俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

加工貿易

2010-08-27 14:44:48 | Weblog
 資源の乏しい日本の得意技は加工貿易だ。原料を輸入してそれを加工した製品を輸出して外貨を稼いでいる。
 日本では鉄鉱石もレアメタルも殆ど産出されない。これらを輸入して、技術力を生かして付加価値を付けた自動車や家電などを輸出している。
 日清食品の安東百福氏が発明したインスタントラーメンの場合、日本オリジナルの大発明なのだから、得意の加工貿易によって大いに外貨を稼げる筈なのだが、そうではない。世界で年間900億食の大市場がありながら日本の生産量は僅か50億食でしかない。なぜか?
 小麦を輸入するためには250%の関税を負担するか、農水省の食料貿易課経由で購入するかしか無い。タテマエ上は小麦農家の保護だが、実態は農水省の利権維持だ。
 8月24日付けの「デフレ(2)」でも触れたが、日本の小麦の価格は世界一高いから小麦の加工貿易は不可能だ。日本でインスタントラーメンを作れば高過ぎて現地の食品と競争できない。そのために国外で生産せざるを得ない。
 いっそのこと自給率10%で品質も悪い小麦など生産禁止にすべきだと思う。国産の小麦さえ無ければ農家を保護する必要も無くなり関税を下げられる。関税さえ下がれば加工貿易が可能になり、国内に工場ができて雇用も生まれ外貨も獲得できる。勿論、国内で消費する小麦も小麦加工品も大幅に値下がりする。
 農水省とは省益のために国民を犠牲にする国賊ではないだろうか。

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