俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

強肉弱食

2010-01-29 16:05:37 | Weblog
 「手元にある金は元気なうちに使ってしまえば良い。これは無駄遣いではない。自分への褒美であり自分に対する投資だ。老後に備えた貯えなど要らない。増してや年金の積み立てなど無意味だ。住むところさえあればあとは生活保護を申請して国に面倒を見てもらえば良い。それが国民の権利だ。」
 こんなキリギリスのような考え方が広まったら一時的には景気は良くなる。消費が活発になるからだ。しかし彼らが失業したり定年を迎えたりしたら大変だ。大量の生活保護受給者を現役世代が養わねばならなくなる。
 福祉国家は1つの理想ではある。誰もが老後に不安を持たずに暮らせるのは素晴らしいことだ。しかしそれを食い物にしようとする者が現れたらそれは理想とは懸け離れたものになってしまう。ダニのためにアリが汗を流すべきではない。
 弱肉強食は酷い社会だ。そんな社会を許すべきではない。しかし強肉弱食はもっと酷い社会だろう。

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