ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「母という呪縛、娘という牢獄」齋藤彩著

2023-06-25 08:57:03 | 

ネットで見かけて読んでみた本、

「母という呪縛、娘という牢獄」齋藤彩著(2022年 講談社)

が凄かったので紹介したいと思います。

2018年に起きたバラバラ殺人事件の犯人高崎あかり(仮名)に関するノンフィクションです。

これがすさまじい本でね。下手なミステリーよりずっと面白い、というと語弊があるのだけど、もう読み始めたら止められなくなって一気読みでした。

2022年暮れに出版され、現在7刷で5万部売れているというのも頷ける。本の購入者は高崎あかりと同世代の女性たちでしょう。

家族というのは牢獄でもある、というのは私自身経験済みで、だからこそ21歳の時にスーツケース一つで家を出て、二度と戻らなかったのですが、幸いなことに私は連れ戻されることはなかった。

でも、高崎あかりは何度家出をしても母に連れ戻されてしまいます。探偵まで雇って。就職も決まり、これで自立できたと思った矢先に母から職場に電話が行き・・とにかく邪魔され続けた。

牢獄のような家に閉じ込められ、母から医者になるよう強要され、医学部の受験を強いられ、9年もの浪人生活を強いられたのです。

それだけでもすさまじいのに、彼女の日常は更にさらにすさまじく常軌を逸したものでした。

母の暴力も酷く、殴打はもとより熱湯を浴びせかけられたりと、一つだけでも犯罪なのに、それが日常茶飯事となって、しまいに慣れていく恐ろしさ。

不思議なことに、虐待の加害者はきまって自分を被害者だといいます。

あなたのことをこんなに思っているのに、なぜこんな思いをさせるのか、あなたのためにしているのに、なぜ私の気持ちをわかってくれないのかと。

私の母もそうでした(手を上げることはなかったけど)。

スティーブン・キング原作の映画「ミザリー」を彷彿とさせます。

あの映画では、ミザリーは頭の狂った他人でしたが、それが実の母親だとしたら・・

よくぞこんな地獄を耐えて生き延びてきたものだと、そう思わずにはいられません。

母親の心情が描かれていないとか、客観的でないとか、犯人に寄り添いすぎるという批判もあるようですが、

この世には狂った人が一定数いるのだ、と私は思っています。

自然界にも異端がいるように、人間社会にも、適応しないしできない、あるいは害を及ぼす人たちが一定数いる。

いいとか悪いとかの判断抜きでそういうものだと思うのです。

距離を置くしかないのですが、それが実の親だとしたら離れることさえ容易ではない。離れたとしても、罪悪感に押しつぶされそうになったり・・

なので、第三者の介入が必要なのですが、日本の社会ではまだ家族は絶対視されていて、母親なんだから子どもを愛しているはずだという固定観念が強固にまかり通っているのが残念です。

子どもを虐待する親なんて全然珍しくないのに。

それが愛だと勘違いしている親もけっこう多いし。

殺人事件が一番多いのは家族内である、というのも当然でしょう。

(これを書いている最中にも、遺体で発見された6歳児を巡って家族内に確執があったようだという報道がされています)

そういう家族とは無縁だった人には想像できないと思いますが。でも、これほどではなくとも、母子密着型や価値観が全く違って折り合いが悪い、という家族はかなり多いのではないでしょうか。

風通しの悪い家、他人が入らず家族内だけでいろんなことが決定される家、

家族はある意味で最小単位のカルトであるといえるかもしれない。

生まれてからずっと洗脳され続けているので、異常さに気づかない。

気付いたとしても逃げ出すのは容易ではない。

そういう家族が一定数いるのだと思います。

(私自身、娘にとっていい母親だったかどうか定かではありません。もしもそうでなかったら娘に心から謝りたいと思っています)

そうした家族に救援の手をさしのべる、あるいは強制的に介入するなどの制度が必要かと思います。

家族という密室の中では声を上げることは難しい。虐待する親もまた子どもの頃虐待されていたのかもしれず、互いに辛い思いをしているのは間違いないので。

この本をきっかけに、社会がこうした家族を支援するシステムが生まれることを願ってやみません。

 

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池のカイツブリは・・

2023-06-24 09:52:32 | 散歩

おはようございます。

今朝も公園に行ってきました。

池のカイツブリは・・
    ↓
    ↓
    ↓
    ↓

健在でした!

葦の中の巣に親鳥が座りこんでいたので、卵も大丈夫だったみたいです。

よかったよかった。

今朝はカモの新しいヒナたちも来ていて、大・中・小のカモたちで池はけっこうにぎわっていました。

土日は公園をジョギングする人、散歩する人、サッカー練習の子どもたちとけっこうな人出ですが、

カイツブリは先日のように私の足元までやってきて、潜水を繰り返していました。

動画をアップしようとしたのだけど、容量が大きすぎるようで、動画編集とか学ばないとダメみたいです。残念。

facebookにはアップしているので(facebook版「ないない島通信」)よかったらそっちを見てください。

 

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池のカイツブリと昨日の雨

2023-06-23 09:54:19 | 散歩

おはようございます。

今朝の公園。

昨日雨が降ったので、池の水かさが少し増して葦の茂みが水に浸っていました。

カイツブリの姿はなし。

巣は大丈夫なのか? かろうじて水面の上ではあるようですが、カイツブリはいない。

つがいの姿は全くありませんでした。

カモのヒナたちもいない。親鳥はいたけど。

彼らは一体どこに行ったのか?

