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大会当日は2時に起きた。
睡眠7時間だから完璧である。
女房も俺に付き合って2時に起きた。
朝から、足と膝のテーピングをする。
女房は、今日、道端で応援してくれるのだが、スタート地点以外にも応援者専用バスに乗って、数か所、応援ができることになっている。
朝食は3時である。

(朝食、これに焼きたてのアジの干物がついた。椀物は豚汁です。)
たるべく炭水化物を多くとるようにしたと思う。
食欲もそこそこ回復していた。
この時点で下○回復度は90%以上だと確信していた。
もちろん、ちゃんとWCも済ませた。
外はかなり肌寒い。
Tシャツの下にFinetrackのスキンメッシュを着ることに決めた。
早い話が、昔、登山のときによく着た網シャツの新型タイプである。
とにかく、お腹が冷えたら、今回はそれだけでアウトである。
4時、女房とともに市内循環バスにてスタート地点へ。
すでに、かなりの人が集まっていた。
会場に着いたら、またWCに行きたくなった。
中間地点にデポする荷物を専用トラックに持参しなければならないのだが、それは女房に頼んだ。
女房とはそのトラックの前で落合うと決めて、WCへ直行!
トイレはかなりの行列である。
並びながら、脳裏を掠める考えが・・・
「コースの途中、WCに行くとしても、行列なんだろうか?」
普段なら考える必要のない一抹の不安が・・・
。
どんどんとスタート時間が迫る。
ウルトラだから、スタート前のWCで出遅れても大差ないのだが、せっかくの四万十川ウルトラ、スタートの盛り上がりだけは味わいたい。
幸いにも、スタートには本当にギリギリのギリチョンで間に合った。
(女房とは、トラック前で落合って、一緒にスタート地点へ向かうと決めていたが、落合う時間がなく置いてけぼりにしてしまった。後で、散々文句
言われたが、…。)

走り始めて、調子が非常に良いのを感じた。
体が軽いのである。
今までの俺にはない爽快感なのであった。
だが、下○で体重がかなり落ちていたのだ。
(本当は、ウルトラマラソンのスタート時は、体が重いと感じるぐらいが丁度いいらしい。)
俺は、「今回はいける!」と勘違いしていた。
最初の10キロまでは快調にいけた。
だが、なんとなくWCの不安
が脳裏を駆け巡るのである。
「途中で行きたくなったら困るぞ!」
というマイナス思考、悪魔の囁き、Wの悲劇である。
恥ずかしさなるものが一杯に詰め込まれた爆弾をランニングパンツの中に入れて走るロードランナーである。
とにかく、WCポイント以外にトイレなるものは全く存在しないのだ。
しかも、土佐の小京都といわれる神聖な場所には、山男のいうところの
キジ打ちポイント(
・・・紳士淑女はクリックしないこと
)
など存在しないのだ。
そこで10kmぐらいのところで
「万が一の保険的WC」
に行くことにした。
すでに、モジモジ君が3名ほどが並んでいた。
このまま並んでいようか、それとも先に行こうか、悩みに悩み、あきらめの境地になって空くのを待ったのだ。
WCから出てきたときは、時間はかなり過ぎてしまい、かなりランナーが通過してしまったと思う。
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(このトイレにお世話になりました。謝謝!)
10kmぐらいからは、登りが急になるのだが、伊南川ウルトラの急こう配に比べたら平坦に等しい。
だから、なるべく早く走った。
給食ポイントでは、消化の良いバナナを選んだ。
バナナといっても、まるごと1本ではなく3等分ぐらいに切られたカットバナナである。
普段ならウルトラ食に最適なオニギリ
なのだが、時間当たりの消化率のことを考えるとバナナになってしまった。
バナナはエネルギー的にも消化率を考えても相当に軽い。
1オニギリ=4カットバナナ ぐらいにはなるはずだ。
それに、これ以後のエイドでは食べ物は殆どなく、バナナと水分しかなかった。
遅いランナーの宿命である!
