水に降る雪

おもに宝塚、そして日々のこと

映画「刀剣乱舞-黎明」

2023-04-11 | 鈴木拡樹

刀剣乱舞の映画第2弾を見て来ました。

副題として「黎明」とあるんですが、更に「すべての審神者に捧ぐ」なんて献辞が付いてそうな作品でした

出陣先は現代なので、前作とはまったくの別物と考えた方が楽しめると思います。

ネタバレ少しありますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作「継承」が歴オタ的に完璧な作品だったんですよね

なので比べるのはちょっと可哀想な気もしますただ審神者的には楽しいところが満載でした。

主戦場を現代にすると、どうしてもニチアサ感が強くなりますし、

ターゲットを広げて若い世代にも見てほしいとなると、わかりやすさ優先でストーリー的にちょっと浅くなるのは仕方ないのかも。

歴オタ的には冒頭の平安時代が、重厚で陰謀と政略の臭いがプンプンだったのでそっちをもっと見たかったなと思いましたが

 

刀剣乱舞はメディアミックス展開の網の広げ方が凄いなといつも思うんですが、

審神者誕生に繋がる現代を描くというのは避けて通れない、いずれかのコンテンツでやらなければというのがあったのかもしれません

するとやりやすいのは映画かアニメということになったのかなと。スケール感も出しやすいですし。

 

挑戦したこと自体は悪くないと思います。刀ステで宝塚OGを主体にオールフィメールで上演した禺伝みたいに。

ただ評判が良く宝塚ファンからの続編希望が多かったとしても、続編をやるべきではないと思っています。

一種の禁じ手なので。それはもう刀ステとは別物になってしまいますから。

それと同じでもし映画の次回作があるなら、現代出陣は今作だけ、にしてほしいですね。

スピンオフで仮の主と刀剣男士のほのぼのした日常を描く、短い連続ドラマを作るというのならそれは悪くないと思いますけど

 

 

ゲームユーザーの一般人の日常に、普通に刀剣男士が存在してたら、確かに面白そうだし楽しそうだし見てみたくなりますね

その発想は悪くなかったですが、もう少し整理して欲しかったかな。

というか今作はゲーム世界とゲームのユーザーである審神者を、すごく意識した作りになってる気がしますね。

応援の刀剣男士がそれぞれ別の本丸から来ていることや、同じ刀でも本丸によって個体差があることがわかるような台詞があったり、

ラストに次々現れる刀剣男士たちの中に同じ刀がいたり、一斉に突撃すると刀種によって機動に差があるのがわかったり

 

 

仮の主、というのは面白い設定だなと思いますが、JKと三日月に尺を取りすぎだし、最後の説得の場面も冗長に感じられました。

もたついてるというか、長台詞が多いのと言い回しがまだるっこしい

私の最推しは三日月なんですが、その私でもそう思いましたから

 

仮の主たちはちょっと特殊な性質があるにしても、ごく普通の一般人というのを強調したかったんだろうと思います。

女子高生たちは特に。普通に可愛い子たちでしたけど凄く演技が上手いかというと、そうでもなく、

どこにでもいそうな普通の女の子たち=ユーザーである現在のすべての審神者、と同じ、を体現したかったのかなと。

 

酒呑童子の一件から飛んでちょうど1000年後の1995年。そこから時がまた動き出して2012年が主な舞台になります。

それは多分琴音と伊吹が同じ年生まれの17歳、ということなんだろうなと思います。

せっかく同じ歳にしたのならそこを活かして、どこかの時点で二人に接点があったことにすれば、

もっとストーリーを整理出来たのではと思いますね。ありがちですけど

 

 

 

拡樹くんの三日月宗近は、今までのどの三日月とも違っていたのに驚きました

そのためにメイクも変えてあったと思うんですが、妙に若い(千年も存在しているのに若いって何、って感じですが

若干丸めで可愛くて、影とか秘密とかを背負いこんでなさそうな明るい三日月

健康体の三日月、と言ってる人がいて爆笑しましたレベル的にも少し低めでカンストしてなさそうな感じでした。

 

マイペースで食い意地が張ってるところは基本的に同じなんですけどね。

抹茶ラテマキアートを前に、ワクワクほくほくしてるところとか、オムライスに反応してるところで吹きました

オムライスはきっと本丸で、みっちゃん(燭台切光忠)か、歌仙くん(歌仙兼定)に作ってもらったことがあるんじゃないか、

と考えると、またニヤニヤしてしまいます

 

刀剣男士たちは初登場の源氏兄弟含めみんなカッコイイ

仮の主たちとの関係性も凄く良かったですし、殺陣のボリュームが大きくて、

アパートでの三日月vs山姥切国広、それに長義も加わった倉庫での三つ巴の殺陣の迫力が凄い

みどころが沢山で、最後の渋谷での大乱戦が楽しすぎました。

 

カッコ良かったし、笑いどころもちょいちょいあったし、考えさせられるところもあって、良かったところも沢山あったので

リピートはぜんぜん辛くないです、私は

映画だと上映が続いている限り、チケット確保の心配をしなくていいのも助かります

 

それだけに微妙に惜しいのが勿体なかったなと思います

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映画「死神遣いの事件帖-月花奇譚」

2022-12-29 | 鈴木拡樹

映画「死神遣いの事件帖-月花奇譚」は東映が2019年に始めた映画と舞台の連動企画の第2弾で、初の続編になります

何も考えずにお気楽に拡樹くんの百面相を楽しめる作品です

 

6月には映画の前日譚である舞台「死神遣いの事件帖-幽明奇譚」が上演されていました。

彼岸と此岸の世界から、父親の死の謎を知って成長して生き返った幻士郎さん、のはずじゃなかったの?

