俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

深いプール

2008-01-11 15:20:04 | Weblog
 大阪には背の立たない深い屋外プールが無くなってしまった。かつては扇町の旧大阪プールや浜寺公園プールや牧野ヤングプラザには深いプールがあったが総て無くなった。浜寺公園にあった深いプールは水死事故のあと使用禁止になりそのまま廃止になったと聞く。
 深いプールだけではない。流れるプールも一昨年の事故をきっかけにして減りつつある。
 安全管理の強化を錦の御旗にして、管理責任の問われる恐れのある施設は次々に廃止される。
 深いプールの魅力は「まともに泳げる」ということだ。浅いプールには水遊びをする子供が集団でやって来てしまうので、プールがスポーツ施設ではなく遊戯施設になってしまう。深いプールには水遊びグループが来ないので爽快な水泳が楽しめる。
 浅いプールで邪魔されずに泳げるのは天気の悪い日か朝のうちだけだ。但し寒さに耐えねばならないので余り快適ではない。やはりプールには日光がよく似合う。

歩道の自転車

2008-01-11 15:09:28 | Weblog
 歩道が自転車によって無法地帯になってしまっている。多くの自転車が道路交通法を無視している。道路交通法によって規制されているということさえ知らないのだから法を守る筈が無い。並走するし2人乗りをするし歩行者に「邪魔だ」と言わんばかりにベルを鳴らすし、徐行という最も基本的ルールも守らない。これらは総て違法行為なのだが違法であることさえ知らない。野蛮人が好き放題に暴れているような状態だ。
 法を知らないほうが悪いのだが、圧倒的多数が知らなければ不法がルールになってしまう。このような無法状態から免れるためには自転車を免許制にすることも必要ではないだろうか。少なくとも最低限の法律を強制的に学ばせる必要はあるだろう。
 もともと自転車は車道における「弱者」だった。弱者を救済するために歩道通行を認めた途端、歩行者に対する加害者になってしまった。まるで保護し過ぎた野生動物が畑を荒らすようなものだ。増え過ぎた野生動物は駆除せざるを得ないように、自転車の取り締まりを強化して歩行者の安全を守る必要があるだろう。

人畜無害

2008-01-11 14:57:09 | Weblog
 何の役にも立たないが害も無いものを多少軽蔑して「人畜無害」と呼ぶが近頃人畜無害のものばかり増えているように思われる。減点法で欠点ばかり挙げるから本来必要なものまで排斥しているのではないだろうか。
 過当競争を非難する人は多いが適度な競争が無ければ進歩も無い。無害にすることは同時に有益性を損なう。まさか去勢された男だけが紳士になれると本気で信じている人はいないだろう。

空気を読む

2008-01-11 14:52:10 | Weblog
 KY(空気を読めない)という言葉が昨年の流行語になった。空気を読めずに場違いな対応をして失敗した人が大勢いた。
 しかし私は敢えて「空気に捕らわれない」ということを心掛けたい。空気を読んで周囲の気持ちに迎合することは単に雰囲気に流されることでしかない。こういう態度が「みんなで決めたのだから誰の責任でもない」という無責任体質を生む。リンチとか集団暴行はその場の空気に従った卑劣な行為だ。「みんなが殴るからボクも一緒になって殴っただけだ」といういじめでよく見かけられる理屈でしかない。消費・賞味期限の偽装も職場の空気に流された集団犯罪だ。
 集団催眠状態に陥って愚行の共犯者にはなることは避けたい。空気を読んだ上で敢えて是々非々の態度を貫きたい。

責任転嫁

2008-01-11 14:42:54 | Weblog
 ニューヨークの地下鉄では眠ることが禁じられている。「そんな馬鹿な」と思うような規則だが、これが権力者による責任転嫁であることは明白だ。居眠り中の盗難被害が年間数百件発生しているそうだが、この規則があるお蔭で市は責任を問われずに済む。規則を破って眠った乗客が悪いと突っぱねることができる。
 飛行機の中では殆どの人が眠っているが盗難の被害は余り聞かない。途中下車できないことや荷物検査があるという特殊事情もあろうが、現金やカードを盗むことはそれほど難しくはなかろう。多分乗務員が挙動不審者をチェックしてくれているのだろう。
 ニューヨーク市は車内の安全性を向上できない責任を免れるためにこんな姑息な手段を使っているのだろう。
 その一方で本来自己責任とすべきことで管理責任を問うクレーマーも少なくない。エスカレーター上の歩行禁止はニューヨーク市と同じ手法で管理責任を免れようとしている。海でのロープの外での遊泳禁止や子供向けの動く遊具の撤去や回転扉の廃止はどれも管理責任を逃れるための対策だろう。
 クレーマーが管理責任を問えば問うほどおかしなルールが世に横行するし、楽しい施設や便利な施設が廃止されてしまう。