「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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福島空港7時間滞在で韓国テレビ監督148ミリシーベルト被曝についての新情報

2011-05-20 03:48:35 | 福島第一原発と放射能

 墨田区東向島のギャラリーでの集会は八十人以上が参加し、熱気に包まれました。僕の中では、「想定外」のスピードで事が展開している感覚です。僕の意思もありますが、それ以上に、何か大きな動きがはじまっていて、その列車が走り続けていて、そこに自分が乗っている感覚なんです。だからこそ、どんなに速度がはやまっても、為すべきことを為していく事しかないと、強く思います。

 討議の内容は、具体的な行動をしていこうという意志が、さらに前回以上に強まったということです。まず、首都圏での土壌調査をまとめて行おうと言う事で、かなり意見がまとまりました。これは、経費も個人負担でかかりますが、首都圏で幅広く行いたいです。一箇所、一万五千円程度は必要です。まとめてやって、結果を公にするという話です。希望する方は、表明してください。壌調査を数多く、検査機関で行う事が、ガイガーカウンターでの計測よりも有効度が高いと言うのが、討議での結論のため、土壌調査を優先して行います。ガイガーで表明していただいた方には当面すいません。ただし、ガイガー隊も今後出来る事はまだまだありますから。

 さらに、6.11のデモについても、積極的な発言が多く、これまで一度もデモをしたことのない人がほとんどなのに、皆、思い切った行動を取るべきと言う意識をつよくもっていることに、僕の方が、ちょっとびっくりしました。ここは、今後もいろんな展開が考えられますが、いろいろ考えていく必要があると思います。積極的に出て行くことはもちろん大賛成です。

 

 

 さて、韓国のテレビ、KBSのカメラ監督が148ミリシーベルトも被曝したニュースについて、僕は当初、「いくらなんでも」と思い、事実関係の確認が必要と言いました。というか、うそじゃないのかと疑っていました。しかし、今、もう一度考え直す必要があると思っています。下記のニュースです。まずご確認下さい。

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震災取材のKBS撮影監督ら、被ばく許容限度超える

聯合ニュース 5月11日(水)17時1分配信

【ソウル11日聯合ニュース】3月に発生した東日本大震災の取材に当たったKBS映像制作局の撮影監督らが、基準値を超える放射線量を被ばくしていたことが11日までに分かった。
 KBS新労働組合の全国言論労組KBS本部によると、3月15~17日に東京付近を取材した撮影監督を検査した結果、放射線被ばく量が103ミリシーベルトと推定された。染色体の分析結果では、1000個の細胞のうち、5個の細胞に異常が見つかった。
 これに先だち、3日には別の撮影監督が放射線被ばく(148ミリシーベルト)によって1000個の細胞のうち、7個の細胞が損傷を受けたと診断されている。同監督は3月12~15日に福島付近で取材した。
 放射線防護基準などを決める国際組織・国際放射線防護委員会(ICRP)は原発事故の緊急時に被ばく線量限度を年間20~100ミリシーベルト、事故の収拾段階にある時は年間1~20ミリシーベルトと提示している。
 東京付近を取材した撮影監督は、「見えないことが一層恐い。日本に滞在する時に地震はむしろ恐くなかった。被ばくが恐かったが、現実となった」と話した。
 一方、KBS広報室は、「こうした事態が起きたのは非常に遺憾で、必要な措置を講じる。しかし、検査結果値をどのように受け止めるかに対してはまだ慎重な立場だ。精密検査が必要だと把握している」とコメントした。

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 きのうはじめて判明したのですが、実はこの韓国KBS取材のコーディネーターは僕の知っている人でした。信頼できる人です。このコーディネーターから僕にもまわしてとメールが来ました。このメールを見ると、ことはどうやら何かが起きていることは間違いなくて、推定148ミリシーベルトの被曝の数字が完全に適合するのかどうかは、見解が分かれるところですが、きちんとした韓国の検査機関での診察による推定だと言う事です。もちろん、推定がはいるため、厳密に正しいかどうかは分かりませんが、全くデタラメということではないものと思います。韓国の「国家放射線非常治療」というところからの診断結果、推定被爆全量が0.148Gy(グレーの誤差範囲は0.027~0.322)位で、細胞 1000個で、7個の染色体が損傷ということだそうです。染色体に損傷が出ているのは事実。現況の状況から考えて、推定なので最小値は27ミリで最大値は322ミリのゾーンの中の被曝であるということでしょう。幅は大きいですが、どうやらかなりの被曝です。福島空港に七時間いてこの状況。しかも彼からのメールで、韓国の検察も一部調べている状況もあるようです。

