多分私が、きっぱり断っているからなのだと思う。
昔は、お姑がまだ元気な頃は、しょっちゅうセールスが来ていた。
生命保険、新聞、ダスキン、子供の学習用品、ヤクルト、その他色々。
お姑は、ピンポンが鳴ると、すぐに玄関に行き、誰彼構わず中に入れた。
そして、自分では分からないからと、必ず私を呼んだ。
それで私が面倒くさい話を聞くことになる。
相手はなかなか帰らない。
私も決して買うとは言わない。
押し問答しながらも、何とかんとか帰ってもらっていた。
だけど、お姑が玄関に入れるもんだから、取っ替え引っ替え色んなセールスが次々とやってくる。
ある時、ガラス屋がやってきた。
女性の方で、やけに愛想良く、お舅もお姑も気に入り、お舅とお姑は何度も家にあげてお茶を出し、お菓子まで出してもてなした。
その時、私は全く呼ばれず蚊帳の外だつた。
そして、家のサッシとベランダの工事をしてもらったのだが、それが欠陥工事だった。
なんと、台所の換気扇の出口が無いのである。
出口が塞がれたのだ。
換気扇があるのに、そのままベランダに屋根をつけてしまったのだ。
だから、焼肉や魚を焼くと、家中ににおいがこもってしまう。
それでも、お舅もお姑もそれが分からず、良い人だったと褒め称えていた。
なんとも愚かな2人である。
やがて、お舅もお姑もこの世から去り、私と旦那と2人だけとなり、我が家にはセールスが来なくなり、やっと静かに過ごすことができるようになった。
おそらく、各家のセールスのやりやすさ、みたいなものが出回っているのだろう。
あの家なら買ってくれるとか、あの家は避けた方が良いとか。