「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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この夏、できるかぎり多くの原発停止をすることから、どのくらい電力が必要かを見極めるべきです。

2011-05-12 03:19:39 | 福島第一原発と放射能

 現在、運転している原発は22基、停止は32基です。浜岡原発を停止する代わりに、他の原発を運転すべきだと言う言説を垂れ流しているマスコミが複数あります。夏の電力不足を容認するなと言う論調です。だまされてはいけません。本当に、止めなければいけない原発は限定されているものではありません。全国全ての原発を、廃止にしていく動きを進めることが、最も大切な事です。原発は簡単には廃炉は出来ません。ここから、その動きが具体的に始まっても二十年くらいの年月日が必要になります。危険の高い炉。老朽化している炉。優先順位をつけて、一つ一つ廃止していくことが、最も求められている事です。

 そうした場合、この夏に全国にある原子力発電所の炉を、できるかぎり多く止めてみて、一体、電力需要に本当はどういうことがおきるのかきちんと見極めるべきだと思います。計画停電と言うのが、電力会社自体でさえ、送電が地域で細かくどういう状態で、どういうふうになっているのかが、きちんと分かっていない実態の中で、トラブルもありましたが、実際一定程度のことを行えば、電力と需要というのが、ある程度は維持できる事も、実は分かりました。今まで、ブラックボックスだったことが少し見えてきたと思います。本当に夏場のピーク時に必要な電力はどこまでで、その電力を維持するために、原子力発電所は一体何基、まだ動かさなければならないのかということです。ここは、電力会社が作ってきた伝説に惑わされてはいけません。本当に必要な電力を維持するために原発を最低まだ何基動かさなければならないのかという事実を明確にするべきです。そこから、原発を全て廃止するという国としての道筋が見えてきます。そのためにも、この夏、恐れずにできるかぎり多くの原発を停止するべきだと思います。

 これは、各電力会社が、地域独占という形をとりながら、株式会社として別々に機能させる事が、日本全体のエネルギー政策として妥当かどうかと言うことも考えていかなければならないと思います。原子力発電という、事故がおきれば、広域な社会全体の存続にまで大きな影響を与えるファクターを、個別の民間会社が、民間ベースでおのおのおこなっていくというスタイルは、本質的にはおかしいと僕は考えます。これは、国策として、日本政府が進めさせたわけですから、国策として、日本政府が、各原子力発電所の運営を、全体として国がどうしていくのか考えなければならない状況と言う事です。

 

福島の子どもたちについては、作業を進めていただいてるケースはこのような感じです。地域ごとに、受け入れる体制がどのようにあるのかを具体的に調べていただきたいとお願いしたところ、札幌からこのようなご連絡が来ました。

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こんにちは。いつも、ブログ、Facebookのグループ、早く、有益な情報が多いので活用させていただいております。ありがとうございます。
昨日のブログで各都道府県の受け入れ態勢について書いておられたので、微力ながら札幌市に電話しましたのでご報告いたします。
札幌市(市役所・教育員会療法からの回答を要約)
住宅戸数は市営、道営、雇用促進住宅あわせて1350戸 うち140世帯入居済み
子供だけでの受け入れ(ホームステイなど)の受け入れ態勢はなし
避難してきた家庭に子供がいれば、もちろん市内の学校どこでも受け入れ可能。とくに受け入れ可能な人数の制限はなし
「避難してきた子供が小学生、中学生であればもちろん受け入れます。」とのこと。
市内受け入れ校 小・200校 中・97校 高校・市立8校 
入居した住宅のある学区内に登校する。
ちなみにあくまで予定ではあるが、被災地からの学校単位での受け入れを検討中
廃校の校舎を利用し、その近くに空き室のある市営住宅に入居してもらう。
場所の条件が限られるので、検討中である。
以上です。道にも問い合わせるつもりですので、数日の間にまたメールさせていただきます。
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 具体的で的確な報告に頭が下がります。このような形式で、お住まいの自治体、近接の自治体、都道府県に問い合わせをしていけば、ある程度の情報は集積可能と思います。本来こうした事は、政府がやればはやいのでしょうが、協力していただける人がいる中で、できる限り多く情報を集めて、つないでいく作業をしていきたいと思います。引き続き宜しくお願いします。
 
 きょうの3号機の状態に大きな変化はありませんが、引き続き注意が必要です。海中には3号機から一万八千倍のセシウムが流出していることがわかりました。海洋汚染は、どうにもとまりません。
 
 また、気になるのは神奈川県の南足柄の茶葉からセシウムの暫定基準を超える570ベクレルが検出されています。関東の西の端になる、足柄でも検出されていることは、放射性物質の降下量について、少なくとも関東全域でもっとシビアな調査が必要であると僕は思います。ここまできているということは、関東の農作物全般について、安心できるレベルではないということです。関東平野全域は、この流れの中で、最終的にどこまで被曝するのか、僕は大変憂慮しています。これは、今後の爆発の有無ということだけを考慮する構図だけをみるのが有効ではないのかもしれません。実は今、事態は深刻になりつつあるのかもしれません。

南足柄の茶葉から基準超えるセシウム 出荷自粛要請(朝日新聞) - goo ニュース

 

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Facebookの公開グループ「福島第一原発を考えます」は大変活発な論議が始まっています。1900人を超える方々が集っています。行動する皆さんの参加を期待します。

 

 Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」アルファベット表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。行動する事につながればと思っています。公開グループの説明文です。

「We think about Fukushima Daiichi.

 東京電力の福島第一原発について、この事故の事態に直面し、考え、対話し、
さらに行動するためのグループです。」

 できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

もちろんこのブログに、グループで提示された重要情報は僕が転載したり、コメント欄で書き込みをうながしています。その点は継続しています。