「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「東京の放射線量100mSvになる危険性」アメリカ政府高官メール報道で再確認する、破局間際だった東京。

2016-05-10 16:27:57 | 福島第一原発と放射能

 【5/15(日)木下黄太講演会in札幌】  

「原発事故後、5年が経過して確認すること」  

  13:30開場 14:00開演 16:15終了予定  佐藤水産文化ホール3F (JR札幌駅南口すぐ)  

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共同通信が下記の内容を報じています。

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線量予測が示されたのは2011年3月11日の事故から約1週間経過した米東部時間17日付のメール。「3〜12時間、放射性物質の放出が続き、福島から東京に向け風が吹き続ける」と仮定すれば、東京の線量が数週間で100ミリシーベルトになる危険性が1%、10〜20ミリシーベルトの危険性が10%とした。

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これは、クリントン前国務長官のメール公開が為されていて(私的メール利用についての問題が発端)、大統領選挙の行方と関連する内容ですから、そのメールがどういうものかが、外電では報じられています。

こうしたメールに関して、おかしな利用をしていないことを証明するために、積極的に公開されている状態もあるのですが、この余波として、2011年当時に、オバマ政権でホルドレン大統領補佐官が出したメールです。ハーバード大学教授もつとめ、気候やエネルギー問題の専門家です。大統領の科学アドバイザーと言えるでしょう。

https://www.whitehouse.gov/administration/eop/ostp/about/leadershipstaff/director

米国政府高官内で、最悪想定は100mSvという被曝線量に到達する可能性も想定していたこと。

さらに10から20mSvの被曝線量は現実にありうる危険性と判断していたこともわかります。

まあ、これは最初の放出である、3/15以降のメールですから、当然と言えば当然の話です。

東京で最悪想定が100mSvであれば、80キロ圏内がどうなる可能性があったのかは言うまでもありません。

可能性も格段に上がるということです。

これは、ほぼ数ヶ月で生きるか死ぬかの阿鼻狂乱に近い世界が、東京でもおきうる可能性を、わずかながらも米国政府は想定していたことになります。

そして、こうしたリスクをおそらくは同じように知りながら、日本政府は隠蔽したことは間違いありません。

結果として、100mSvの外部被曝には東京は幸運としてなりませんでしたが、一定の被曝は現在も続いているということです。

僕が、東京を離れたのが、ちょうど同じような時期です。

自分が勤務していたテレビ局と見解を違えて、「出るなら、木下ひとりで出てくれ」と言われたことをよく思い出します。

僕は、米国が80キロ圏内から退避させた状態を見て、危機は深刻化している大きな判断材料に、当時もしていました。

そして、5年以上が経過して、その根拠の一つとして、おそらくはこうした想定がアメリカ政府高官の中でやりとりされていたことを確認したということだろうと思います。

このブログが、原発のことを書き始めたのは、3/21です。

その下記リンク記事の本質は、改めて間違っていなかったことを、再確認する感覚です。

 

福島第一原発の100キロ圏内の皆さんを圏外退避させるべきだとおもいます。

実は「直ちに」ではなくても、最も早ければ数週間レベルで破局間際となる状態が東京にありえたことがわかります。

こうした危機を国民に伝えなかった日本政府の問題は、更に現在より深刻化しています。

その危機に国民を蔑ろにしたテレビ局や大新聞の状況もより劣化が激しいです。

これは、危機を誤魔化した東京では、更に酷くなっていることも間違いありません。

合掌。


〔追記〕

「数週間」というスパンで被害が生じるような「破局」間際の東京ということをきょうは書いています。しかし、現在はそのスパンが「年単位」になっただけなのではと、僕は感じています。この時に「破局」に至らなかったから、東京は今は安心なんて、僕は当然に感じていませんから。


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 僕が、このブログ、Facebook、ツイッターなどで書いていることについて、面識の無い方から、ご意見を頂くことが最近は多いです。ご意見を頂くのは一般的には有難いです。しかし、相当にこちらに踏み込んでご意見されるにも関わらず、僕が最近書いている内容について何か曖昧な言い方をされる場合が多く、いぶかしく思っていました。

 具体的に言うと、メールマガジンが中心媒体となっているのに、そこに書いている内容は、ほぼ知らない場合が多いです。話が通じません。

工作員的な話ではなく、反原発で被曝回避の立場としか思えない方からです。

それで失礼ながら、そういう方の名前がわかる場合に、確認してみました。

そうすると十中八九、僕のメールマガジンを、過去も現在も購読もされていません。

すいませんが、作家の本を購入する読者が、手紙を出して意見を言うのはまだわかります。

しかし、本を購入もせずに、大人が作家に意見して手紙を出すのは変だと思います。

インターネットでも同じことです。

ブログにせよ、Facebookにせよ、無料媒体は読んでいる側は何の対価も払っていないのですから、記述によって実害を蒙っているというようなケース以外は、踏み込んで意見してくるのは、実は面妖な話です。

意見するまでこちらに関わりたいなら、きちんとメールマガジンを購読するのが筋だと思います。

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