カイツブリは留鳥(渡りをしない鳥)ですが、飛ぶときはけっこう飛ぶようです。

イギリスからデンマークまで飛んだ例もあるとか。

でも、東京では一年じゅう見られる鳥なので、そうそう遠くには行かないでしょう。

カイツブリもカモのヒナもいない池はちょっと寂しい。

梅雨の季節なんだから、水面ぎりぎりの葦の茂みじゃ雨が降ったら水没するでしょ。

卵が無事だといいのだけど。

引き続きウォッチングしていきます。

 

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「宇宙兄弟」全42巻を大人買い!

2023-06-22 11:20:27 | 宇宙

ついにやっちゃいました!

「宇宙兄弟」全42巻を大人買い!

アニメ版の「宇宙兄弟」は原作でいうと19巻あたりまで。

で、ネットで話題になっているのがそれ以降。

たとえば、2021年に民間人として初めてISSに搭乗した前澤友作氏が宇宙中継の中で語っていたのが、

「宇宙兄弟」の27巻。

他にも27巻について語っているYouTube動画があって、

一体何が起きるんだ、27巻で??

と気になって仕方ない。

でも、読まないうちに動画の続きは見ちゃいけない。

どこかで無料で読めるところはないかと探してみたのだけど、

20巻~42巻となると、一日じゃ読み切れないでしょ。

というわけで、中古で見つけた全巻セットを買ってしまいました(楽天で購入)。

18,270円也。一冊当たり435円だから、まあ妥当な値段だと思う。

中古だけど全巻とってもきれいで新刊みたいです。

で、毎日少しずつ読み進めているところです。

1巻からね。

原作を読んでみると、アニメ版がいかに原作に忠実に作られているかがわかります。

しかも、アニメなので、原作にはない色、音、声、動き、音楽があり、その分人物像が立体的で臨場感もすごくて、

アニメ版の作者たちって、すごいなあと改めて思った次第です。

これは両方見る必要がある。原作読んでからアニメ見てもよし、アニメ見てから原作読んでもよし。

いずれにせよ、後世に残る名作だということは間違いない。

というわけで、再び「宇宙兄弟」にハマっているところです。

(いろいろハマる人にゃ)

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池のカイツブリと「ザリガニの鳴くところ」

2023-06-21 10:39:47 | 散歩

この歳になると、未来より過去の時間のほうが圧倒的に多くなります。

よって、未来の展望よりは過去を振り返りがちになります。

同世代の友人たちと昔話で盛り上がったりとか。

でも、時間は未来から流れてくる、という考え方もあるようで、

未来の視点で今を見てみると、全然違ってきたりもします。過去の見方も変わってくるしね。

いずれにせよ、過去も未来もない、あるのは現在だけだ、とアインシュタインも言っているようなので、

過去も未来も(もしかすると今ここも)幻想なのかもしれません。

さて、今日のカイツブリ。

何と池の端に立っている私の足元までやってきて、何度も潜水を繰り返しました。

こんなに間近で見たのは初めて。

嬉しかったなあ。

葦の茂みの中の雌(たぶん)も健在のようです。

いつヒナが誕生するんだろうか。楽しみ~

池の向こう岸では、カモたちの縄張りに突然カラスが割り込んできて、ガアガアと騒ぎ立てていた。

でも、カモたちは(一羽が応戦したものの)ほとんど動じず、泰然と羽を丸めて座り込んでいる。

やがてカラスの方があきらめて去っていきました。

カモの縄張りは何とか守られた。

なんでまたカラスは突然割り込んできたんだろうか。

鳥たちの縄張り争いも興味深いテーマです。

夕べまた、映画「ザリガニの鳴くところ」を見たので、更に興味がわいてきたというわけ。
(2023年2月2日の記事参照)

この映画のテーマは自然というよりは人間です。

最後のシーンはやっぱり圧巻でした。

カイアは自分を湿地の生物たちと同一視していたのですね。

だからこそ、人間的な罪悪感から距離を置くことができたのだと、そう思いました。

最後のシーンで観客が度肝を抜かれるのも、私たちが正義や罪悪感といった人間的な価値観で物事を捉えがちだからでしょう。

自然は想像以上に残酷です。

カイツブリファミリーが無事ヒナを孵すことができるようにと祈りつつ、

こんな小さな池でも、生物たちは日々縄張り争いを繰り広げ、隙あらば相手を威嚇し追い払おうとしているので油断は禁物。

頑張れカイツブリ!

っていうのも、極めて人間的な感情移入ですが。

さて、今年の夏も猛暑になりそうだとか。

今のうちに片付けを進めておかないとね。

過去を振り返るより、未来から見た現在、という視点で片付けを進めたいと思います。

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