郡南ダム視察した文大統領
「北朝鮮の黄江ダム放流、事前通知なく残念」
「北朝鮮の黄江ダム放流、事前通知なく残念」
登録:2020-08-07 06:29 修正:2020-08-07 08:43
文在寅大統領が今月6日午後、臨津江下流にある京畿道漣川郡郡南ダムを訪問し、韓国水資源公社の関係者からダムの運用状況および北朝鮮の黄江ダムの放流に伴う措置事項などについて報告を受けている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
北朝鮮が事前通知もなく、臨津江(イムジンガン)上流の黄江(ファンガン)ダムの水門を開いたことについて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が6日、「北朝鮮側に黄江ダム放流の事実をあらかじめ通知してもらえれば郡南(クンナム)ダムの水量管理に大きく役立つだろうが、残念ながらそれができていない状況」だとし、「過去にそうするように南北が合意したが、うまく履行されていない状態」だと述べた。文大統領は同日午後、洪水被害への対応を点検するため、京畿道漣川郡(ヨンチョングン)の郡南ダムを訪問し、このように述べた。臨津江中流にある郡南ダムは、北朝鮮の黄江ダムが無断で放流しても韓国が被害を受けないよう2010年に建設されたダムだ。文大統領はここで、韓国水資源公社の関係者に対し、北朝鮮による黄江ダムの無断放流に備えられるかどうかを改めて確認し、「(我々が予測できる黄江ダム放流情報に)気象情報も加え、適切に郡南ダムの水門を開いて水位を調節してほしい」と要請した。
これに先立ち、イ・イニョン統一部長官も同日午前、政府ソウル庁舎で行われた「第316回南北交流協力推進協議会」の冒頭発言で、「最近行われた北朝鮮側の一方的な放流措置に遺憾を表する」と述べた。 統一部は最近、北朝鮮が黄江ダムの水門を数回開いて放流した事実を確認し、(2009年10月の)南北当局間合意に沿って、北朝鮮側に放流計画の事前通知を求めてきた。イ長官は「南北間の政治・軍事的状況がいくら厳しくても、人道的分野と南北接境地域住民の安全と直結する部分は南北の疎通が直ちに再開される必要がある」とし、「放送など(を通じた事前通知など)、いかなる連絡チャンネルでも良い」と明らかにした。さらに「南北間の不信と臨津江の水位をめぐる不安を南北協力の水路に変えられることを望んでいる」とし、「北朝鮮側が果敢で寛大な決断で臨んでほしい」と述べた。
京畿道のイ・ジェミョン知事も5日午後、声明を発表し、「黄江ダム放流の際、どのようなルートであれ、韓国や京畿道に直ちにその事実を知らせてほしい」と求めた。イ知事は「北朝鮮側が上流の黄江ダムで放流すれば、下流の漣川と坡州(パジュ)側の水位が急激に高まり、危険を招く恐れがある」とし、「自然災害から罪のない人々の人命被害を防ぐことは人間としての道理であり、同じ民族として守らなければならない最小限の道理」だと訴えた。
京畿道は6日、軍事境界線以南の臨津江最北端の必勝橋(ピルスンギョ)の水位が5日夜、過去最高(13.12メートル)を記録するなど、臨津江流域に洪水警報が発令されたことを受け、漣川と坡州の「臨津江低地帯危険地域」の住民1466人を指定避難所に避難させたと発表した。
イ・ジェフン、キム・ギソン、パク・ギョンマン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )