先日、旦那と一緒に、桃源郷のような花咲き乱れる小高い山に登った。
本当に綺麗で、天国にいるかのよう。
色んな人たちが、思い思いに山道を歩いている。
3人組のおばさん達。
ここに来てまで世間話を大声で話しながら笑っている。
今度は、何人かの登山グループがやってきた。
ベンチに座り、休憩をとり、コーヒーを飲んでいる。
親子連れも賑やかにやって来た。
ふと、小道を行くと、一人の初老の女性が一人、ひっそりと座り、じっと動かずに、景色を眺めている。
女性の足元には、斜面に沿って菜の花が咲き乱れ、その向こうに見事な桜が満開に咲いていた。
なんて綺麗な景色だろうと、私もしばらく眺める。
私もこの女性のように、ずっとここで1人で眺めていたいと思った。
ところが、旦那が先に行こうと急かす。
あーあ、残念だけどしょうがない。
私は、もし自分1人になったら、きっとこの女性のように、1人でぼーっと景色を眺めるんだろうと思った。
誰かと一緒にこういう場所に来るのも良いけれど、1人で来て、心ゆくまで綺麗な景色を眺め、ぼーっとする時間の方がもっと最高なのである。
昔、中学生だった頃、家の屋根に登って、心ゆくまで梅の花を眺め、屋根の上で寝転び、夢のようなひとときを過ごした事が忘れられないのだ。