インド旅行記も終わりに近づきました。
あれから、随分と時が経ち、私の記憶が薄れてきました。
自分のためにと忘れないうちにと、書いたブログですが、短い期間ながら、さすがインド、色んなことがあったんだなぁと、感心しています。
あと一息です。
それでは続きの始まり・・・
新たな階層制度
荷物を片付けたのち、この旅の間に貯まったRs1やRs2の小銭、約Rs50ほどをガートの乞食にバクシーシして整理しようと出かけた。
ダッシュメナード・ガートの階段にいる乞食に上の段から、降りながら、1枚づつ皿に投げ入れて行った。
最初にもらった奴がもう一度もらおうと、階段を駆け下りていく。
平等に1枚づつ、渡すようにした。
例によって、もらうのは当たり前だと思っているから、無表情で皿を差し出す。
(この写真は人のを借りました。)
彼らは乞食だが、バラナシでは結構稼ぐという話だった。
乞食は何代にも渡って乞食である。
だがカーストで職に就くことを許されない乞食(アウトカーストが多い)は肉体労働者階級(シュードラ)より稼ぐこともあるという。
見ていると、ヒンドゥー教徒たちはカルマ(徳)を積むために聖地バラナシではよく施しを行う。
シヴァ神の祭りだったこともあるかもしれないが、Rs10札や、Rs20札を施すのはざらにあり、中にはRs100を施す人もいた。
そう考えてみると1日の受け取ったお金は、かなりのものになると思われる。
安定はしてないだろうが、場合によってはボートマンより稼ぐ時もあるのではないだろうか。
とにかく、住まいがあったり、貯金をしている乞食もいるというのだ。
だから、カーストとは不思議なものである。
カースト制度について、俺の短い旅の印象だけれど、俺が見た感じでは、カースト制度は裕福という観点では、あまり関係ない気がした。
デリーでのガイドだったインド人は、仏教徒でカースト制度では最下位になるというから、シュードラなのだろうが、全然裕福に感じたし、教養もあった。
むしろ、インドでは、所得や財産の方が新たな階層制度になっていて、カーストよりも真の差別の実体ではないかと思った。
だから、インド人は一般的にお金が好きだ。
特にお金を稼ぐことで、よりハイクラスを目指しているひとは、頭をフル回転させていて、執念にちかいものを持っている人(拝金主義者)が多かったように思う。
(特に観光地で働くインド人は、そういう人が多いように思う。)
だから、数あるヒンズーの神様の中でも人気ナンバーワンは、象の頭になったガネーシャ神(お金儲けと知恵の神)だというのは解る気がする。
ガーネシャ(日本では歓喜天とか聖天とか呼ばれてるらしい)
逆に、極貧でないかぎりにおいて、現状が幸せで十分だと感じているだろうと思われる人は、全く焦りがなく、清貧なる優しいインド人という感じだったように俺は感じた。
(不思議なことには、観光地から外れた普通のインド人は、貧しい人が多いだろうと思われるが、俺が道を聞いたり、ちょっとした話をしただけでの、その限りにおいては、とにかく皆優しかった。
その辺の無愛想な顔のオヤジでさえ、日本の人より優しい感じが俺にはしたのだ。
なんだか、優しい顔の中にインド哲学の神髄があるかのような錯覚さえ感じた俺だった。)
ところで、さきほどのバカボンのパパだが、やはりボートの客をつかめなかった。(その1を参照)
そこで、俺はノートの切れ端に日本語で「この人のボートの価格、1時間Rs150はこの辺の相場としては適正です。ある日本人より。」と書いてやってパパに渡した。
そして、数名で固まっている日本人にそれを見せて、団体割引で乗せるよう話をした。
結局、オヤジは客を捕まえることに成功、3名ほどの若い日本人客をつかまえて、ボートを漕ぎながら、俺に手を振ってくれたのだった。
午後からは、日本へ持ち帰るお土産を買うことにした。
L君達から、お茶の葉や、香辛料の良い店を紹介してもらうことにした。
そこでは、もちろん普通の出来上がったお土産用のものもあったが、やはり量り売りの方が新鮮だということで、そちらを薦められた。
チャイ用のマサラとカレー粉2種類を小分けにしてもらい何袋か買うことにした。
ここでも、いろいろおしゃべりをしたのだが、例の日本人がよくいくSの店の話になった。
