大幅賃上げ 大軍拡・増税ノー
第94回メーデー 中央会場に1.5万人
「物価高騰分を上回る大幅賃上げ」「大軍拡・増税反対」などをかかげ1日、第94回メーデーが全国256カ所で開かれました。4年ぶりに、ほぼコロナ禍前に戻した形で開催された東京・代々木公園の中央メーデーには1万5000人(主催者発表)が参加。人気アニメのキャラクターを模して「インボイスは駆逐」とアピールするデコレーションカーなども復活し、集会後、都内3コースをデモ行進しました。
中央メーデー実行委員会の小畑雅子代表委員(全労連議長)が主催者あいさつしました。
壇上からの決意表明で「職場の理不尽な業務命令に対し、2月に組合を結成。非正規雇用や離れた職場で働く人にも声をかけ、職場の多数派となった」と語り拍手に包まれたのは、全印総連国際マイクロ写真工業社労働組合の加藤恵委員長です。
全国の国立病院でストライキを打った全日本国立医療労働組合(全医労)の前園むつみ委員長は、「多くの組合員の参加で大きくアピールできた。機構の姿勢を変えるために、団結してたたかっていく」と表明しました。
日本共産党の志位和夫委員長が来賓あいさつ。日比谷メーデー実行委員会の中島由美子代表幹事は連帯あいさつで、「連帯し、平和の上にジェンダー平等を確立しよう」と呼びかけ。安全保障関連法に反対する学者の会の浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は、労働時間を短縮して「生活時間」を取り戻し、民主主義のために使ってほしいと激励あいさつしました。
「平和が1番」の手作りのプラカードを掲げて参加した全商連の女性(45)は、「武器商売をなくすことが一番の願いです」と話しました。
暮らしと平和守る共闘へ
小畑代表委員が主催者あいさつ
主催者あいさつした小畑雅子代表委員(全労連議長)は「3年余りのコロナ禍のもとで、新自由主義経済政策の矛盾があらわになった」とのべ、物価高騰が追い打ちをかけていると指摘しました。
春闘では大幅賃上げを勝ち取るために「たたかう労働組合のバージョンアップ」に挑戦し、貴重な教訓を積み重ねてきたと強調。国際労働機関(ILO)が掲げる「ディーセントワークの実現」のために労働組合の役割は大きいとして、「掲げた要求に確信をもち、労働組合への結集を高め運動をすすめよう」と訴えました。
「戦争か平和かの重大な岐路に立つ今、大軍拡・大増税、改憲ではなく憲法を生かし、平和な日本をつくるために、幅広い労働者・国民の共闘を」と呼びかけました。
志位委員長があいさつ
志位委員長は激励のあいさつで、賃上げをかちとるための二つの力を語るとともに、平和・暮らし・民主主義を破壊する岸田政権と「悪政4党連合」の暴走を国民・労働者のたたかいで包囲しようと呼びかけました。
第一は、たたかう労働組合の結束した力です。志位氏は、全労連の呼びかけにより、昨年を大きく上回る労働者がストライキを決行したことに触れ、熱い連帯を表明。「資本から独立したたたかう労働運動の出番です」と述べ、世界でも大幅賃上げを求めるストライキの大波が起きていることを紹介し、「世界の労働者と連帯して、物価高騰を大きく上回る賃上げを勝ち取ろうではありませんか」と訴えました。
第二は、政治の責任で賃上げを推進することです。志位氏は、岸田政権は財界に対して賃上げを「お願い」するだけで、中小企業に対する賃上げの具体策は何一つないと批判。大企業の内部留保増加分への時限的課税を行い、税収の10兆円を中小企業支援にあて、最低賃金を1500円に引き上げる日本共産党の提案の実現とともに、消費税5%への緊急減税とインボイスの中止を訴えました。
志位氏は、国会の状況について、次々に悪法が衆院で強行されるなか、5年間で43兆円の大軍拡の財源を捻出する「軍拡財源確保法案」の連休明けの採決が狙われていると指摘。悪法の採決を強行してきた自民、公明、維新、国民の「悪政4党連合」の暴挙に強く抗議し、必ず廃案に追い込もうと呼びかけました。
「希望は国民のたたかい」にあると訴え、たたかいの力で政権を包囲し、新しい日本をつくるために力を合わせようと訴えると、参加者から大きな拍手がわきおこりました。