【11月15日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相は14日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議のため訪問中のシンガポールでロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、両国が平和条約締結に向け交渉を加速することで合意した。

 

 日ロ平和条約交渉をめぐっては、北方領土問題が障害となっている。

 安倍首相は会談の冒頭、経済をはじめ2国間関係一般について議論をしたいとした上で、「特に重要な平和条約締結の問題についてしっかりと議論したい」と述べた。

 プーチン大統領はそれに対し、「安倍首相が優先事項と考えているものも含め、両国の協力についてあらゆる角度から話し合うことができてうれしく思う」と答えた。

 プーチン大統領は9月、ロシア東部ウラジオストク(Vladivostok)で開催された「東方経済フォーラム(Eastern Economic Forum)」で安倍首相に対し、「今年中に前提条件なしでの平和条約締結」を提案。ただ、日本側は当初この提案を冷ややかに受け止めており、菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官も「政府としては北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する基本方針に変わりはない」と述べ、否定的な考えを示していた。

 しかし、ここ数か月で北方領土問題解決に向けた外交努力が加速。少なくとも日本側が平和条約の内容について協議する意向を示す段階にまで進展している。(c)AFP