その時は気にならなかったが、一応、日本ではガイドブックにも、ネット上のバラナシ案内にも、実際に旅をしたブログ上の旅行記でも、Sの店の主人Sさんには日本人妻がいるということで有名であり、俺も彼女に店で直接会ったりしたのだったのだが、彼らがいうにはSさんは結婚しておらず、その女性はSさんの内縁の妻だということだった。
たしかに、ヒンドゥー教徒と日本人が結婚することは大変難しい。
カースト制度的には日本人女性はスゥードラ以下のアウトカーストになるから、「カーストの違う結婚」ということで、親族から批判をうけることもあるらしい。
(ただし、日本人は金持ちだから、実際はアウトカーストにはみられない。)
また、国際結婚の法的手続きたるや、とても大変だというこである。
だから、内縁の妻ということなのかもしれない。
(だが、このことも後々、日本に戻ってからインドのカオスとして俺の頭に残ることになる)
その後、L君の大宮デン助似のオヤジに別れの挨拶をし、L君達といつものチャイの店前でチャイを飲みながらしゃべったが、彼等の仲間に明日のバラナシ空港までの足として、オートリキシャをRs500にて手配してもらうことにした。
明朝、このいつものチャイの店にて待ち合わせし、オートリキシャの場所までL君が連れて行ってくれるということであった。
その後、プージャをみたりするうちに夕食も忘れたが、ホテルオーナーと会う約束の時間がきたので、市場で果物とスナック菓子を購入したのち、ホテルに戻った。
フロントにいってみると、フロントにいたアンちゃん風の従業員が
「オーナーは急用ができ、あんたに会えない。だが明日、朝、出発する際に必ずフロントには来るとのことだ。このこと連絡しようとしたが、あんたが部屋にいなかった。」
というのだった。
ちょっと、イラッとしたが、どうせ明日、旅行会社の社員が心配してホテルまで来るから、両方いっぺんに話をつけるには丁度具合がいいと思い、旅行会社の人が来る時間の明朝8時にチェックアウトすると決め、オーナーに8時に来るようにと連絡してもらうことにした。
30分ほどで、苦情を直接良い、旅行会社から叱ってもらうつもりだった。
(L君とは9時に待ち合わせだが、L君の友人たちにも別れの挨拶もしたいから8時30分にはチャイの店に行きたかった。)
だが、敵は強かであったのである。
(つづく)
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荷物を片付けたのち、この旅の間に貯まったRs1やRs2の小銭、約Rs50ほどをガートの乞食にバクシーシして整理しようと出かけた。
ダッシュメナード・ガートの階段にいる乞食に上の段から、降りながら、1枚づつ皿に投げ入れて行った。
最初にもらった奴がもう一度もらおうと、階段を駆け下りていく。
平等に1枚づつ、渡すようにした。
例によって、もらうのは当たり前だと思っているから、無表情で皿を差し出す。
(この写真は人のを借りました。)
彼らは乞食だが、バラナシでは結構稼ぐという話だった。
乞食は何代にも渡って乞食である。
だがカーストで職に就くことを許されない乞食(アウトカーストが多い)は肉体労働者階級(シュードラ)より稼ぐこともあるという。
見ていると、ヒンドゥー教徒たちはカルマ(徳)を積むために聖地バラナシではよく施しを行う。
シヴァ神の祭りだったこともあるかもしれないが、Rs10札や、Rs20札を施すのはざらにあり、中にはRs100を施す人もいた。
そう考えてみると1日の受け取ったお金は、かなりのものになると思われる。
安定はしてないだろうが、場合によってはボートマンより稼ぐ時もあるのではないだろうか。
とにかく、住まいがあったり、貯金をしている乞食もいるというのだ。
だから、カーストとは不思議なものである。
カースト制度について、俺の短い旅の印象だけれど、俺が見た感じでは、カースト制度は裕福という観点では、あまり関係ない気がした。
デリーでのガイドだったインド人は、仏教徒でカースト制度では最下位になるというから、シュードラなのだろうが、全然裕福に感じたし、教養もあった。
むしろ、インドでは、所得や財産の方が新たな階層制度になっていて、カーストよりも真の差別の実体ではないかと思った。
だから、インド人は一般的にお金が好きだ。
特にお金を稼ぐことで、よりハイクラスを目指しているひとは、頭をフル回転させていて、執念にちかいものを持っている人(拝金主義者)が多かったように思う。