と思ったら、腕は上がってるみたいですが、相変わらず博打好きでだらしなくて適当で調子よくて

相棒の死神十蘭に小言を言われっぱなしの幻士郎さん人間の本性ってそうそう変わらないもんですね

そんな幻士郎十蘭コンビが記憶を失くした娘ハナを拾ったことから始まる物語。

 

今のご時世も取り入れて、誰でも楽しめるニチアサ感のあるネオ娯楽時代劇になってました

っていうか、めっちゃ往年の東映時代劇ドラマ感が増してて懐かしかったです。

ご存知のメンバー増えてません?心強い仲間でもある鬼八一家に、顔を合わせれば喧嘩する同心、

依頼主でもあり温かく幻士郎を見守ってくれる保科様とか。

 

そこに十蘭の死神仲間も出てきたり。

ちょっとひねくれてる死神百目鬼(陣内将)がツボで

庄司新之助(崎山つばさ)とのコンビめちゃカッコ良かったので、もっと見たいな~

 

ほのぼのする場面が結構あって笑いも多かったですが、謎解きにバリバリの殺陣もあって。

最終決戦前には桃太郎侍か!みたいな口上があるのがまた懐かしの時代劇連ドラっぽくて楽しかったです

 

拡樹くんは前回よりさらに肩の力が抜けてはっちゃけてるのが楽しそうで良かったです。

変顔からカッコつけた顔に、キメてる顔、色んな拡樹くんが見れました

対するラスボス、妖術師空真きたむー(北村諒)もカッコ良くて最後の大立ち回りが大迫力でした。

 

 

この映画の公開は11/18で舞台挨拶が関東であったのですが、

実は翌日に大阪・京都でも舞台挨拶があったんですよ。

その日私は梅芸で月組全ツを観る予定だったんですが、日程見たら梯子が出来るのでは?と申し込んだら当たったので

お久しぶりの生・拡樹くんを拝むことが出来ました

 

拡樹くんと死神亞門役小林亮太くん、義助役松本寛也さんの三人が言いたい放題言ってて面白かったです。

次回作は~、とか今までやったことがないところで連ドラやろう!とか

ホントに連ドラにならないかな~、向いてる題材だと思うんですよね。深夜枠とかどうでしょう?

 

 

梯子は無事に出来て楽しい一日になったんですが、梅田ブルク7と梅芸ってまあま距離があるので汗をかきました

でもその後体調を崩してしまったので、ご無理が利かないお年頃なのね、っと反省しました

オタクは体調管理をしっかりやらないとね

と言いつつ、来年も懲りずに頑張っちゃうんだろうな~

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舞台「アルキメデスの大戦」②

2022-10-30 | 鈴木拡樹

(続き)

ネタバレありますよ。台詞などは大体、ということで

 

 

 

 

 

 

 

 

この作品は若者二人の成長物語でもあるんだなと思います。

拡樹くんの櫂少佐とバディを組む田中少尉の宮崎秋人くんが素晴らしかったです

 

初めは全然信用してなくて、櫂少佐の下に付けられたことへの不満がアリアリ

また櫂が山本少将に心酔して称賛する少尉に「つまらん」とバッサリ言ったりするのでね

「誰かに盲従するのは成人した人間として無責任だ」と言うのですが確かにそうだなと思います。

今の若い世代を見てると、従順過ぎて心配になりますから

 

最初は反発していた少尉ですが、櫂のとんでもない才能と戦争回避のために懸命に行動する姿に心を動かされ

全面的に協力することに。

前半の二人の掛け合いが面白くて何度も吹き出しました

 

外部の人の協力もあって、二人はギリギリ巨大戦艦建造阻止を勝ち取り、対案である山本少将の航空母艦案が認められます。

ところが山本少将が航空母艦、航空機、それに関わる部隊等の整備をすでに進めていて、

さらには日米開戦に備えた作戦の計画まで進めていることを田中少尉は知ってしまいます

愕然とした少尉は、決然と戦争回避のためでは無かったのか、櫂や自分を騙したのかと少将を責めます。

 

和戦両方の準備をするのは当然だ、と山本少将は言うんですが、それはまあそうですよね。

政治にしろ会社経営にしろ上に立つ人は、いくつものプランを頭に置いておかないと対応できないでしょうから。

 

出来るものなら戦争回避するという少将に対して「嘘だ、空母を使いたいって顔に書いてあります!」と言い放つ田中少尉凄い

あれほど山本少将に心酔していた少尉が僅かな期間に成長したのは、櫂との出会いがあったからですよね。

少尉が面と向かって少将にそんな口をきくなんて、とんでもないことですどんな処罰を受けるかしれないのに。

 

