大統領室高官は同日、記者団に「我々にはウクライナという友好国に(対して)、北朝鮮軍の活動の戦況を調べ、分析し、モニタリングする義務が与えられている」と述べた。

2024-10-31 17:47:42 | 韓国を知ろう
 

違憲論議にも…国会の同意なしに

「戦況分析チームのウクライナ派遣」進める尹政権

登録:2024-10-31 06:24 修正:2024-10-31 08:31

 

大統領室、戦況分析チームをウクライナに送る方針を表明
 
 
15日(現地時間)、ウクライナのミコライウ村で、ロシア軍の攻撃により現地の市場が燃えている=ミコライウ/AP・聯合ニュース

 韓国大統領室が30日、ロシアに派兵された北朝鮮軍の活動をモニタリングすることは「政府の義務」だとし、戦況分析チームを現地に送る意向を明らかにした。これに先立ち、キム・ヨンヒョン国防部長官は24日、国防部の訓令を根拠に「個別レベルの派兵」は国会の同意なしに自分の政策決定だけで可能だと主張したが、法律専門家はこの訓令に違憲の素地があると指摘した。野党は「国会の同意なしに一人でもウクライナに送るなら、キム・ヨンヒョン国防部長官を弾劾する」と警告した。

 大統領室高官は同日、記者団に「我々にはウクライナという友好国に(対して)、北朝鮮軍の活動の戦況を調べ、分析し、モニタリングする義務が与えられている」と述べた。さらに「北朝鮮がウクライナとの戦争を通じて現地で実戦経験を積み、現代的な戦術を習得することは、韓国に対する直接的な軍事的脅威になる。韓国も防衛的に正当に彼らの活動を分析する必要がある」とし、「今後(北朝鮮軍の)活動と戦況をモニタリングするチームをあらかじめ作って送る準備をする必要性を感じている」と説明した。

 国情院も前日、国会情報委員会による国政監査で、ウクライナ参観団の派遣と北朝鮮軍捕虜の尋問への参加に肯定的な立場を示した。これらを踏まえると、戦況分析チーム(参観団)の任務には、北朝鮮軍の兵器体系と戦術、ウクライナ戦争の教訓の分析や、北朝鮮軍捕虜の尋問への参加などが含まれる見通しだ。この場合、軍の兵器体系の専門家や軍情報要員などが参加する可能性が高い。

 国防部は、戦況分析チームは国会の同意なしに派遣できるとみている。キム長官は24日、国会国防委員会による国政監査で「規模、期間、任務を考慮し、個別的な派兵は国会の同意なしに長官の承認のもとで進めることができる」と答えた。

 キム長官の主張は「国軍の海外派兵業務訓令」に基づいたものだ。同訓令は、海外派兵を「部隊単位」と「個人単位」に分け、個人単位の海外派兵は国会の同意なしに国防部長官の政策決定によって行われると明示している。この訓令は、李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2009年8月に施行された。

 法律専門家らはこの訓令が「派兵をする時、国会の同意を得るよう強制」した憲法第60条2項の趣旨を無視しており、違憲だと指摘する。西江大学法科大学院のイム・ジボン教授は「憲法条項に根拠のないことをするのも違憲だが、憲法で明示した内容に逆らうものであれば、より明白な違憲」だと語った。法務法人「ヘマル」のイム・ジェソン弁護士は「韓国憲法が国軍の海外派遣を国会の同意事項にしたのは、軍事領域に対する行政府の権限を立法府が適切に牽制する憲法的決断であり、三権分立を象徴する代表的な規定」だとしたうえで、「この国会同意手続きは法律でも制限できないのに、これを長官が定める行政規則に過ぎない訓令で(国会の同意を)避けられるという主張は違憲そのもの」だと批判した。

 共に民主党のキム・ビョンジュ最高委員はこの日午前、最高委員会議で「参観団という名前で国会同意を避けるために派兵する姑息な手」だとし、「国軍を一人でも送れば派兵であり、国会の同意事項だ」と述べた。また「民主党はもし尹錫悦政権が国会同意なしにウクライナに参観団を送るならば、国防部長官の弾劾など様々な法的手段を講じる」と語った。市民団体では、憲法裁判所にこの訓令の権限争議審判を請求し、効力停止仮処分申し立てなども準備している。