・・・
余談だが、1年に一度、バカボンのパパの恰好で三浦半島ウルトラマラソンのエイドスタッフをやっている。
今回、思ったのは、
「最後の方でリタイアせずに頑張っているランナーのみに対して、特別食をあげたい」
そんな気持ちになった。
最後の方のランナーだからこそ、心を込めて応援してあげたい。
バカボンのパパの「焦らず、ゆっくり頑張るのだ特別食」というのはどうだろう。
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明るくなるにつれ日差しが強烈となり、汗が噴き出してくる。
20キロ過ぎから、30キロぐらいまで今度は下りである。
ガンガン飛ばして降りて行った。
伊南川ウルトラから下りが好きになっていた。
だが、途中で突然に力がでなくなった。
車でいうところのガス欠みたいな感じである。
下るスピードに足の回転が追い付かない。
下り坂の途中で、滑って転んでしまった。
尻もちをついたような感じで転んだので、スキー初心者のように斜面に対して後傾姿勢で下っていたんだろう。
幸いにも、ケガはなかった。
それに加えて、右ハムストリングの膝に近い部分の大腿二頭筋が痛くなっていた。
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これは、以前にも練習中そうなった経験があった。
走りながら、なぜ右だけなのかを考えていた。
たぶん、これが故ではないかと思われることがあった
右足の靴底の踵部に貼り付けられているゴムが剥がれそうになっており、路面を引きずって走っていたのである。
走るたびにシュッシュッと音がする。
軽い抵抗感がある。
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俺は昔のロードバイク交通事故による後遺症の影響で、どうしても右踵部が異常摩耗してしまう。
それがため、他の人より、靴の消耗は早くなる。
今回のはミズノのウェーブライダー18だが、購入して100km程度しか走っていない新しいものだ。
そこで、思い切って、手で踵の部分を無理やり引き剥がしてみた。
すると、しばらくして痛みはかなり治まってきたのである。
わずかな靴底の抵抗がこんなに影響するとは思わなかった。
繰り返し負荷がかかることで、筋肉に影響していたのだ。
考えてみると、伊南川ウルトラ100km完走のときに履いていたのはアディダスのブーストという靴底が扁平で単純な構造のシューズだった。
要するにバスケットシューズのような平らな靴底形状である。
このシューズは摩耗しても靴底全体が減るため、ウェーブライダーのように一部が剥がれるということがない。
それに反してウェーブライダーは軽量化のため、靴底の真ん中部分が大きくえぐれていて、踵に貼られた硬質ゴムが引っ掛かりやすいのである。
見た目はかっこいいし、計算された形状であるが、その複雑な構造が俺には仇になったのだ。
俺には朴訥単純が向いている。
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しかし、体はもう限界だった。
関門は通過したが、走る気力は失せていた。
唯一、
沈下橋だけは渡りたい、
そう思っていた。
(つづく)
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当ブログは若者の自立を支援する団体、NPO法人ネイチャーズを応援しています。
NPO法人ネイチャーズは、走Run会名誉会長、ウィンドサーフィンの師匠の山下光哉さんが運営する若者のためのNPO。
悩める若者や親御さん、是非お御問合せください。丁寧に対応してくれると思いますよ。
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睡眠7時間だから完璧である。
女房も俺に付き合って2時に起きた。
朝から、足と膝のテーピングをする。
女房は、今日、道端で応援してくれるのだが、スタート地点以外にも応援者専用バスに乗って、数か所、応援ができることになっている。
朝食は3時である。
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(朝食、これに焼きたてのアジの干物がついた。椀物は豚汁です。)
たるべく炭水化物を多くとるようにしたと思う。
食欲もそこそこ回復していた。
この時点で下○回復度は90%以上だと確信していた。
もちろん、ちゃんとWCも済ませた。
外はかなり肌寒い。
Tシャツの下にFinetrackのスキンメッシュを着ることに決めた。
早い話が、昔、登山のときによく着た網シャツの新型タイプである。
とにかく、お腹が冷えたら、今回はそれだけでアウトである。
4時、女房とともに市内循環バスにてスタート地点へ。
すでに、かなりの人が集まっていた。
会場に着いたら、またWCに行きたくなった。
中間地点にデポする荷物を専用トラックに持参しなければならないのだが、それは女房に頼んだ。
女房とはそのトラックの前で落合うと決めて、WCへ直行!