(特に観光地で働くインド人は、そういう人が多いように思う。)
だから、数あるヒンズーの神様の中でも人気ナンバーワンは、象の頭になったガネーシャ神(お金儲けと知恵の神)だというのは解る気がする。
ガーネシャ(日本では歓喜天とか聖天とか呼ばれてるらしい)
逆に、極貧でないかぎりにおいて、現状が幸せで十分だと感じているだろうと思われる人は、全く焦りがなく、清貧なる優しいインド人という感じだったように俺は感じた。
(不思議なことには、観光地から外れた普通のインド人は、貧しい人が多いだろうと思われるが、俺が道を聞いたり、ちょっとした話をしただけでの、その限りにおいては、とにかく皆優しかった。
その辺の無愛想な顔のオヤジでさえ、日本の人より優しい感じが俺にはしたのだ。
なんだか、優しい顔の中にインド哲学の神髄があるかのような錯覚さえ感じた俺だった。)
ところで、さきほどのバカボンのパパだが、やはりボートの客をつかめなかった。(その1を参照)
そこで、俺はノートの切れ端に日本語で「この人のボートの価格、1時間Rs150はこの辺の相場としては適正です。ある日本人より。」と書いてやってパパに渡した。
そして、数名で固まっている日本人にそれを見せて、団体割引で乗せるよう話をした。
結局、オヤジは客を捕まえることに成功、3名ほどの若い日本人客をつかまえて、ボートを漕ぎながら、俺に手を振ってくれたのだった。
午後からは、日本へ持ち帰るお土産を買うことにした。
L君達から、お茶の葉や、香辛料の良い店を紹介してもらうことにした。
そこでは、もちろん普通の出来上がったお土産用のものもあったが、やはり量り売りの方が新鮮だということで、そちらを薦められた。
チャイ用のマサラとカレー粉2種類を小分けにしてもらい何袋か買うことにした。
ここでも、いろいろおしゃべりをしたのだが、例の日本人がよくいくSの店の話になった。
その時は気にならなかったが、一応、日本ではガイドブックにも、ネット上のバラナシ案内にも、実際に旅をしたブログ上の旅行記でも、Sの店の主人Sさんには日本人妻がいるということで有名であり、俺も彼女に店で直接会ったりしたのだったのだが、彼らがいうにはSさんは結婚しておらず、その女性はSさんの内縁の妻だということだった。
たしかに、ヒンドゥー教徒と日本人が結婚することは大変難しい。
カースト制度的には日本人女性はスゥードラ以下のアウトカーストになるから、「カーストの違う結婚」ということで、親族から批判をうけることもあるらしい。
(ただし、日本人は金持ちだから、実際はアウトカーストにはみられない。)
また、国際結婚の法的手続きたるや、とても大変だというこである。
だから、内縁の妻ということなのかもしれない。
(だが、このことも後々、日本に戻ってからインドのカオスとして俺の頭に残ることになる)
その後、L君の大宮デン助似のオヤジに別れの挨拶をし、L君達といつものチャイの店前でチャイを飲みながらしゃべったが、彼等の仲間に明日のバラナシ空港までの足として、オートリキシャをRs500にて手配してもらうことにした。
明朝、このいつものチャイの店にて待ち合わせし、オートリキシャの場所までL君が連れて行ってくれるということであった。
その後、プージャをみたりするうちに夕食も忘れたが、ホテルオーナーと会う約束の時間がきたので、市場で果物とスナック菓子を購入したのち、ホテルに戻った。
フロントにいってみると、フロントにいたアンちゃん風の従業員が
「オーナーは急用ができ、あんたに会えない。だが明日、朝、出発する際に必ずフロントには来るとのことだ。このこと連絡しようとしたが、あんたが部屋にいなかった。」
というのだった。
ちょっと、イラッとしたが、どうせ明日、旅行会社の社員が心配してホテルまで来るから、両方いっぺんに話をつけるには丁度具合がいいと思い、旅行会社の人が来る時間の明朝8時にチェックアウトすると決め、オーナーに8時に来るようにと連絡してもらうことにした。
30分ほどで、苦情を直接良い、旅行会社から叱ってもらうつもりだった。
(L君とは9時に待ち合わせだが、L君の友人たちにも別れの挨拶もしたいから8時30分にはチャイの店に行きたかった。)
だが、敵は強かであったのである。
(つづく)
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