僕の教室がある4階まで駆け足で一気にのぼったので、パンツ一枚の裸でも寒さは感じなかった。教室の前まで来ると、もう一度あたりを見回し、何か身につけるものはないかと思った。せめて体育着でもあればよいのだが、そんなものが廊下に落ちているはずはない。今、身にまとうことができるのは、このパンツ一枚だけだと観念し、深呼吸した。
教室に入れば、パンツ一枚の僕の姿にクラスメイトや担任の先生は驚き、冷やかしの言 . . . 本文を読む
Y美はなかなか戻って来なかった。保健室の入り口の前で、パンツ一枚の裸で待っていると、先生が何人か通り過ぎ、僕に何をしているのか訊ねた。事情を説明すると、みんなすぐに納得して、もう僕が裸で廊下に立っていたことなど頭から払いのけたかのような顔つきになって教室へ向かう。
恥かしかったのは音楽のK先生に見られたことだった。K先生はこの春、大学を卒業したばかりの女の先生で、先生というよりはお嬢様といった . . . 本文を読む