でも山本少将は「もういい、出て行け!」とブチ切れてしまいますが、それでも櫂と田中に謝ってくれるんです。

新造艦の会議でも敗色濃厚だったのに、櫂が閃いて話し始めた途端、「来たっ!」てワクワクした顔になるのもだいぶ可愛くて

平山中将には「一見まともそうに見えるが所詮山本の本質は武人だ、武器があったら使わずにはいられない」などと言われてましたが。

でもなんか憎めない。それが人望があるってことなんでしょうかね

 

 

結局、史実は変えられないので日本はアメリカと戦争を始めてしまうわけですが、

山本提督としてはアメリカに打撃を与えて、戦況が優位なうちに終結させる、短期決戦を目指していたのでしょう。

つまり日露戦争のように逃げきろうとしていたのですが、日本は半年持たなかった

さらに山本提督自身亡くなってしまう。

 

そこからどんどん戦況が悪化して、日本中が空襲で焼け野原になっても、沖縄に上陸されても、

そして不沈艦と信じられていた戦艦大和が沈んでも、いつまでたっても日本は降伏しようとしない。

この後どれだけ犠牲が増えるかわからない。

大和を日本の依り代にしようと計画していた平山中将は絶望して自死を選んでしまいます

 

原爆を二つ落とされてもなお戦争を止めようとしない連中もいましたからね。

何のために戦争をするのかがもう抜け落ちている。国民がいなくなったら「国家」など無意味なのに。

止められない日本、っていうのは今も同じだなって思います。

 

「日本のいちばん長い日」っていう映画がありましたが、

あの時は日本に「天皇」がいたから戦争をやめられたんじゃないかと思ってしまいます。

逆に言うと、次に同じようなことが起きた時、止めてくれる人はいるんだろうか、と考えてしまいます

 

結局責任の所在が曖昧なんですよね、今も昔も。

軍事裁判を自らの手で開いて処断すべきだったのにできなかったのが大きいのかな。

公文書も随分焼かれたみたいですし。今現在も公文書の扱いが雑過ぎで、これでは将来検証できないのに、と思います

 

舞台「アルキメデスの大戦」は「責任」という言葉が度々使われていて、それがテーマなのかなと思います。

櫂がアメリカに行くのを止めて海軍に入って山本少将に協力するのも、首尾よく建造を阻止したのに海軍に残ったのも。

自分には見届ける責任があると櫂が考えたから。

 

櫂や田中に「責任を取りたいなら生きなければ、死んだら何もできない」と止められても、

「大和と共に沈んだ人たちに対して他に責任の取り方を知らない」からと平山中将は自殺してしまいます。

日本的な責任の取り方ではありますが、櫂の言うように本当はそれではダメなんですよね。

 

泣き崩れる櫂。色々なことを見通せる人なだけに、開戦を止められなかった悔恨に苛まれているんだろうと思います。

大和建造の復活にもかかわってしまいましたし。

 

それに対して、田中少尉は山本提督や平山中将は無責任だ!と怒りを爆発させます。

日本をこんな絶望的な戦争に巻き込んでおきながら「自分たちだけ先に死んで楽になるなんて!」と。

いや一度は山本提督が先に亡くなったのが羨ましい、と言って櫂にたしなめられたこともあったんですが

 

そして櫂を立ち上がらせて「私たちは生きて責任を取りましょう、末端とはいえこの戦争に関わったものとして。」

櫂に「どうしたらいいかわからないんだ」と言われると、

「忘れないこと、記録すること、自分たちの失敗を語り継ぐこと」

日本に二度と同じ過ちをさせないために、まずはそこから始めましょう、と櫂に提案します。

そうして二人が固い握手を交わして終幕でした。

 

その握手について一幕の初めの方、まだ櫂を信じていなかった田中少尉が、それでも戦艦建造を阻止するには櫂が必要と割り切って、

(それを実際口に出します)「あなたを支えます、何でもします。」と言って握手した時は、

櫂の方から有難うと手を出すのを、両手で握って返すんです。

山本少将と握手する時もそうしていたので、詳しくは知らないんですがそれが階級が上の人に対する礼儀なのかなと思います。

でも最後の握手はお互いが出した手をしっかり握り返していますが、二人とも片手で。

階級とは関係ない、信頼しあえる本当の仲間になったんだなと思いました。

 

田中少尉は天才ではないけれど、精神的にすごく健全で強い人だなと思います。

天才にはできない役割が、彼のような人にはあるんだろうなと思いました。

 

 

2年前に中止になったこの公演が、いまこの時に上演されたのは世界の状況を見ていると、必然だったような気がしますね

そして政商と癒着して税金を湯水のように好き勝手に使う軍の上層部を見ていると、まるで今の政府を見ているようでゾッとしました

でも櫂が言うように、戦争に引き入れた一番の責任は軍にあるにしても、

庶民にもまったく責任が無かったとは言えないんですよね。唯々諾々と上に従い続ける国民ではダメだということでしょう。

メディアもあてにならなかったりするので難しいですが、自分で情報を収集して自分で考え、行動する力をつけなければ、

再び同じ過ちを犯すことになるのではと思いました。

 

この公演配信のアナウンスも円盤の告知もありませんね

なるべく沢山の人に見てほしいなと思うんですが。

 

