「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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北海道に避難した或る親子を取り巻く、学校や地域社会の反応についての考察。この日曜、5/15は札幌講演。

2016-05-09 21:26:46 | 福島第一原発と放射能

  【5/15(日)木下黄太講演会in札幌】  

「原発事故後、5年が経過して確認すること」  

  13:30開場 14:00開演 16:15終了予定  佐藤水産文化ホール3F (JR札幌駅南口すぐ)  

  申込&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/390798/


札幌でも、この五年間に、いろんな出来事がありました。被曝回避をしている方たちの中でも、思わぬ問題が生じていると聞いています。

こうした中で、僕はこの日曜日にいろんなことを皆さんにお話したいと考えています。

さて、被曝回避することを北海道でどう意思を示していくのか。

今回の札幌講演に参加される方から頂いたいろんな思いが綴られた文章です。

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≪僕らは避難者、当時はそれだけでOK≫

2012年1月、神奈川県川崎市から、すべての人間関係や、仕事をかなぐり捨てて、家族で、原発自主避難を選択。

「かなぐり捨てた」のは、そうしないと、東京に戻りたくなることが予想できたから。

すぐに始まった、小学2年生のわが子の給食についての学校との交渉。孤独な闘い。

担任に「なぜ原発自主避難をしたか」について書いた手紙を差し上げる。 校長、教頭、栄養職員、担任の先生方と面談をして「一部家庭より持参」というシステムを作っていただく。

2012年の避難当時は、関東からの自主避難でも「避難者である」ことを伝えれば 「大変でしたね」と言われて、いろいろとやってくれた。 「こどもの命を守るため、命からがら」というイメージは伝わった。

≪5年経ったら 「なにを学校に要求している親なのか?」≫

「学校は何をすればいいのか?」だけを確認される。

学校体制を批判するモンスターペアレンツでないと分かり、 「要は給食で使われる食材の産地・加工地を教えればいい」 ということが分かると、安心する。

学校側の責任者が言う言葉は 「いろんな意見の人がいます!わかります!」 「ご要望にはできる限りの協力をします!」 「なんでも連絡してください!」 「けれど、最初の対応は学校と担任に任せてください!」

もちろん悪気は全くないが、 しかし、根本的な部分には触れようとしない。

つまり「なぜ私たち家族が札幌に避難しているのか?」 には全く興味がないし、触れたくない。

ただ、触れたくない言葉「キーワード」は知っているようだ。 「原発事故」「避難者」「放射性物質」「内部被ばく」など。 世間では「忘れない○○」というけれど、実は「忘れたい○○」であるようだ。 それは「 1を聞いて1を知るだけの人々」だ。 「なんで札幌に避難しているのか?」に触れたくないため、 給食と原発事故とを、関連付けることができない。したくない人々だ。

≪こどもは気づいて露骨に触れてくる≫

中学生ともなれば当然、関心を持つものは大勢いる。

「なんで給食もって来るの?」 「食べればいいじゃん!」 「そんなのただの、あんたの親の過保護じゃん!」 「就学支援受けてるのに給食食べないの?」 「そんなの税金食いつぶしてるだけじゃん!」

社会のミニチュアである中学校のクラスでは、こんな言葉が、わが子に投げかけられた。 この言葉を不快に思い、わが子は、自分で先生にお願いし、間に立ってもらって、生徒同士で、この件について話し合いをした。

「食べられるもんなら食べたい」「わがままで食べないのではない」 「もしかしたら危ないかもしれないから食べない」 「友だち捨てて札幌に来た」 「食べればいいじゃん!のようなキツイ言葉で言わないでくれ」 「就学支援を受けてるのには訳がある」「親に直接言ってくれ」 「なんで食べないのか本当に知りたいなら、ちゃんと説明する」 「本気できちんと聞いてほしい」「ちゃんと答える」 けれど担任から私に報告された言葉は 「私はちょっと離れたところにいたので、よく聞こえなかった」 「まぁこどもの言うことだから」「言い争いになってしまって」 というものだった。

わが子に事の次第を説明され「お願いします。立ち会ってください。」と頼まれたにもかかわらず「よくわかりませんが納得はできたようです」という報告だった。 後日、私から先生にはお願いして 「こどもが話したいならば、時間をとって話す時間を作ります」 と確認してもらった。 もちろん、必要が生じた場合には、私が説明してもかまいませんとお伝えした。 そして、私の友人の子供は「給食食べないで自分だけ生き残るつもりか!」と罵倒されたこともあるとお伝えした。

中学生は「自分と違う」生徒に大きな関心を持っている。 露骨に言いたいことを言ってくる。 大人は、なんとなく知っているが「いろんな人がいていい」というマジックワードを使うだけで、「違い」に目を向けず、取り組まず、違いを放置する。 おおごとになったときに責任を取るのが面倒なだけである。 一方、私が責任をもって説明しに行きますと言っても、それは拒否をする。 問題が起こっても、何も隠さなくていいと言っても、まずは説明しないことを選ぶ。

≪説明しなければ、伝わらない≫

「問題の根本はどこ?」 問題の根本は「なぜ私たち家族は、ここ札幌に住んでいるのか?」 この点から始まる。 まだ原発事故は収束していない。 30年後に廃炉作業が始まるに過ぎない。 原子力緊急事態宣言は解除されていない。 水と空気と大地は汚染され続けている。 こどもや大人が、どんなものを食べるか?(内部被曝) どこでどのように作られたものを食べるか?(食品添加物・遺伝子組換えなど) どこへ行くのか?(外部被曝) どこに住むのか?(呼吸と経皮による被曝)ということは、 「命と直結する喫緊の課題」である。 原発事故が起こったら、汚染と健康被害が待っている。 こうした手紙を書き、栄養職員や担任、教頭、校長に伝え続けている。 「頭がおかしい?放射脳!新興宗教にハマったか?」と言われる原発自主避難者。

私たちは、「異常者」扱いされてもなお、命を選び、原発自主避難を選び、維持して、被曝・移染を危惧し、札幌で必死に生き抜いている。 チェルノブイリ原発事故を引き合いに出さずとも、すでに、日本のこどもの甲状腺ガンだけでも150名以上の患者がいる。 様々な資料や手紙を添付しながら、毎月、給食の原材料の産地を聞く行動を続けています。

≪目の前の人間に、伝え続けなければ、社会全体の無関心は止まらない≫

そしてまたいつか、原発は爆発する。 無関心、無知は、国家為政者の暴力に加担する者である。 知って伝え続けないのも、同じく加担する者である。 それを、知って伝え続ける活動をして下さる、木下さんの講演を聞きに行きます。 1人じゃないと分かることが、嬉しいけれど、一人でも、やっていく覚悟です

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△名古屋の講演会開催時におっしゃっておられた「震災対応で見えてきた政府などの問題点の整理。

△地震リスクの長期化で、他県等への推奨される"一時"自主避難という状況。

△地震の状態から考えて僕らはどこまでリスクを共有すればよいのか。

△8000Bq/kg土壌問題に関しての、僕の見解。

こうしたことなどに関しても札幌講演で話すかどうかと言うことを、主催者から問い合わせがありました。

勿論話しますし、北海道での補選結果も踏まえて、来るべき参議院選挙への考え方についても、話しておこうと思います。

要は、そんなに明るい見通しはなく、しかも市民側の内部亀裂が深刻化していることをわかっていなければならないということです。

また、講演終了後に一時間程度喫茶ミーティングも計画されているようですので、ご参加下さい。

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