「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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師匠の橋本公亘氏「憲法変遷説」を連想、安倍政権が依拠、中大・長尾一紘名誉教授の安保法制合憲論の迷妄。

2015-06-14 03:00:00 | その他

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安保法制を合憲とする主張をしている憲法学者は3人なのですが、ここに長尾一紘・中央大名誉教授が入っています。毎日新聞によれば「戦後70年、まだ米国の洗脳工作にどっぷりつかった方々が憲法を教えているのかと驚く。一般庶民の方が国家の独立とはどういうことか気づいている」と述べているそうです。

僕は彼に、中央大学法学部で、1987年に憲法を授業で習いました。

少なくとも、その頃、そんな解釈はしておらず、法的な実務解釈を細かく行うタイプで、どちらかというと法律実務家になるための予備校的な授業に近いと感じました。テクニカルに細かく実践的な部分が多い授業でした。

実際に主たる著作は、世界思想社から出している『日本国憲法』。授業教科書でした(この本の最新版は、どうやら今回のような主張が盛りだくさんになっているみたいです)。これ以外には、下記のような本をよく出している教授です。
 
『最新 司法試験案内―各科目勉強法』(文久書林、1983年)
『憲法の要点整理 (公務員試験 合格対策シリーズ)』(実務教育出版、1992年)
『重要テーマ別 憲法の頻出問題 (公務員試験によくでるシリーズ) 』(実務教育出版、1996年)
『はじめて学ぶやさしい憲法―豊富な図解と身近な事例でわかりやすく解説 (公務員試験 16)』(実務教育出版、1997年)
『上・中級公務員試験 20日間で学ぶ憲法の基礎 (20日間で学ぶシリーズ)』(実務教育出版、2002年)
『上・中級公務員試験20日間で学ぶ憲法の基礎 [改訂版] (上・中級公務員試験 8)』(実務教育出版、2005年)

そして、当時、中央大学の憲法は、彼よりも年配の橋本公亘教授が中心でした。長尾氏は橋本氏の弟子筋にあたるはずです。

この橋本氏が突然となえたのが憲法変遷説。

要は、憲法9条は、元々戦争放棄を制定当時は目指していたのはまちがいない。
しかし、時代が変わったのだから、そのまま文字通り解釈する必要はない。
時代の変化に応じて、解釈を変更すべきという話です。

正直、こんなものが法律の学説なのかという話でした。大学では、法学部内でも、この学説を出したことで、橋本氏も色眼鏡的な感覚が強い感じで見られていたと思います。

大学内では、「憲法変遷説は橋本教授は最高裁判事になりたいからだったのだろう」というような話が普通に飛び交っていました。

そして、今回の安保法制合憲は、少しでも法学を学んでいる人間にとっては、法律の条文解釈という最低線のルールを全く無視する話で、受け入れる人はいないと思います。

実際、長尾名誉教授以外の憲法学者は、失礼ながらイメージとしてまずはこの方達を憲法学者と思うのかなあ???という人々。政治主張家だなあと思える感覚の人たちなのです。

ただし、長尾氏だけは、憲法学者としての実績がまずわかりやすい人物です。 

そして、僕が大学にいた当時は、確かに授業で橋本氏の憲法変遷説を、口ごもりながら、これは無理でしょうと話していました。彼の授業は、あまり政治思想的な観点は示されておらず、客観的な解説に特化しようとしていたものでした。

本当に予備校的な感覚に近い授業だったと思います。

なお、憲法学者として知られていた橋本氏は、同じ憲法学者の川添利幸教授が非共産党系のリベラル派に支えられて中央大学長として君臨したことに比べると、学内政治的に完全に後塵を拝する状態だったのは間違いありません。

今回の安保法制合憲とする長尾名誉教授の話は、なんというか、かつては批判していた師匠と、結局弟子は似てくるのだなあということに過ぎない気がします。DNAなのでしょうか。中央大学内で人脈的に中心になれなかった学者、特に憲法学者が、まったく同じような行動パターンを辿っている気がしています。まあ、学内的にも、憲法学者界隈でも、かなり異端な状態です。

こんなものを根拠にして進む安保法制の合憲という話は、どう考えても無理筋ということです。

さて、僕は法律学科で学んだ人間ですし、中央大学法学部で3年間兼任講師も務めていましたから、こんな話が中大から聞こえてきたのは、大変残念に思います。
 

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金曜【6/19(金)夜 映画「ラジウム・シティ」上映&木下トークIN京都】
18:15開場 18:45トーク 19時上映開始(19時以降入場不可。21時過ぎ終了予定) 
ひと・まち交流館 京都 大会議室 (下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83番地の1) 

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土曜【6/20(土)夜 映画ラジウム・シティ上映&木下黄太トーク IN徳島】
17:45受付開始 18:15スタート
ふれあい健康館 1Fホール(徳島市沖浜東2−16)

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【6/28(日)三田茂医師&木下黄太講演会in新潟】 

13時開場  13:30開演  クロスパルにいがた映像ホール 新潟市中央区礎町通3ノ町2086 

申込み&詳細⇒https://yobukainiigata.wordpress.com/  

お問い合わせ先
yobukainiigata0628@gmail.com
08066076940(岸) お電話は午後以降夜までにお願いします。 

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放射能防御とメディアリテラシー(ネットリテラシー)を考察する会を大阪で開催します。通常とは、話すテーマが、メディアリテラシー(ネットリテラシー)に比重を置く講演会になります。

【~5年目を予測する~7/11(土)木下黄太氏特別講演会in大阪】

 14:00〜17:00

 申込み&詳細⇒http://www.kokuchpro.com/event/0711osaka/

 会場 淀川バイブルチャーチ  大阪府大阪市都島区毛馬町3-3-26

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【7/19(日)三田医師&木下黄太講演会IN広島】  

 12:30開場  13:00開演

広島市まちづくり市民交流プラザ北棟5F 研修室ABC (広島市中区袋町6-36)

申込み&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/295718/

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