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 私が知っている限りの事実を書きます。
 11日に地震が起きて、その日の内にKBSの『追跡60分』では日本に取材チームを送ることを決めました。一番近い被災地に入る方法は、韓国からは福島空港でした。仙台空港は津波で流されていたし、新幹線も東北道も封鎖されていました。その日の内に出発することは不可能だったので、12日の午前10時にソウル仁川空港を出発し、12時10分には福島に着きました。ところがそこから先、行動を共にする迎えの車が来ません。東京を朝6時に出たのに、高速が全部通行止めで、一般道も大渋滞の中、当然なことです。携帯も、なかなかつながらなかったようで
す。車が着くまで7時間余も待たされたというので、スタッフは夜の8時近くまでずっと空港にいた筈です。移動手段もなく、他の場所へは行きたくても行けません。12日のこの時間に空港で被曝した筈ですので、内部被爆ではない筈です。
  彼らは夜を徹して仙台まで移動し、13日には名取、気仙沼、南三陸で撮影しています。ガソリンがなくて大変だったとも聞いています。14日は仙台に戻り、韓国に帰る人たちの取材をした後、もう一度福島から新潟に入ります。東北道が使えず、磐越道も基本的に駄目なのですが、領事館が政治的に動いて、何とか15日の明け方には新潟に着きました。この頃は東京で取材している私のチームと携帯で直接連絡取り合っていましたので、リアルタイムで知っています。そしてまた関越から東京に向かい、15日の夕方の飛行機でソウルに戻りました。そして16日に放送されました。
  私は当初12日に青森に入って、八戸の取材をしてくれと頼まれましたが、地震の翌日はすべての交通手段が遮断されていて、唯一飛行機だけ三沢か青森に行く便がありましたが、全部満席で、まったく不可能でした。それでソウルからまっすぐ青森に入るチームの通訳と車の案内、つまりいつも私がしているコーディネーターの仕事は、韓国語が話せる人が居る民団組織に頼みました。民団の各地方本部の電話番号や連絡先は、私がソウルに知らせました。
それで私は東京、千葉の様子を取材に来た女性プロデューサーと共に、13日から15日まで市原の製油所が炎上しているところや、浦安、千葉の液状化等を撮影しました。
   その後私は26日から4月3日までソウルに滞在し、親しい『追跡60分』の司会者に地震、津波だけではなく、福島、そして浜岡、六ケ所の原発の危険性を訴えて来ました。『追跡60分』では一月後に浜岡の危険性を訴える番組を流しました。  その頃KBSの社内では、労働災害だと仙台に派遣されたプロデューサーから、匿名の訴え記事が労組の新聞に出ていました。放射能で危険な場所に派遣されたのに、ガイガーカウンターも装備も薬も何もなしでは危険過ぎるという訴えでした。朴監督に同行したこのプロデューサーの被爆も心配です。
  それが5月の3日にもなってから初めて精密検査をして、驚くべき数値が出てショックを受けたというのが、今回の記事です。私もインターネットの記事でこのことを知った日本人の友人から、心配の電話を貰って初めて知ったほどです。すぐソウルに確かめましたが、担当司会者は業務上過失障害にあたるのか、検察から呼び出さたと聞きました。
  でも一番心配なのは、たった半日飛行場にいただけで被爆したのなら、ずーっとあの附近で暮らしている人たち、避難していても特に若者や子どもたちが、どれだけきちんと検査や治療を受けているのかという問題です。
  学校や幼稚園の運動場からどんどん放射性物質が検出されている中、安全だ、健康に心配ないと主張し続ける文部省の態度には非常に疑問どころか怒りすら覚えます。
  以上です。

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 茨城の主婦の投稿からも、最初の段階から、考えられないくらいの放射能が出ていた疑いがぬぐえません。メルトダウンし続けていたことを、当初から、政府や東電が明確に認めていれば、避難ゾーンは、当初から最低アメリカと同じ80キロか、100キロくらいの圏内におくべきだったと思います。これは、僕が何回も主張している通りですし、テレビスタッフがこの距離でこのレベルで被曝している可能性を考えると、僕自身が取材ゾーンを100キロと主張した事は、遅い話だったかもと、反省しなけれければならない気もしています。

  一番肝心要の福島の皆さんに直接お話をしたいと考えています。現在、福島県内より三箇所からお問い合わせがきています。
 
この日曜日の午後は東村山市の市民センターで、「福島第一原発の真実」
13:30開場14:00開始 16:00終了予定 ほぼ満員。参加費は二百円(部屋変更などで使用料等増えたため)。
来週月曜日は茨城県小見玉市で講演会をおこないます。
5月23日(月)18: 00~21:00で講演会。小見玉市美野里公民館(小見玉市役所美野里 庁舎横)。
参加費未定(最大数百円程度)。
 
 福島原発の事で直接いろんな方とお話をしたいとおもいます。この危険について、僕が知りうる知見をお話いたしますし、それよりも懸念を抱かれている皆さんと、色々話したいです。全国に伺います。

ミニ集会でも、トークセッションでも、講演会スタイルでも構いません。

条件1 参加者は主催する方が集めていただく事(何人でもかまいません)。場所の設営、部屋の使用料がある場合は主催者が考えて下さい。

条件2 交通費実費のみいただきます(すいません経費のゆとりはありません)。謝礼は不要。

お問い合わせはnagaikenji20070927@yahoo.co.jp

 

 

 

 

 

 

 参加者が三千人に迫っています。 Facebookの公開グループ「福島第一原発を考えます」は大変活発な論議が始まっています。行動する皆さんの参加を期待します。
 http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863