自分は正しいが、あの人は正しくないと、私はずっとそんなふうに考えてきた。
例えば、人を傷つける人や、虐待する人、馬鹿にする人、自分勝手な人などは、正しくない、間違っていると思ってきた。
しかし、最近はそういう人たちも、自分は正しいと思いこんで勘違いして生きているのだろうと思うようになった。
人を傷つける人も、何か傷つける理由があって自分は正しいと思い込んで、相手を傷つけているのだ。
いや、人が傷つくなどという事が理解できないのだろう。
例えば、虐待する人は、子供の躾のためという理由で子供を虐待し、子供が傷つく事は全く考えられないのだ。
そればかりか、自分は正しい事をしていると思い込んでいるのだと思う。
人を馬鹿にする人も、それによって相手が傷つくことなど考えられないのだろう。
自分を守ることの方が正しい、馬鹿にされるあの人が悪いと思い込んでいるから、人を馬鹿にするのだ。
そのように考えると、人はみな、自分のレベルでは、自分は正しいと思っている。
いや、思い込んでいる。
もし、自分が、あの人は人を傷つけるから間違っていると思うのなら、自分はあの人よりもレベルが高いのである。
あの人は、人が傷ついて苦しんでいることが理解できない、レベルの低い人なのだ。
しかし、そのレベルの低い人も、相手を傷つけておきながら、その相手を自分よりもレベルが低い悪人だと思い込んでいるのである。
自分こそが正しい人間だと思い込んでいて、レベルの高い人を逆に低いと判断するのである。
だからぐちゃぐちゃな事になる。
レベルの低い人は、この先何万回も生まれ変わり、少しずつレベルを上げていく。
なので、この世ではみんなが自分が正しいと思いこんで、勘違いして生きているのだ。
そんな事を書いている自分も、私は正しいと思い込んでいる。
しかし、私よりももっとレベルの高い人から見れば、私はまだまだ正しくなく間違っていると思われているに違いない。
なぜ自分を守ることばかり優先し、周りに無関心でいられるのか?
なぜもっと自分から人を助けようとしないのか?
なぜ苦しんでいる人を積極的に助けようとしないのか?
私はレベルの高い人から、そんな風に思われているのではないかと思う。
という事は、レベルが上がれば上がるほど、人の気持ちが分かり、世の中のことが分かり、人々のために尽くそうとするのではないかと思う。