 

 

開演前、海の底のようなほんのり薄青い舞台から、ず~っと波の音が聞こえてました。

前にもどこかで聞いたような???って、今年観た拡樹くんの舞台「死神遣いの事件帖」と同じでした

時代背景も物語のテイストも、真逆と言っていいくらい違うのに波の音から始まるんだ~と思うと面白かったです

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舞台「アルキメデスの大戦」①

2022-10-29 | 鈴木拡樹

先週は忙しい1週間でした

クリエで「アルキメデスの大戦」を観て、東京国立博物館の国宝展を見に行って、

週末はDCで再び「アルキメデスの大戦」を観ました。幸せな1週間でした

舞台が止まることなく上演されることの有難さそれが普通であってほしいです。

 

戦争物なので重厚感、緊張感がありましたが、笑いどころも結構あって楽しかったです。

がっつり会話劇で、マイク無しだったことには驚きましたけど、

何の問題も無かったのにもビックリでした

DCは一回り大きいのでどうなるかなと思いましたが大丈夫でしたね。

映画と舞台のネタバレありますよ。

無駄に長いのでお暇な方だけどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーリーは映画と大体同じですが、カットされていたり変更になっていたところはありました。

一番違っていたのは終わり方ですかね。

映画では山本提督が乗艦する大和が出航していくのを見送る櫂少佐が、静かに涙を流しているところで終わっていました。

映画も舞台も巨大戦艦建造阻止をストーリーの中心にすることで、一つの作品として上手くまとめているのですが、

舞台ではその後が描かれ、メッセージ性が強くなっていました。

 

原作漫画は未読ですが連載がまだ続いていて、映画・舞台とはまた違った展開になるようなので

結末の描き方はそれぞれ違ったものになるのかなと思います。

 

映画の冒頭は戦艦大和が攻撃されて沈没するシーン。

巨大戦艦が傾いて大勢の「人がゴミのよう(byムスカ)」に海上になだれ落ちていくさまが、

CGも使ってリアルで迫力のあるシーンになっていたのは映像ならではだなと思いました。

 

舞台の始まりも大和の沈没から。暗い舞台に響く効果音や音楽で、攻撃にさらされているのを表現していて、

そういえば戦闘機が攻撃をしかけてくる時の音楽に弦楽器がよく使われるな、なんて思いながら観てました

モールス信号の音が聞こえて、海軍省の一室で通信兵たちが信号を受信している場面になり、

中の一人が大和沈没の報を受け棒立ちになる。

凍り付くその場に居合わせた人たちの驚愕、悲嘆にくれる様子に戦艦大和の存在の大きさを感じました。

戦争を知らない世代でも、戦艦大和は様々な作品に頻繁に取り上げられるので、知らない人はいないですよね。

 

主人公の櫂直は軍人嫌いで偏屈な帝大数学科の元学生。

日本を捨ててアメリカ留学しようとしていたのに、山本五十六に誘われて海軍に入り、巨大戦艦建造阻止に協力することに。

思ったことを頓着無しに口にする、態度が横柄な変わり者の天才だけれど、

若者らしい純粋さ素直さ人間らしさもあり、正義感・責任感も強い。

行動基準は「美しいか美しくないか」ただし数学脳的に、ですけど

だから山本少将を完全に信じているわけではないけれど、協力するのは彼の中でちゃんと筋が通ってるんですよね

 

この作品、妨害工作や無理難題を次々乗り越えながら、櫂の天才的頭脳によって数学的に解決していくのが爽快で楽しいです。

初めて映画を見た時は、第二次大戦を描くのに“数学”⁉ってあまりに切り口が斬新で驚きましたけど

 

駆け引きやら息もつけない激しい議論に、展開も二転三転して目が離せなかったです。

ベテラン陣がお芝居をカッチリ締めてくれていて、一筋縄ではいかない老獪な山本少将の神保悟志さん、

平山造船中将の岡田浩暉さんには盛大にヤられました

 

二人とも日本がアメリカと戦争すれば負けると理解している。

だから回避するためにも、時代遅れな超巨大戦艦はお金の無駄、と建造を阻止しようとする山本少将。

伝統だの見た目のカッコ良さにとらわれず、戦略・戦術を見通しているのは流石です。

ところが喰えない少将には実は別のプランが

 

建造阻止のため、予算の嘘を暴こうと平山案の図面を起こした櫂は、その美しさに感嘆します。

戦争嫌いの平和主義者でも、アニメや映画に出て来る戦艦や戦闘機を、ついカッコイイと思ってしまうことはありますからね

櫂の図面を見て驚嘆した平山は、櫂を同じ種類の人間と認め、平山案に魅せられたはずだし、実物を見たいと思うだろう、

戦艦が出来ても出来なくても日米開戦は止められないところまで来ている。だから、その後のために戦艦が必要なのだ、と言い

平山案の弱点を修正するために必要な方程式を教えろと迫ります。

 

平山中将の「日本人は負け方を知らない民族だ」という言葉が印象的でした。

蒙古襲来では「神風」が吹いてモンゴル軍の方から撤退してくれましたし、

日露戦争の勝利はギリギリの綱渡りでしたが、上手くいきすぎました

日本人を目覚めさせるために、世界最大最強の超巨大戦艦の犠牲が必要なのだと櫂に説く平山。

平山中将の計画怖すぎました

 