 
 
チョ・テヨン国家情報院長、キム・ナムウ国家情報院基調室長、ファン・ウォンジン国家情報院第2次長、ユン・オジュン国家情報院第3次長が29日午前、ソウル瑞草区の国家情報院で開かれた国会情報委員会による国政監査に参加している=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社
シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月5日に行われる米大統領選挙を前後して、実際にミサイル発射と核実験を進める可能性があるというこれまでの予想を裏付ける内容だ。

2024-10-31 17:42:16 | 朝鮮を知ろう。
 

韓国軍情報機関

「北朝鮮、ICBM発射台配備…米大統領選前後に発射する可能性も」

登録:2024-10-31 06:28 修正:2024-10-31 07:57

 

国防情報本部、国政監査で報告 
「豊渓里で7回目の核実験を行う可能性も」
 
 
ロシアが29日(現地時間)、北西部のアルハンゲリスク州プレセツク発射基地で、極東カムチャツカ半島側に向かってヤルス大陸間弾道ミサイルの発射実験を行った=プレセツク/EPA・聯合ニュース

 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射台を配置し、いつでもミサイルを発射できるようにしており、7回目の核実験の準備も整えたという韓国軍情報機関の分析が30日に報告された。11月5日に行われる米大統領選挙を前後して、実際にミサイル発射と核実験を進める可能性があるというこれまでの予想を裏付ける内容だ。ロシアに派兵された北朝鮮軍の一部がすでに戦線に投入された「蓋然性」についても言及された。北朝鮮軍の戦闘開始など現地の戦況によって、韓国政府もウクライナへの兵器供与など対応レベルを上げる可能性が高く、朝鮮半島の緊張がさらに高まる見通しだ。

 国防情報本部は同日、国会で非公開で開かれた情報委員会国政監査で、「北朝鮮がICBM発射台を準備したものとみられる。特定の地域に移動式ミサイル発射台(TEL)を配置し、ミサイルも用意した」とし、「ただし、ミサイルが据置台に装着された状態ではない」と報告した。情報委与野党幹事のイ・ソングォン議員(国民の力)とパク・ソンウォン議員(共に民主党)が伝えた。国防情報本部は、米大統領選挙を前後して、大気圏への再突入技術を検証するため、ICBMの発射が行われる可能性があると見通した。さらに「北朝鮮は米国の大統領選挙前に核問題を浮上させようと試みるだろう」とし、北朝鮮が豊渓里(プンゲリ)3番坑道で7回目の核実験をする準備を整えたという分析も示した。ICBMの発射も核実験も、残るは金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「決断」だけだと国防情報本部はみている。

 
10月18日(現地時間)、ウクライナ文化情報省部傘下の戦略疎通・情報セキュリティセンター(SPRAVDI)が、北朝鮮軍と推定される兵士らが並んでロシアの補給品を受け取っているとして公開した動画=ウクライナSPRAVDIのXアカウントよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 大統領室の高官も同日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で記者団に対し、「ICBMは加速化して実行でき、核実験は比較的準備時間が短いため、いつでも決行できる」と述べた。ただし、「今のところ、差し迫って進められている事案はない」と語った。北朝鮮が今すぐ「挑発」するよりは、対外的な戦略環境を見極めながら、それに伴う選択をする可能性があるという意味とみられる。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同日午前、カナダのジャスティン・トルドー首相との電話会談で「北朝鮮軍がウクライナで実際の戦線に投入されるのが予想より早くなるかもしれない厳しい状況」だと述べた。国防情報本部は同日、ロシアに派兵された北朝鮮軍の一部が戦線に投入されたという米CNNの報道について、「派兵された北朝鮮軍が戦線に投入されているという正確な情報はまだない」としながらも、「北朝鮮軍のうち一部の先発隊が戦線に投入された可能性はあるとみられる」と情報委に報告した。

