「幻の魚・イトウ」、この魚に最初に「幻」という文字を冠し
たのは、かの小説家「開高健」氏であると聞いたことがあ
る。その著書「私の釣魚大全」には、「釧根原野で《幻の
《魚》を二匹釣ること」という章が収められているが、この
話がかかれたのが1968年であるから、当時から既に幻
であったのだろう。
和名は「糸魚」の意味で、これはサケ類としては全長に比
して体高が低く細長い体形である上に、サケとは違い早
春に上流に遡上・産卵するため、初春から晩春にかけて
は、生殖活動後の痩せ細った個体が多く見られるために、
「糸のように細い魚」という印象が持たれたことによる。
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