 

他に戦艦建造派で俗物の海軍少将と海軍大臣、建造阻止に協力してくれる造船会社の社長など皆さん凄かったなぁ

2.5次元舞台はキャリアの浅い若い役者さんが多くて、座組の中で拡樹くんが一番年上なんてこともありますから、

沢山勉強になったでしょうし楽しそうでしたね(いつも楽しそうですが

 

(続く)

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拡樹くんがロイド・フォージャーに⁉

2022-09-30 | 鈴木拡樹

朝の4時に解禁しないでよ~、目が覚めちゃったじゃないのこちら

「SPY×FAMILY」舞台化っていうのは知ってたんだけど、ミュージカルだし拡樹くんは無さそうかなって思ってました

そう言えばまたミュージカル挑戦したいって言ってたな~。

ってか初、帝国劇場じゃんおめでとうございます

で、また大阪スルーなのか~

  ※芸文があるそうですね、助かります

帝劇と芸文と博多座か。チケット取れるのかな~

時期的に月組大劇場公演は終わってそうで良かったわ・・・東京公演中かな。

いや考えてもついでにどっちもなんて甘いよね

 

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舞台「死神遣いの事件帖-幽明奇譚」

2022-06-28 | 鈴木拡樹

暑さでちょっとヘタリ気味です梅雨明け、ってウソでしょ~まだ6月なんですが

と、言いつつ先週末には観劇強化月間を無事にスタート出来て、ホッとしています

今回はちょっと長丁場なので、体調に十分気を付けて乗り切ろうと思います

 

まずは「バクマン。」以来8か月ぶりの拡樹くんの舞台「死神遣いの事件帖」から。

東映が2019年に始めた映画と舞台の連動企画の2作目で、2年前に公開された映画・舞台の続編になります。

東映と言えば映画、そしてTVドラマのイメージで、そう言えば舞台は手掛けてこなかったのかな?

上演劇場も大阪はドラマシティで、東映の作品を東宝系の劇場で観るとは、とちょっと笑っちゃいました

以下、ネタバレ少しありますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「死神遣いの事件帖」は江戸前期を舞台に、死神と契約して悪と戦う死神遣いが主人公。

乱世が終わって平和な時代になり、何でも屋(探偵業含む)をやって暮らしている久坂幻士郎。

拡樹くんが、チャランポランでいい加減でだらしなくてという、ちょっと珍しい役をやってるのが面白いです

そんな幻士郎が事件に巻き込まれ、女の子を救うために本気出し過ぎちゃって最後は死んでしまったというのが前作の映画でした。

え、死んじゃったら続きは無いやんか~と凹んでたんですが

今回の舞台は演出の毛利さん曰く「幻士郎を生き返らせるのがミッションだった」そうです

 

この世ともあの世とも知れない世界から不思議な声!に導かれ現世に戻って来たはいいけど、幻士郎は幽霊に

そしてそこで出会った同じく幽霊の左十朗と左十朗を迎えに来た死神亞門の三人で、芝居小屋で左十朗を殺した犯人を捜すことに。

でも幽霊と死神では誰にも見えない聞こえない、困っているところに現れたインチキくさくてお金に汚い霊媒師と手を組むことに・・・

という感じで初めはかなりコメディ色が強いです。

 

出て来るキャラがみんな濃いそして上手い。

謎解きミステリーとしても面白くて、段々と登場人物の裏が見えてくるのが、なかなか凄いというか驚かされました

人間の色んな面を見せてくれるのが、さすがだなと思います。

 

二組の父子の話が軸になっていて、笑いも泣き所も、殺陣もふんだんにあって、熱量が凄かったです。

客席降りも客席登場もありませんでしたが、客席に話しかけたりリアクションしてくれる場面がいくつかあって楽しかったです。

生ならではですよね

 

そして、なんだろう、さすが東映、というか溢れ出るニチアサ感?

幻士郎だけに語り掛けてくる“声”が鳥海浩輔さんで。

鳥海さんの声の出演は発表されていて、W三日月~とテンション上がってたんですが、導入部分の語りとかかな~なんて思ってたら、

どっこいそんなもんじゃなかったです天下の鳥海さんをわざわざ使うのにそんな軽いわけないやろ~、でした

もうさすがです鳥海さんと拡樹くんの共演、たっぷり楽しませてもらいました。

最後に出て来る、その鳥海さんのラスボスの造形がまさにそれ、ニチアサっぽくてニヤニヤしてしまいましたよ

 

時代劇が地上波から消えて久しくて、今では大河ドラマくらいになってしまい、ちょっと残念に思ってました。

コロナもあって、太秦の映画村も無くなるのでは、なんて噂もあったりして

 

でも漫画やアニメ、ゲームの世界では、武将や剣豪が出て来るバトル物とかが随分前から沢山ありましたし、

2.5次元舞台でもめちゃくちゃ殺陣のある作品が多いので、絶対需要はあるはずなのになぁ、と思ってたんですよ。

大河ドラマは史実や時代考証にかなり忠実ですけど、昔の時代劇には結構突拍子もない設定とか、

史実から外れてる作品なんていくらでもありましたからね

 

東映と言えば時代劇、そして特撮ヒーロー物。どちらも東映の得意分野じゃないですか

そういう意味で、映画村があって、時代劇のノウハウの蓄積がある東映が、こういう作品に目を向けるのは当然の流れ、

いやちょっと遅かったくらいじゃないでしょうか?

原作のアニメやゲームがあるわけではなくオリジナルなので、コロナもあって集客が難しいところもあるとは思いますが、

定着していってほしいなと思います。

 

今年の冬には舞台の続きである映画「死神遣いの事件帖-月花奇譚」が上映されます。

今回の舞台で幻士郎の過去が描かれ、父親に対する葛藤を乗り越えて成長し、

そして生き返った幻士郎さんが映画でどんな顔を見せてくれるのか楽しみです。

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ゴッホ展

2022-03-13 | 鈴木拡樹

ゴッホ展に行って来ました

 

せっかくなので熱田神宮にお参りして草薙館に寄って来ました。

お天気も良くて暖かくて、神域の森は広大で、森林浴に行ったみたいにリフレッシュ出来ました

太郎太刀次郎太刀は、実際に目の前に立つとその大きさにホントに驚かされます

一体何人がかりで鍛刀したんだか

 

 

人混みが苦手なので、コロナの前から美術館に行くことが昔に比べて減ってました。

入場制限はしてましたが、結構な人出で

日本人てみんなゴッホが好きなんですね(私も別に嫌いじゃないですけど

印象派はバカみたいにみんな大好きなようですがゴッホも同じくらい日本人に人気あるんでしょうかね

 

久しぶりにゴッホの絵を集中的に見て、説明文まで割とじっくり読んだので、

今まで気が付かなかったことに気が付きました

ゴッホってこんなにデッサン上手かったんだって思いました(超今さら

画家になる決心をしてから3年くらい、来る日も来る日もひたすらデッサンに励んでたみたいで

そんなに真面目にやってたとは

まあ前衛的で一般人にはよくわからないような絵を描く画家が、

並外れてデッサン力とか基礎的な画力があることが多いんだなとは薄々思ってましたけど

 

ゴッホの絵では黄色と紺色の使い方が好きなんだなと再認識出来ました

つまり夜の絵ですね。今回はあまりありませんでしたが、夜のカフェとか、星月夜とかがタッチも含めて好き。

特に星月夜は坂田靖子さんの、確か同名短編漫画があったと思うんですけど、そのイメージそのもので。

もしかして影響があったのかな?

坂田さんのファンタジー漫画大好きなんですよね。シュールだけどとぼけた感じが

 

話を戻すと今回初めて音声ガイドというものを借りました。

何故ならガイドの音声が拡樹くんだったから(分かりやすいな!

 

いやぁ、なかなかに暴力的なガイドでしたわ

“推し”に耳元で話される感覚って体験したことが無かったもので

色んな方が音声ガイドをされてるのは知ってましたけど、他の方もあんな感じなのかな?

声優さんや俳優さん、女優さんとかが多い印象ですけど。

 

拡樹くんの場合は説明する部分は普通に拡樹くんでしたけど(それだけでも十分ハクハクしましたけど

絵の話になると完全にフィンセントになりきってるんだもの

前にゴッホを演じた時の円盤を見たことがあったので、実際の絵を前にして耳元でフィンセントが熱く語りかけてくると、

生で観たわけではないのに、臨場感みたいな感覚が蘇ってくる感じで、すごいビビりました

絵を見ながら泣くんじゃないかと思いましたよ

 

ちょっと不思議な体験でした

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「バクマン。」THE STAGE

2021-11-03 | 鈴木拡樹

「バクマン。」THE STAGE大阪公演を観たのは10/30。

まさか月組博多座公演の配信がその日になるとは思わず慌てました

開演時間に間に合わないかもと焦りましたが前の記事に書いた通り「バクマン。」の劇場が新大阪だったので、

隣駅のステーションシネマの中継に、余裕で間に合いました

お陰様でコロナ以来の鬱憤を吹き飛ばすような楽しい一日になりました

娘はショーも含めてすべて初見だったので「情報量多すぎ~」と嬉しい悲鳴をあげてましたけど

 

「バクマン。」は映画をたまたま観ていたんですよね。

観劇予定が空いていたのでヒマで、映画でも観ようかな~、何かやってないかな~と上映スケジュールを見てなんとなく

青春映画として楽しめましたし、こんな映像表現もアリなんだと面白く観れましたが、

週刊漫画連載の過酷さがリアルで、好きじゃないと出来ない仕事だなと思いました。

めちゃブラックな職場環境だと思うんですが、今は少しは改善されたんでしょうかね?

