俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

見えない恐怖

2008-04-15 16:17:46 | Weblog
 アメリカ、中国、インドなどで地下水が枯渇しているそうだ。北京周辺では1,000mほど掘らないと水が得られないらしい。
 黄河が渇水すればマスコミは騒ぐが、地下水が枯渇しても騒がないのは目に見えないからだろう。見えないものについて騒いでも関心は集まりにくい。映像が無ければインパクトが無い。しかし見えないもののほうが怖い。放射能やアスベストは見えないからこそ一層危険だ。
 地下水の枯渇が目に見える状態になった時には既に修復不能の状態になっているのではないだろうか。丁度、放射能やアスベストが人間の死という事態を招いてから初めて注目されるようなものだ。

バラエティ番組

2008-04-15 16:10:16 | Weblog
 ニュースのワイドショー化が著しい。民放のニュース番組は大半がニュースではなくワイドショーまがいだ。報道の第一優先順位は「事実を伝える」ということだが、ワイドショーのような憶測に基づいた言いたい放題の姿勢ではもはや報道とは言えない。ニュースでは事実だけを伝えてあとは視聴者が自分で考えれば良い。考え方まで押し付ける必要は無い。
 ニュースだけではない。スポーツや歌番組までバラエティ番組になってしまった。純粋にスポーツを観たい人にとっては芸能人の馬鹿騒ぎやマラソンその他のヤマ場でのテーマソングの挿入など邪魔でしかない。解説者ではなく部外者がスポーツ番組をブチ壊す。
 先日久しぶりに歌謡番組にチャンネルを合わせたら楽屋ネタの話を延々と続け、一向に歌が始まらないのでチャンネルを換えてしまった。
 バラエティ番組にすることで新しい視聴者を獲得することはできるだろうが、本来の視聴者を逃しているということはほぼ間違いなかろう。

失言叩き

2008-04-15 15:58:19 | Weblog
 幸田来未さんが歌手活動を再開した。別に彼女のファンでもないし、ただの「エロ歌手」だと思っているから特に関心がある訳ではないが、今年1月の「35歳を過ぎるとお母さんの羊水が腐ってくる」という発言に対するバッシングは異常だった。専門知識は無いが多分20代のどこかをピークにして羊水の質が低下するのは事実だろう。それを「腐ってくる」と表現しても必ずしも間違いだとは思えない。
 言論のプロではない芸能人の発言を寄ってたかって吊るし上げてその存在を否定するようなやり方には「言葉刈り」的なものを感じて不愉快だ。言葉刈りをしたいのなら政治家や宗教家や文筆家の発言を問題にすべきであって、芸能人の失言を騒ぎ立てて活動を困難にするようなやり方は敵対する関係者の悪意の中傷活動に踊らされているとしか思えない。騒ぐなら政治家や宗教家の利害目的を持った嘘を糾弾すべきであって、芸能人の失言などこれと比べたら遥かに罪は軽い。
 アメリカでオバマ氏とクリントン氏が相手の失言を追及し合っているが日本での芸能人叩きと比べれば遥かに健全な批判活動と言える。
 多分幸田さんは子供の頃に聞いた誤った知識をそのまま言ってしまったのだろう。こんなことは誰にでもある。私自身、相撲取りにとって四つ足(四つんばい)は縁起が悪いからちゃんこ鍋には牛や豚を使わず鶏や魚を使うと長い間信じていた。勿論事実は、明治の開国までの日本には獣を食べる習慣が無く、伝統料理のちゃんこ鍋はそれを踏襲しているだけのことだ。
 間違った発言を聞けば正しい知識を教えてあげれば良い。間違ったことを信じても罪は無い。むしろ信じてもいないことを自分の利益のために話す人のほうがずっと悪質だ。
 ところで幸田来未という名前は江沢民(コウタクミン)をもじったものと思えるのだが事実はどうなのだろうか。