トイレはかなりの行列である。
並びながら、脳裏を掠める考えが・・・
「コースの途中、WCに行くとしても、行列なんだろうか?」
普段なら考える必要のない一抹の不安が・・・
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どんどんとスタート時間が迫る。
ウルトラだから、スタート前のWCで出遅れても大差ないのだが、せっかくの四万十川ウルトラ、スタートの盛り上がりだけは味わいたい。
幸いにも、スタートには本当にギリギリのギリチョンで間に合った。
(女房とは、トラック前で落合って、一緒にスタート地点へ向かうと決めていたが、落合う時間がなく置いてけぼりにしてしまった。後で、散々文句
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走り始めて、調子が非常に良いのを感じた。
体が軽いのである。
今までの俺にはない爽快感なのであった。
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だが、下○で体重がかなり落ちていたのだ。
(本当は、ウルトラマラソンのスタート時は、体が重いと感じるぐらいが丁度いいらしい。)
俺は、「今回はいける!」と勘違いしていた。
最初の10キロまでは快調にいけた。
だが、なんとなくWCの不安
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「途中で行きたくなったら困るぞ!」
というマイナス思考、悪魔の囁き、Wの悲劇である。
恥ずかしさなるものが一杯に詰め込まれた爆弾をランニングパンツの中に入れて走るロードランナーである。
とにかく、WCポイント以外にトイレなるものは全く存在しないのだ。
しかも、土佐の小京都といわれる神聖な場所には、山男のいうところの
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など存在しないのだ。
そこで10kmぐらいのところで
「万が一の保険的WC」
に行くことにした。
すでに、モジモジ君が3名ほどが並んでいた。
このまま並んでいようか、それとも先に行こうか、悩みに悩み、あきらめの境地になって空くのを待ったのだ。
WCから出てきたときは、時間はかなり過ぎてしまい、かなりランナーが通過してしまったと思う。
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(このトイレにお世話になりました。謝謝!)
10kmぐらいからは、登りが急になるのだが、伊南川ウルトラの急こう配に比べたら平坦に等しい。
だから、なるべく早く走った。
給食ポイントでは、消化の良いバナナを選んだ。
バナナといっても、まるごと1本ではなく3等分ぐらいに切られたカットバナナである。
普段ならウルトラ食に最適なオニギリ
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バナナはエネルギー的にも消化率を考えても相当に軽い。
1オニギリ=4カットバナナ ぐらいにはなるはずだ。
それに、これ以後のエイドでは食べ物は殆どなく、バナナと水分しかなかった。
遅いランナーの宿命である!
・・・
余談だが、1年に一度、バカボンのパパの恰好で三浦半島ウルトラマラソンのエイドスタッフをやっている。
今回、思ったのは、
「最後の方でリタイアせずに頑張っているランナーのみに対して、特別食をあげたい」
そんな気持ちになった。
最後の方のランナーだからこそ、心を込めて応援してあげたい。
バカボンのパパの「焦らず、ゆっくり頑張るのだ特別食」というのはどうだろう。
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明るくなるにつれ日差しが強烈となり、汗が噴き出してくる。
20キロ過ぎから、30キロぐらいまで今度は下りである。
ガンガン飛ばして降りて行った。
伊南川ウルトラから下りが好きになっていた。
だが、途中で突然に力がでなくなった。
車でいうところのガス欠みたいな感じである。
下るスピードに足の回転が追い付かない。
下り坂の途中で、滑って転んでしまった。
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尻もちをついたような感じで転んだので、スキー初心者のように斜面に対して後傾姿勢で下っていたんだろう。
幸いにも、ケガはなかった。
それに加えて、右ハムストリングの膝に近い部分の大腿二頭筋が痛くなっていた。
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これは、以前にも練習中そうなった経験があった。
走りながら、なぜ右だけなのかを考えていた。
たぶん、これが故ではないかと思われることがあった
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右足の靴底の踵部に貼り付けられているゴムが剥がれそうになっており、路面を引きずって走っていたのである。
走るたびにシュッシュッと音がする。
軽い抵抗感がある。
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俺は昔のロードバイク交通事故による後遺症の影響で、どうしても右踵部が異常摩耗してしまう。
それがため、他の人より、靴の消耗は早くなる。
今回のはミズノのウェーブライダー18だが、購入して100km程度しか走っていない新しいものだ。
そこで、思い切って、手で踵の部分を無理やり引き剥がしてみた。
すると、しばらくして痛みはかなり治まってきたのである。
わずかな靴底の抵抗がこんなに影響するとは思わなかった。
繰り返し負荷がかかることで、筋肉に影響していたのだ。
考えてみると、伊南川ウルトラ100km完走のときに履いていたのはアディダスのブーストという靴底が扁平で単純な構造のシューズだった。
要するにバスケットシューズのような平らな靴底形状である。
このシューズは摩耗しても靴底全体が減るため、ウェーブライダーのように一部が剥がれるということがない。
それに反してウェーブライダーは軽量化のため、靴底の真ん中部分が大きくえぐれていて、踵に貼られた硬質ゴムが引っ掛かりやすいのである。
見た目はかっこいいし、計算された形状であるが、その複雑な構造が俺には仇になったのだ。
俺には朴訥単純が向いている。
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しかし、体はもう限界だった。
関門は通過したが、走る気力は失せていた。
唯一、
沈下橋だけは渡りたい、
そう思っていた。
(つづく)
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当ブログは若者の自立を支援する団体、NPO法人ネイチャーズを応援しています。
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