 

 

でも舞台は更に色々な制約があるので難しそう、どうするのかな~と思ってましたら想像の斜め上を行く感じで凄かったです。

まさか2.5次元舞台でああいうものを見せられるとは思いませんでした

すごく“演劇”的で小劇場っぽさがあるというか。一人で何役も演るというのはどんな演劇でも普通にありますけど

小道具の使い方や、舞台上の人の動きにもリズムや流れがあったり、効果音もキャストが声を重ねてたり。

でもちゃんと2.5次元舞台として成立してるんですよね。

“演劇”ってこんなに色んなことが出来るんだなぁと、いくらでも可能性が拡がってるんだなぁ、と改めて思わされた舞台でした。

この作品で観劇デビューをした人は、なかなかに衝撃的な経験だったんじゃないでしょうか

 

本水を使った舞台は「雨に唄えば」以来、「水盤」舞台というのは初めてでした。

舞台上にザーザー雨が降る漫画のインクやキャラクターの汗や涙、感情の渦を水で表現してるのが面白かったです。

キャストはずぶ濡れになったりして、さぞ大変だったと思いますが、思いっきりバチャバチャやってて(楽しそう?

前の方の席だと飛んで来てたかもしれないですね

 

キャストは少数精鋭という感じで、ベテランから若手まで色んなスキルを持った方たちが集められていて、それぞれ濃い

事前特番でカウントで動くことが多くて大変、と拡樹くんも言ってましたが

それぞれの動きや映像、音響や照明が緻密に計算されているのが凄い。

でもちゃんとアドリブとか遊びの部分もありましたし、まるまるアドリブ場面みたいなところもあって、

“生の舞台”の楽しさに溢れてました

 

演出はウォーリー木下さん。私は見ませんでしたがこの夏のパラリンピック開会式の演出で絶賛された方でした。

次は何をされるのか、注目しています

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不思議な巡りあわせ

2021-05-27 | 鈴木拡樹

先日、星組「ロミオとジュリエット」が大楽を迎えました。

以前の記事で物語序盤、バルコニーの場面のジュリエットが乳母に向かって言う「今行くってば!」で笑いが起きていた、と書きました。

なこちゃん(舞空瞳)ジュリエットの見た目の可愛らしさに反して、ビックリするくらいドスが効いていたので

そして全く別のジュリエットを思い出してニヤニヤしてしまった、とも。

 

実は拡樹くんのジュリエットがまさにそんな感じだったんですよ

過去に劇団少年社中さんの「ロミオとジュリエット」でジュリエット役を演じてました。

女性役?ではなく、オスカル様の逆バージョンと言えば、宝塚ファンならわかって頂けると思います。

そしてBLでもお笑いでもない、普通に泣けるロミオとジュリエットでした

 

その拡樹くん、女装が鬼可愛い似合いすぎてビビります

でも中身は葛藤を抱えた少年なので、バルコニーの場面で乳母に向かって「うっせーな!」とブチ切れてしまい、

驚いたロミオが梯子から転げ落ちてしまうんです

ご覧になりたい方は鈴木拡樹ジュリエットで検索するとその場面が見つかりますよ

ちなみにロミオ役は宝塚版「るろうに剣心」で、殺陣指導をされていた森先生です

 

それが2009年8月なんですがその翌月、ルドビコの「ROMEO~午前0時の訪問者~」という公演に、

ジャンという頭のネジが2、3本飛んでるみたいな少年の役で出演しています

それがまた「ロミオとジュリエット」に「ファウスト」を混ぜたような作品で、

舞台は近未来、ファンタジー色が強くて悪魔とか契約とか、果ては人造人間みたいな人が出てきたり

中二病的と言いますかそういう年代の子たちが好きそうな設定かな

ツッコミどころがあって泥臭さもありますが、笑いも泣けるところもあって、面白く見られました。

全く別の劇団の作品で、設定も内容も違うのに、連続してほぼ同じ役っていうのに驚いてしまいます

 

 

拡樹くんは今、自身の代表作の一つである舞台「刀剣乱舞」の新作に三日月宗近役で出演しています。

かいちゃん(七海ひろき)がご縁の始まりで、過去作品を全部見ました

全作独立した作品として楽しめるんですが、ふと気が付くと深淵が広がっていて茫然と立ちすくんでしまうような世界観です

そうしてもう一度、過去作品を見返すと伏線の山だらけで

新作を見たらまた過去作品を見返したくなって、また新しい発見をするという、見事なループが出来上がっています

マジで沼ですな

その三日月が円環に囚われているというのが、底に流れているテーマの一つになっていて、これからどう展開していくのか、

どう着地させていくのか、目が離せないです

 

そして舞台「刀剣乱舞」の初演は2016年5月なんですが、その2か月後に少年社中さんの「三人どころじゃない吉三」に

お嬢吉三役で主演しています。役者崩れの盗賊で、やっぱり女装が似合いすぎる

歌舞伎で超有名な悲劇「三人吉三」をアレンジした作品です。

綺麗な拡樹くんやら男前な拡樹くんやら色んな拡樹くんを楽しめる作品なんですが、

これがまた延々と時を繰り返す、タイムループ物なんです

能動的に繰り返しているという意味で、設定が違うんですけど、ツライことに変わらないでしょう

あっと驚く展開があったりして、凄く面白い作品です

 

「刀剣乱舞」の方は初演を見ただけではループ物と分からないんですが、拡樹くん自身は演出の末満さんに聞いていたそうです。

単なる偶然なんでしょうけど不思議なご縁だなと思います。最後に大団円が迎えられるといいんですけどねぇ

 

