水が岩の間から轟々と落ちてくる。
川の中で岩にしがみついている僕は、パンツが脱げて素っ裸になってしまったことを、岸辺にいるY美たちに知らせようとして、ためらっていた。
幾十もの岩にぶつかってできた白い水しぶきが、僕の今の格好を隠してくれている。
僕は岩を伝ってY美たちとは反対側の岸辺に着いた。首から下は水の中だが、先ほどよりも流れが緩やかになっていて、水は透明さを取り戻している。向こう岸か . . . 本文を読む
終業のチャイムが校内に鳴り響いた。いつものように小走りで学校を出ると、後ろからY美が声を掛けてきた。一緒に帰ろうと言う。放課後の約束が反故になったから、珍しく早く帰ることにしたそうだ。Y美はにっこり微笑んで、そんなに急いで帰らなくても今日は許す、と僕に請合った。
この二三日、Y美は僕に対してすっかり優しくなった。もちろん、家ではパンツ一枚の裸生活を強いられていたが、肉体的な負担が大きい用事を . . . 本文を読む
夕映えがよく手入れされた木や草花を鮮やかに照らし出している庭の隅で、盛り上がった固い土を素足で踏みしめていた。
老人たちが8人ほど、僕の前に横並びに立っていた。
素っ裸に剥かれた体を隠すことも許されず、気を付けの姿勢を続けている僕に、ごま塩頭の老人が言った。
「みんな服を着ているのに、お前だけ丸裸じゃ。恥かしいだろ?」
力なく頷く僕を見て、眉毛の濃い老人が、
「小さなちんちんじゃの。恐ろし . . . 本文を読む