俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

混ぜすぎないこと

2009-07-21 14:53:13 | Weblog
 D級グルメ(Z級グルメ?)と言えそうな卵かけご飯が私は大好きだ。3日に1度は食べているが仮に毎日でも食べ飽きない。
 最近(もしかしたら通には当たり前のこととして知られていたことかも知れないが)、混ぜすぎないほうが旨いことに気付いた。卵かけご飯を丁寧に混ぜるよりも適当に白ご飯のままにしておいたほうがずっと旨い。卵も溶きすぎないほうが旨い。
 考えてみれば当たり前のことかも知れない。カレーや鰻丼や天丼を混ぜる人は殆どいない。これらを混ぜることは単に下品なだけではなく料理をわざわざ不味くしているのだ。
 もし幕の内弁当の間仕切りを取り払ったらどうなるだろうか。美しさが損なわれるだけではなく、味が相互に干渉して全体が劣化する。
 人はそれぞれが違った魅力を持っている。個々の人が魅力的でも集団の中で混ざってしまうと駄目になる。混ざらずに個性を発揮したままのほうが魅力的だ。
 レノン+マッカートニーが2+3=10になったのは奇跡的な例外だろう。彼らは全然混じらなかった。強烈な個性のハーモニーが数多の名曲を生んだのだろう。
 ところで自民党も民主党も全然違った政治思想の政治家が集まった烏合の衆と思える。しかし適当に内部抗争しているからそれなりに政党として面白い。一方、公明党とか共産党とか社民党は金太郎飴のようなもので全然面白くない。

雇用のミスマッチ

2009-07-21 14:34:04 | Weblog
 100年に1度の大不況と言いつつ実際には求人倍率の高い職種がある。①医師・薬剤師5.40②保健師・助産婦4.20③保安関連3.80④福祉関連3.31。(厚生労働省2008年12月末・関東圏より)
 一方、求人倍率の低い職種は次のとおり。①事務職0.19②管理的職業0.45③農林漁業0.47.(同資料より)
 求人倍率の高い1・2位の職種は資格取得が難しいから倍率が高く、3・4位は多分3K(きつい・危険・汚い)でしかも収入が少ないからだろう。
 もし求人倍率の低い職種を希望する人が高い倍率の職種の応募に切り替えたら失業率は一挙に低下するという理屈になるが実際にはそうならないから失業率は高止まりしたままだ。これが雇用のミスマッチと呼ばれている。
 しかし、もし、ある企業が自社と子会社を使って社員を強制的に転籍させればその企業グループ内でのミスマッチは一挙に解消される。つまり辞めさせたい事務系の管理職の社員を保安や福祉の仕事に転籍すれば人余りと人不足が同時に解消される。
 そんなことの可能な企業がある。関西のとある大手私鉄が鉄道以外の付帯事業としてビル管理や福祉事業の子会社を持っている。この企業がそんなウルトラC的な配置転換をすれば企業内での雇用のミスマッチは一気に解消される。この配置転換を社員が拒否すれば「希望退職」に追い込むことができる。こんな恐ろしいリストラ策が実際に行われているとは思いたくないが。

社会の縮図

2009-07-21 14:15:03 | Weblog
 ニュースは社会の縮図ではない。「歪んだ社会」の縮図だ。
 昔から言われているように、犬が人を咬んでもニュースにはならないが人間が犬を咬んだらニュースになる。つまり正常な出来事はニュースにはならず、異常な出来事だけがニュースとして報道される。
 正常な99.9%の出来事は報道されず異常な0.1%の出来事だけが報道されると、犯罪や自殺などの異常な出来事の情報ばかりが伝わってしまい、異常な社会が正常な社会と思い込まされてしまう。
 子供は決して凶暴化してはいない。母親は母性を喪失した訳ではない。男は変態ばかりではない。
 ニートの道を選んだ人の多くは歪んだ報道の犠牲者かも知れない。子供の自殺の責任の半分はマスコミが負うべきだろう。
 ニュースだけを信じていると歪んだ社会を受け入れてしまい悪事でさえ「誰でもやっていること」と信じかねない。
 川泳ぎの危険や新手の詐欺などのように社会への警鐘となる事故や事件の報道ならたとえ稀な事例であろうと報道することは必要だが、センセーショナルな事件を追いかけて野次馬根性を煽るような姿勢は慎み、もっと日常的な問題に目を向けるべきだろう。例えば学力低下とか終身雇用制の問題点とか交通ルールなど広く普遍的に見られる社会問題に注目すべきだろう。これらを報道したからと言って一朝一夕に解決される訳ではないが、誰もマスコミに解決して貰おうとなど思っていない。事実を報道してくれればそれで充分だ。あとは国民が考えるべきことだ。
 最近、市場主義経済が批判されているが、マスコミの市場主義(営利主義)こそ最も批判されるべきことだ。