若い頃から本は良く読む 特に小説や歴史の裏側などが好きである
かつては ヘルマンヘッセも リルケも ヴォードレールも読んだ
しかし 海外の小説は苦手だ 何故なら登場人物の名前が覚えられない
同じように日本の文学でありながら 平安時代の書には馴染まない
古文の難しさはもとより やはり人物が錯綜して関係図が混乱する
歴史は勝者の表側であり 敗者はともすると 実在さえ葬られてしまう
私の歴史の教科書は サスペンスであり 分かりやすい考察の本である
井沢元彦や内田康夫の書も 十分 知識を与えてくれる
医学の話では性の描写が嫌われるが 渡辺淳一が描く世界が興味がある
東京スカイツリーが出来て 東武の業平橋駅が改名された
由緒ある地名が消えていく中で その由来や歴史も興味あるものである
この業平の地名は 墨田区・業平として 現存して次代へ繋ぐ
業平の由来は この地に業平神社があったことから呼称される
あるいは 在原業平が東下りで この地へも来て歌を詠んだことにもある
と 概略はおぼろげに記憶にあるが この業平は何ものかは知らない
私には難しい解説は ストレスが溜まってしまうほど理解しがたい
そこで タイトルの在原業平殺人事件が 良い教科書となる
これは山村美紗と西村京太郎の共同執筆の形をとっている
本来は山村美紗が中央公論に連載していたが 執筆の途中 急逝した
未完の小説となるところであったが ほぼ3分の一を西村京太郎が補筆した
この二人は 隣人として 時には夫婦の如く 仲の良い作家でもあった
稀代のプレイボーイと思っていた業平も 実像は違っていた
天皇家の孫であり 運さえ良ければなりえた人物である
政治的には力が欠けており ただ歌に関しては秀でた人物の印象だった
名にしおば いざ事とはむ都鳥 我が思う人は ありやなしやと
有名な歌であり 言問橋の名前で 現在は偲ぶことが出来る
千早ふる 神代もきかず龍田川 からくれないに 水くくるとは
こちらは落語の話で教わった 尤も大家さんが勝手に解釈をした話である
私には 百人一首で懐かしい
からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思う
五七五の頭文字に かきつばた を盛り込んで暗号だとも言われている
このような 隠し言葉は他でも例が多くあり 興味が沸くものである
最後は辞世の句
ついにゆく 道とはかねてききしかど きのふ今日とは 思わざりしを
人生の最期を予感する句は 現代の私たちにも通用するものだ
伊勢物語という古書があるが これが 在原業平だと言われている
その書のどこにも 本名が記されていないのが また 面白い
こうして 私の知識は サスペンスで一つ増えた そして何かが消えて行く
最後までお読みくださいまして有難うございました
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