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芸術のスペイン、オッサンの一人旅…マドリードその1(プラドに疲れる)

2017年03月08日 | 芸術大国スペイン、オッサン心のひとり旅
朝は8時に起き、早速、朝食を取りにいきました。

スペインじゃ、8時くらいから明るくなり、19時くらいから暗くなります。

ホテルの場所はマドリードの中心であるSOLという地域です。
(いつも、外国旅行の初日だけは経験上、必ず事前に予約した、まともな良いホテルにしています。)



SOLの広場(Puerta del Sol)は朝早くから人が結構いました。
若い男女の酔っ払いもいるので、新宿の駅前の様な感じです。


(広場でなにかの抗議をしていた。スマホでスペイン語のいくつかを翻訳してみると、どうもDVに対する抗議のようだ。靴が真っ赤に塗られて並べられている。)



朝食は広場の近くのマドリードっ子のソウルフードであるチュロスの店に行こうと決めていました。
とにかく、
飲んだ後には〆のラーメンならぬチュロス
らしいです。
似てるのは同じ炭水化物系というところでしょうか。


Chocolateria San Gines(1894年創業のマドリッドで一番有名な老舗チョコラテリア)

細い路地を入ったところにひっそりとありました。
いつも混んで入るのに並んでいる店ですが、日が明けて間もなくなのですぐ座れました。
並ばずに入れるのはラッキーらしい。

機会があって、いかれる方にお話しすると、
雰囲気的に店に入ると、なんとなく分かるかとおもいますが、会計は先にしました。

注文はメニュを見てもよくわからないけど「チュロス、ホットチョコレート」でOK
(他にもいろいろ何かあるようですが、スペイン語につき理解困難!)


そして、まず先にレシートを店員にみせてから席に座ります。
しばらくすると、出来立てホカホカのチュロスが運ばれてきます。


これで4€

チュロスはホットチョコレートにドップリつけて食べました。



これは適度な甘さで絶品、旨かった。
甘いのが苦手な俺でも十分美味しくいただけましたが、ただ、ちょっと恥ずかしいかな。

なんだか、ホッピー&モツ煮的オヤジの俺には似合わない。
(そうしている自分を自分が笑っているのだ。)

日本人の若い女性が2名いましたが、あれは似合ってるけど、男一人で食べるのはちょっと寂しい気がしました。
まあ、俺が来るなら女房と来たいお店だね。
それなら、まだわかる。


なお、面白い耳学問発見!

チュロスの断面が星形の理由(ウィキペディアより)

チュロを丸い搾り器で形成すると、揚げた際に内部の固まっていない生地が急激に膨張し、爆発を起こし高温の油と共に飛び散る危険が有る。これは、生地を熱湯で練って作るために粘り気が大きく、結果閉じ込められた水分が気化して急激に膨張し、水蒸気爆発に近い現象が発生するのが原因である。 それを防ぐため、星形にして表面積を大きくし、油から素早く伝熱することにより均等に固まりやすくすると共に効率よく生地外へ水分を放出・蒸発させ、膨張を回避しているのである。



店内は、緑色を基調にしたクラッシックな粋な店でした。


人の写真が沢山貼ってあり、来店した有名人でしょうか?




そこから、いよいよ歴代のスペイン王家のコレクションを展示するプラド美術館の方に向かいました。


何処を向いてもクラッシックで落ち着いた雰囲気の立派な石造りの建物です。
ゴチャゴチャ感はなく、整然としていて、もちろん木造建築はありません。

だから、ちょっと冷たい感じがしますかね。



スペインも日本同様にホームレス、物乞いが多かったと思います。
ちょっと違うのは、犬を連れたホームレスもよくみました。


とにかく、
スペインの若者の失業率は50%以上!

これは知っていたので、都会の若者は荒れてるかもしれないから気をつけなきゃ、と思ってました。

ですが、・・・
彼ら若者たちには、荒れて頽廃しきった雰囲気は見られなかった。
(たまたま、見なかっただけかもしれませんがね。)

不思議です?
生き方の違いなんでしょうかねぇ?


この答えを知りたいです。



さて、ホームレスと言えば、ガウディも最後は路面電車にひかれて亡くなるのですが、身なりについては無関心だったらしく、轢かれた時、ホームレスと見間違われるような服装で、手当てが遅れて助からなかったということの様です。

スティーブ・ジョブズや、アインシュタインも身なりに気を付けず、いつも同じものを着るタイプだったと聞いていますから、俺もそこだけは「天才」かもしれません。
いつも女房に「もう捨てたら!」と言われている10年以上前にユニクロでに買った大リーガー、レッドソックスのフリースをまだ着てますから。




(この通りの右手はバルの多い地域になります。なんとなく、大人の飲み屋街、新宿3丁目みたいな感じですかね。夜は、この辺りを彷徨うことになりました。)



プラド美術館には、開館前だというのに、切符を買う客たちで行列ができてました。


写真は少ないように見えますが、20名ぐらいずつに区切られて切符購入するので、見えないですが大勢の人が購入のため並んでます。

いつでもどこでも多い中国人は、キリスト教を題材にした作品が圧倒的に多いせいか、ここプラド美術館では、あまり見かけず欧米人が多かったように思います。

日本の団体客もいました。
ベトナムではやったのですが、日本人ツアーにくっついて、絵画の説明を聞こうかと思いました。
ですが、最近はガイドのマイクと団体客のイヤホンは無線でつながっていて、ガイドは大声で話す必要がないので、何を言ってるのか全く聞こえず、案内のタダ乗りはできませんでした。


さて、館内ですが、当然ながら、
膨大な作品量です。
正直なところ、心底歩き回り疲れました。



この日のエネルギーの8割は消費してしまった感じ。

そう、鑑賞するには大変なエネルギーが必要で、もっと歳をとってからプラドに来たら、翌日は寝込んでしまうかもしれない。

とにかく、大作と思われるものだけを廻ったのですが、それでもメチャ疲れました。



ちょっと印象に残った作品をいくつか・・・
(絵の画像はウィキペディア「プラド美術館」より引用)


ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『十字架降架』(1435頃)
これは、結構大きな作品で、目の前でみるとド迫力があって、リアル。
他の様々な伝統的宗教絵画は、俺には同じタッチ、構成の描写、リズムに思えていたのですが、これはちょっと違っていてショッキングでした。
何か強烈に心に訴えるものがあるように思えます。


ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス(スペイン語で「女官たち」の意)』(1656)
この作品の前には大勢の人が集まっていて熱心に鑑賞していました。
模写している人もいたかな?

この時はボーっとして見ていましたが、旅の終盤、ピカソの「ラス・メニーナス」の絵を見た時、この絵を思い出しました。(その話は、旅記の最後のほうに書きます。)

帰ってきて調べてみたら、この絵が西洋美術史において大変重要な作品であるらしく、ウィキペディアの「ラス・メニーナス」を調べると色々なことが書かれていて、大変な作品を見てきたんだなぁと感慨深く思っています。

<ウィキペディア「ラス・メニーナス」の最初の序文だけ載せます>

『ラス・メニーナス』は、1656年にスペイン黄金世紀をリードした画家ディエゴ・ベラスケスにより制作された。謎かけのような構成の作品で、現実と想像との間に疑問を提起し、観賞者と絵の登場人物との間にぼんやりした関係を創造する。『ラス・メニーナス』の複雑な構成は、西洋絵画の分野では盛んに解析された。(以下、延々と書かれてるが省略)



ヒエロニムス・ボス 『快楽の園』(1503-1504)

これには、俺もビックリポンでした。
初めてみた作品なのですが、ぶったまげましたね。
この右の部分を拡大したので見てください。

  


なんだか、もう、ダリっぽいですよ。

というか、ダリがこの絵画の影響受けたんじゃないかと思われるような作品だと思いました。
しかも15世紀オランダの画家の作品なのに、すでにシュールレアリスムなのです。

そして、調べてみたら、やはり、ミロとダリはこの作品に大きく影響されたらしいです。
ボスという人は、シュールレアリスムの先駆者ですね。

当時の人は、ビックリしたでしょうね。





館内のレストランで食事をするつもりでしたが、満員で座る席がない。
とにかく、休みたかった。

館の外に出た時は疲れて、道端の芝生に座り込んでしまいました。
その時、周辺の様子を動画にしています。



外の景色に癒されました。
空の青さと芝生の緑が疲れた体に沁みました。



(つづく)




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