俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

適応者

2010-08-27 15:00:59 | Weblog
 社会適応者とは実は歪んだ人間でしかないのかも知れない。
 例えば北朝鮮に住んでいて飢えと寒さに苦しみ、家族が続々病死していても「将軍様のお陰で幸福な人生だ」と感じる人は北朝鮮社会への過剰適応者であり気の毒な人としか言いようが無い。
 もし家畜に意識があれば「我々は幸せだ。重労働から解放され、肉食獣や伝染病に脅えることも無く、毎日旨い物をたらふく食べている」と思っているかも知れない。しかし彼らを待っているのは場だ。
 「社畜」であることに生きがいを感じる人は少なくない。しかし社畜は奴隷以下だ。
 イソップが生きた時代のアテネには3万人の市民と40万人の奴隷がいたと言われている。この圧倒的多数を占める奴隷の仕事とは、単に肉体労働だけではなく、公務員や教師や事業経営者までいたそうだ。
 要するに有償の仕事とは総て奴隷の仕事だった。当時の市民は、現代の欧米の資本家の如く、奴隷から搾取し奴隷を売買し、本人はソクラテスのように毎日ぶらぶらと遊んでいた。
 社会適応者とは奴隷の身分に安住する者に過ぎない。

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