 政府は現在、「段階的措置の決定的基準は、北朝鮮軍が参加した戦闘の開始」(大統領室高官)だとし、北朝鮮軍の動きを見極めながら、ウクライナへの兵器供与など「次の段階」に進むかどうかを検討している。大統領室は現在、ウクライナに155ミリ砲弾を直接供与する案は検討しておらず、兵器供与をするならまずは防衛用兵器が支援されると説明した。共に民主党のキム・ビョンジュ議員と祖国革新党のキム・ジュンヒョン議員はこの日「国防部陸軍弾薬政策担当官などがNATO(北大西洋条約機構)本部に出張に出ている」とし、「政府が殺傷力のある兵器の供与を進めている」と主張した。これに対し大統領室は「NATOに出張中の情報協力団の実務級職員の中に弾薬関連業務を担当する関係官が含まれている」とし、「北朝鮮軍の弾薬情報と関連して出張団の理解を助けるために同行しており、弾薬支援は今回の代表団の任務に含まれてもいない」と否定した。

 米国大統領選挙の結果により戦場の状況が急変する可能性があるため、攻撃用であれ防衛用であれ兵器を供与するのは性急な判断だという批判の声があがっているが、大統領室は「段階的な対応措置は間違っていない」と一蹴した。大統領室高官は「米国の大統領選挙後に誰が次期米政府の首長に選出されても、ウクライナ戦争は明らかに大韓民国の安全保障において重大なシグナルを送っている段階に入っている」とし、「米国の意思も重要だが、韓国の名目と国益も同じく重要だ」と話した。

 一方、政府はロシアに派兵された北朝鮮軍の活動に対するモニタリングを積極的に検討している。大統領室高官は「我々には、ウクライナという友好国に(対する)北朝鮮の軍活動の戦況を調べ、分析し、モニタリングする義務が与えられている」とし、「戦況分析チーム」をウクライナに派遣する可能性を示唆した。また「モニタリングの内容は(軍事的問題だけでなく)北朝鮮軍の心理的動揺と離脱に関する問題までウクライナ政府とともに協議して処理する必要があるかを考慮する価値がある」とし、戦況分析チームが「対北朝鮮心理戦」の役割を果たす可能性も示唆した。同関係者は「北朝鮮の派兵対応と関連したウクライナへの特使派遣に関する論議を今週から始めることになるだろう」とも語った。

イ・スンジュン、ソン・ヒョンス、チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高角発射は、飛行距離を短縮するために正常な発射角度(30~45度)ではなくわざと直角に近い角度でミサイルを打ち上げる方式。

2024-10-31 16:19:10 | 朝鮮を知ろう。
 
北朝鮮、東海上にICBMを高角発射
 
登録:2024-10-31 08:59 修正:2024-10-31 10:48

 

合同参謀本部「午前7時10分頃、平壌一帯から発射…長距離弾道ミサイルと推定」
 
 
                       北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の様子/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 合同参謀本部は31日、「本日午前7時10分ごろ、平壌(ピョンヤン)一帯から東海(トンヘ)上に発射された弾道ミサイル1発を捉えた」とし、「北朝鮮の弾道ミサイルは高角で発射された長距離弾道ミサイルと推定される」と発表。「軍は警戒態勢を格上げし、米日当局と『北の弾道ミサイル』に関する情報を緊密に共有しながら万全の態勢を維持している」と明らかにした。

 軍で「長距離弾道ミサイル」とはICBMを指す言葉だ。高角発射は、飛行距離を短縮するために正常な発射角度(30~45度)ではなくわざと直角に近い角度でミサイルを打ち上げる方式。これまで国防部は「ICBMの弾頭の大気圏再進入技術は高角ではなく正常軌道で発射した際に検証できる」とし、北朝鮮の兵器体系においてICBMの開発はまだ成功していないと評価している。

 北朝鮮のICBM発射は、昨年12月18日の「火星18型」発射以来、約10カ月ぶり。北朝鮮は昨年5回(2月18日、3月16日、4月13日、7月12日、12月18日)ICBMを発射している。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は先月18日以来43日ぶり。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする