ガスは、特別の設備の整ったターミナルのある場所にしか運び込む事ができないからだ。液化天然ガスの利用は、まず第一にパイプラインを作れないか、あるいはかなり長くパイプラインを伸ばさなくてはならないような地域では、経済的メリットがある。液化天然ガスの輸送は、3000キロかそれ以上の距離の場合には、魅力的に映る。 一方でパイプラインは、より距離が短い場合に、メリットがある。
ロシアからパイプラインで供給されるガスは、日本にとって、現在輸入している液化天然ガスよりずっと安くなる可能性がある。 このように大震災、津波そして原発事故後の深刻なエネルギー不足問題を抱え、経済の復興が求められている日本にとって、ガスパイプライン建設というテーマは、真剣に討議する価値のあるものと言える。
ソース ロシアの声 サハリンマン