俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

弱者と悪人と善人

2010-06-29 14:01:05 | Weblog
 消費税は逆累進性があるから消費税増税は弱者いじめだと言われている。
 だからと言って所得税を増税すればどうなるだろうか。所得税は実はデタラメな税制だ。「クロヨン(9・6・4)」とか「トーゴーサン(10・5・3)」とか言われているが実態はもっと酷い。納税を申告しなければ無税になるし、白色申告など脱税し放題だと言っても差し支えない。
 もう時効なので書けることだが私の父は自営業者で青色申告をしていた。物価修正をすれば私の10倍くらいは稼いでいたと思うのだが、サラリーマンである私の半分ぐらいしか納税していなかった。
 無茶苦茶な制度である所得税を増税することはサラリーマン増税にしかならない。つまり自営業者、農林水産業者、政治家といったもともとまともに納税していない脱税グループにとっては痛くも痒くもない。サラリーマンの負担を増やすだけでは不公平の拡大にしかならない。
 税制を改革するならかつての物品税を贅沢税として復活させるべきだろう。金持ちしか買わない宝飾品や毛皮などの贅沢品に多少課税しても問題はなかろう。
 消費税(付加価値税)という制度が考案されたのも正直者だけに負担を強いる所得税の不公平性を少しでも緩和しようとしたからだ。消費税の増税の狙いは所得税を納めない悪人の負担を増やすことであり、そのために弱者の負担が多少増えようともやむを得ないことだ。5%の増税は年収(≒消費額)1,000万円の人にとっては50万円の負担増となり、一方年収300万円の人にとっては15万円の負担増にしかならない。悪人に負担をさせるためには弱者の負担が多少増えることを黙認せざるを得ない。そうしないとサラリーマン(善人)の負担ばかりが増える。

コメントを投稿