認知症には誰でもがなりたくないと思う
ある医師も 自分が癌と認知症になるとしたら 癌の方が良いと言う
痛みなど苦痛もあるが 人間として尊厳を保ったまま終わることが出来る
波乱の人生を重ねて 穏かな余生を送りたい時に 認知症になる
これまでの苦難が こんな形で終わることは切ない
医学 医療もも進歩をして 進行の防止や軽度なら快復もありうる
しかし 依然として 現実に対面している方にとって 介護も施設も大変だろう
介護する側は 特に心身疲労して この方の人生も左右される
私は音楽に微量でも 奇跡を期待している
音楽の持つ力が たとえ一人でも効果が見えて欲しいと 祈りにも似たものを持っている
それが無理でも たとえ ひと時でも 心地よい風を感じて欲しいと願う
言霊と言う力があるように 音霊もあるのでは無いだろうか
施設を廻るたびに こういう方を見て 自分の家族のように切ない
と同時に音楽に神様が居れば 力を貸して欲しいと願う
きっと 何かが心に届いて欲しい 記憶の糸を見せて欲しい
家の人に断って来ていないから 心配しているから帰る
施設の方に てこずらせる
お金が無くなったと絶叫して 静まらない方も居る
苛立ちを隠せず スタッフを殴る方も居る
会話も歌もせず無言で暮らす方も居る
食事の介助 勿論 排泄や入浴の介助
各施設で垣間見ることだが 家庭でも心が重い現実だろう
昨日は歌の時間 男性の方に怒られた
こんな歌知らない 廻りの方も歌っていないではないか
先生だけが知っているんだよ
楽しそうに みんなが歌っていて 一瞬 冷めた空気が漂った
ごめんね 全員が知っている歌って あまり無いのですよ
それでは これでどうかな？ 星影のワルツですよ～
たちまち 笑顔になった
以後 終わるまで 普通に歌に参加していた
終わってから握手しに行った
有難うと挨拶された
いつも楽しそうに歌い 記憶力抜群の女性が 最後に代表して私に礼を言う
自発的にされているが 私も直立不動で受ける
今日は先生のお陰で楽しい時間を有難うございました
私たちは 先生のこの贈り物を
生かされている大切ないのちの時間と感じ 元気に過ごして行きます
先生も健康に注意されながら いつまでも ここへ来てください
これが この方の挨拶 素直に嬉しく受け止める
大方は 楽しく歌の時間に参加している
そして 中に数名 歌わない方もいる 歌えないのだ
私は みんなの歌が聴きたい
みんなの笑顔が見たい
あなたの歌が聴きたいのです
今日の誕生花 バンダ
花言葉 身軽
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