確か日曜日の午後7時30分から日本テレビ系でやっていたアニメとドキュメンタリーの複合した番組です。この形式には「ミュンヘンへの道」もありました。以下、あるHPからの引用です。写真はコピーできませんでした。文章のみです。
「テレビ局もネタがなくなって、とうとう戦争ドキュメントまで漫画にしたか・・」と思いながら見ていたアニメンタリーの「決断」です。アニメンタリーとは、アニメーションとドキュメンタリーを合わせた竜の子プロダクションの造語です。70年代の初めの頃ですが、アニメーションとは言っていたと思いますが、アニメといった略した言い方はなかったと思います。まだ、テレビ漫画と呼ぶ時代でした。
71年頃の少年漫画雑誌は、エッチ漫画が隆盛で、テレビ向けのキャラクターがいなかったものと思われます。戦記物が好きだった自分としては「決断」に期待していましたが、初めて見たときの感想は、それほど面白いとは思いませんでした。(自分の太平洋戦争に対する知識不足が原因だったかもしれません。) そもそも、こういった戦争ドキュメンタリーを30分番組にまとめることに無理があったと思います。映画並みに一話を90分くらいにしないと描ききれないのではないでしょうか。しかし、「決断」は、親父と一緒に見ることのできた唯一のテレビ漫画ではありました。
「決断」の主題歌は、軍歌調の曲だろうと思ってしまいますが、実は、70年代歌謡ポップス調の曲です。「柔道一直線」のような熱血スポーツ根性ドラマの主題歌のようです。もっと重厚な曲の方がよかったのではと思います。B面の「男ぶし」も、軍歌にほど遠く、歌謡曲みたいです。別に戦争のドキュメンタリー漫画だから、軍歌にしろといっているわけではないのですが、イメージが合いません。(軍歌を聴いたことがない人は、軍歌を単なる戦意鼓舞のための勇猛な音楽というイメージでしかとらえていないようです。しかし、軍歌の歌詞は美しい日本語で書かれ、メロディも童謡、唱歌と同じように単調ですが美しいものが多いです。)
「決断」のレコード・ジャケットですが、山本五十六の後方の戦艦大和の絵は、檣楼部が長すぎてバランスが悪く見えます。ジャケット内扉の戦車の絵(上左の写真)は、戦車名が記されていませんが、「97式中戦車チハ」です。「チハ」というのは、日本陸軍の略符号です。JRの車両で「モハ」とか「ロハ」というのをよく見かけますが、これと同じようなものだと思います。「チハ」の意味はチは中戦車のチ、ハはイロハの順番をあらわします。
竜の子プロは、吉田三兄弟(吉田竜夫、吉田健二、九里一平)の設立したアニメ制作会社です。「決断」までの竜の子プロ作品は、どれも見ていましたが、「決断」以後は、「タイムボカンシリーズ」しか見たことがありません。タイムボカン、ヤッターマン、ゼンダマンは、ストーリー展開がパターン化されており、次がどうなる、ということがある程度予測でき、また、これが番組を見る上でのある種の安心感と結びついて、とても面白いテレビ漫画になっていました。(屁理屈をこねていますが、ただ面白かったというだけのことを複雑に書いてみました。)