俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

医療不信

2012-11-23 13:17:59 | Weblog
 科学が日進月歩であるように医療も進歩する。昨日まで常識だったことが否定されることは決して少なくない。
 この40年で生活は大きく変わった。テレビはブラウン管から液晶へ、電話は携帯へと変わり、パソコンは必需品になった。40年前のコンピュータはピアノほどの大きさで計算しかできない機械だった。電卓が発売されてもしばらくの間は算盤で検算したものだった。
 少なくとも家電については40年前の常識は役に立たない。食品も変わった。菓子は勿論のこと、野菜でさえチンゲンサイやモロヘイヤなどは昔は無かった。
 医療は余り変わらない。最先端の病院なら最新の情報を活用しているだろうが、町のヤブ医者は数十年前の学生時代の知識に頼っている。そんな古い知識さえ殆んど忘れて、良く言えば経験に、悪く言えばヤマ勘に頼っている。医師の免許は更新されないが、今、国家試験を受けたら不合格になるような医師が少なくなかろう。
 私が医療不信に陥ったのは2009年に「傷はぜったいに消毒するな」という新書を読んだことがきっかけだった。正直な話「そんな馬鹿な」と思った。しかしその後、それを支持する本が続出し、最近では少年マガジンの「Dr.デュオ」という漫画にまで登場した。完全に定説になっているようだ。
 常識が覆ったのならもっと騒がれても良かろう。マスコミは怪しげな健康情報を垂れ流すよりも覆った常識についてもっと時間を割くべきだろう。
 血圧・血糖値・コレステロール値も高いよりも低過ぎるほうが危険らしい。これらの誤った健康常識はいつになったら是正されるのだろうか。危険な民間療法が駆逐されないのは医療不信の表れだろう。この国の医療レベルは本当に先進国に相応しいと言えるのだろうか?

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