不思議な巡り合わせと言えば拡樹くんは昨日、舞台「刀剣乱舞」出演、通算200回目を迎えてお祝いされてました。

そしてその日が24年ぶりのスーパームーンの皆既月食の日、というのには何か運命的なものを感じてしまいます。

コロナで公演中止があったためにその日にズレたわけですし

もっとも曇っていていて見えなかったみたいですけど関西でも残念ながら見えませんでした

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腐ってもセンター 舞台「最遊記歌劇伝」

2021-02-14 | 鈴木拡樹

日に日に感染状況が悪化して緊急事態宣言が出て、

チケットを確保していても、いつ中止になるか、感染者や濃厚接触者が出て止まるんじゃないか、と

ハラハラしていたのは宝塚だけではありません。

そんな状況下で“不要不急”の演劇を観に行くのかと非難されそうですけど

 

感染者数が急拡大し始めた昨年末の話を娘としていて、私が

「12月初めにサイコパス、次の週にシラノ・ド・ベルジュラック、年末に幽遊白書を

観に行かなあかんかったから」

と言ったら爆笑されましたえ、私何か変なこと言ったっけ?とな顔をしたら

「観に行かなければならない、って言ってる時点で“不要不急じゃない”んだよね」と笑われました

確かに

 

このご時世ですから無理にスケジュールを詰め込んで体調を崩さないように

配信で我慢したり、観劇にもさまざまな制約があったりもするんですが、それでも。

宝塚や演劇が動き続けているということが、本当に有難いです

心が浮き立って楽しい気持ちになれますし、日々の目標になりますからね。

行きたい公演がある限り、オタクはそうそう病気に罹らないです

それもこれもキャスト、スタッフ、関係者の皆様のおかげです

 

と、いうわけで「最遊記歌劇伝-Sunrise-」観てきました

昼間のクールジャパン大阪WWホールを初めて見ました

大阪城公園の中にあって、人気のない木立と夜の街灯の下では異界感が漂ってましたが、

昨日はさんさんと陽が降り注いで、人がたくさん行きかって、春の休日感満載でびっくりでした

悪霊退散した別世界に見えましたよ

 

初めて拡樹くんの生・三蔵法師さまを拝めました。ありがたや~

「準備はいいか、野郎ども!」を生で聞けました~楽しすぎました

 

ホント言うと、ちょっとだけ、拡樹三蔵さまのビジュアルに違和感あったんですけどね

拡樹くんの舞台を観るのは3作品目。「時子さんのトキ」「幽遊白書」そして「最遊記歌劇伝」です。

あとはまだまだ未見のものも沢山ありますが、PCの配信含めすべて映像です。

特に「最遊記~」はPCの小さい画面(しかもウチのポンコツPCだし)でしか見てなかったので気づかなかったみたいです。

なんで違和感あるのかな~とずっと考えていたんですが、答えは簡単、別の役だからです

 

すみません、アホみたいなこと言って

最初はメイクのせいかな、と思ってたんですよ。でもそれだけじゃない。

目線の動かし方、表情の作り方から全然違う。

顔の骨格さえ変えてしまう、などと称される意味がわかった気がします。

視線が鋭くて、動きがシャープな三蔵さま、かっこいい~

立ち回りにキレがありますよね。やられる時でも

 

チケットを発券した時、センターブロックだなと思いましたが、

お席についた時「あら、ドセンじゃん」って喜びました。

宝塚でいうところの0番。トップスター様が立たれる真っ正面ですよ

お芝居ではアドリブ場面とかでない限り、わざわざ観客に目線を合わせることはありませんが、

偶然視線の先に座っている、ということはあります。

ショーでは後方や2階、どこに座っていても目線が来ますが、中でもセンターに近いほど

目線がバンバン飛んできて「目が合った」と勘違いしやすいので

前方席の端の方より、後方でもセンターのお席の方が好き、という人も多くて私もその一人です

 

でも昨日はお芝居だし、見やすいお席で良かったな~、くらいにしか思ってなかったのですが、

そんな生易しいお席じゃなかったです

12、3列くらいのドセンター。オケボックスが無い分すごく近く感じます。

そのうえ、舞台上に立つ拡樹くんの顔の位置と同じくらいの高さで

目線が合う、合う。いやもう内心「ひえ~、どうしたらいいの?私」状態でした

別に拡樹くんが私を見ていたわけでもないのにね

っていうか、客席暗いからそんなに見えないはずです

 

宝塚ではよく「腐ってもセンター」と言いますが、それを改めて思いだした

そんな幸せな経験をさせて頂きました

あ、ついでに三蔵さまの銃で無事、撃ち抜かれましたそりゃ真っ正面だしね

 

 

感想は始まったばかりでこれから東京なので書きませんが、続きが気になります

 

そして開演アナウンスと終演後の、キャストによるアナウンスが楽しいです。

何種類かあるみたいですね。ちゃんとキャラと今のご時世に合わせてあるのがさすがです。

 

宝塚でもたまにあるんですけどね。今の状況もありますし、録音でいいのでやらないかな~。

アヤナギ先生とか風子ちゃんに、「何してんねん、もうすぐ授業やで、スマホの電源切りや!」

とか、「そこ、喋ったらアカンで、私語禁止!」とか言われたら効果は絶大、じゃないかな~

 

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