俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

富士山

2007-11-14 20:00:39 | Weblog
 「♪富士は日本一の山♪」と歌われているが、富士山が日本一でなかった時代がある。宝永大噴火(1707年)以前の高さが何mだったかという話ではない。ごく最近、20世紀の話だ。
 当時日本領だった台湾に新高山(ニイタカヤマ)と呼ばれる標高3,952mの山があった。今は玉山と呼ばれている。対米開戦の暗号は「ニイタカヤマノボレ」だった。
 サンフランシスコ講和条約で正式に台湾を放棄するまでは新高山が「日本一の山」だった訳だが、写真で見る限りかなりゴツゴツした岩山で余り美しくない。「霊峰」と呼ばれる富士山とは印象が全然違う。
 「富嶽三十六景」にも描かれる美しい山が、今では日本で一番高い山だ。しかし、だからと言って日本を「美しい国」と呼べるわけではない。

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