26日に米国のアントニー・ブリンケン国務長官が公開する米国の新たな中国政策だ。バイデン大統領の23日の台湾防衛発言で波紋が広がった米国の「戦略的曖昧さ原則」に関して、どのような表現がなされるかに関心が

2022-05-27 08:52:51 | アメリカの対応

韓米日結集に朝中ロ反撃…

東アジアが「巨大なチェス盤」に

登録:2022-05-26 03:03 修正:2022-05-26 08:31
 
中ロ、東海側KADIZに爆撃機 
北朝鮮はバイデン帰国中にICBMで挑発 
Quad、IPEFで米の包囲網に囲まれた中国 
王毅外相が南太平洋8カ国を歴訪 
米国は26日「新たな中国政策」発表
 
 
韓日歴訪を終えて帰国するやいなや内外の不幸に直面した米国のバイデン大統領が24日(現地時間)夕、ホワイトハウスで演説を行い、沈鬱な表情を浮かべている。米国では同日、テキサス州ユバルディのある小学校で発生した銃乱射事件で21人が死亡した。北朝鮮は25日朝、東海に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む3発の弾道ミサイルを発射し、挑発を継続した。中ロも前日、東海側の韓国防空識別圏(KADIZ)に戦略爆撃機を飛ばし、米国に挑戦する姿勢を見せた=ワシントン/AP・聯合ニュース

 米国のジョー・バイデン大統領の韓日歴訪を契機として、米中戦略競争の主戦場であるインド太平洋地域が韓米日と朝中ロの対決する「巨大なチェス盤」となった。韓米日が中国を包囲し、ロシアを牽制し、北朝鮮の核・ミサイル開発に対抗する姿勢を示すと、朝中ロも遅滞なく「力」で対抗するという決意を示した。旧冷戦時代の陰鬱な陣営構図が蘇った格好だ。

 バイデン大統領が東京を離れた24日、中国外交部は王毅外相が26日から来月4日までの10日間、ソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールの南太平洋8カ国を公式訪問することを明らかにした。王外相はフィジーで昨年10月に続き2回目の中国・太平洋島国外相会合を主宰する。中国外交部は今回の歴訪の意味について、「これらの国と友好・協力関係を発展させることは、双方の根本的かつ長期的な利益に合致し、アジア太平洋地域の平和、安定、繁栄の促進にも役立つ」と述べた。

 バイデン大統領は20~24日の韓日歴訪を通じて、経済と安保の両方で「唯一の競争者」である中国を圧迫する重層的な包囲網を張った。20日のサムスン電子の半導体工場への訪問を皮切りに、21日の韓米、23日の米日首脳会談を通じてインド太平洋地域の両同盟国との関係を強化し、23日には中国牽制のための経済協力の枠組みであるインド太平洋経済枠組み(IPEF)を発足させた。24日には日米印豪4カ国の安保協議体クアッド(Quad)の首脳会合も開催した。これに対し中国は、これ見よがしに米国の包囲網突破に向けて、「米国の前庭」と考えられてきた太平洋の島国との関係強化に乗り出したのだ。中国は先月中旬、ソロモン諸島と安保協力協定を結び、同地域に軍事的に進出する根拠を得ている。

 中国の対応はこれにとどまらない。中ロは、今回の歴訪で韓日に対する拡大抑止(核の傘)を強化するとの意思を明らかにした米国に対し、軍事的に挑戦するかのような姿勢も演出した。クアッド首脳会合が行われていた24日、中ロは独島の位置する東海(トンヘ)側の韓国防空識別圏(KADIZ)に計6機の爆撃機をねじ込んできた。ロシアが動員したツポレフ(Tu)-95と中国の轟(H)-6は、核を搭載できる戦略爆撃機だ。中国国防部とロシア国防省は「通常の訓練」だと述べたが、日本の岸信夫防衛相は同日夜7時25分に予定になかった記者会見を行い、「クアッドが行われている中での共同行動であるということから、示威行動の意図は間違いない」と述べた。

 北朝鮮は翌日、個別に存在感をあらわにした。バイデン大統領帰国翌日の25日朝、東海に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む3発のミサイルを発射したのだ。ホワイトハウスと米国インド太平洋軍司令部は直ちに糾弾声明を発表し、韓国も国家安全保障会議(NSC)を招集して対応策を協議した。岸防衛相は朝7時45分から記者会見を行い、「敵基地攻撃能力も含めて、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んで」いくと強く警告した。

 
 
共同飛行しているロシアのTu-95と中国のH-6戦略爆撃機。前にプロペラが付いている機体がTu-95=日本防衛省提供//ハンギョレ新聞

 問題は、このような陣営同士の「対決構図」が今後も加速せざるを得ないということだ。現在の危機の深刻さを最も明確に示すのが、北朝鮮核問題に対する中ロの非協力だ。朝米の首脳が暴言を浴びせ合った2017年の「危機局面」では、北朝鮮核問題の解決のためには米国と中ロが協力しなければならないというコンセンサスがあった。しかし、米中戦略競争が激化するとともに、ウクライナ戦争まで勃発したことで、中ロは今年に入って17回行われている北朝鮮の挑発に依然として沈黙している。そうなればなるほど、文在寅(ムン・ジェイン)政権の「均衡外交」を批判してきた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は親米路線を強化し、日本は再武装のスピードを上げざるを得ない。ロシアと中国も、民主主義と権威主義の対決構図を大儀名分として自国を押さえつけようとする米国に対する強硬姿勢を解くことができない。

 短期的に注目を集めるのは、26日に米国のアントニー・ブリンケン国務長官が公開する米国の新たな中国政策だ。バイデン大統領の23日の台湾防衛発言で波紋が広がった米国の「戦略的曖昧さ原則」に関して、どのような表現がなされるかに関心が集まっている。

北京、東京、ワシントン/チェ・ヒョンジュン、キム・ソヨン、イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「サル痘予防効果のある天然痘ワクチンを備蓄しているが、まだ使用は検討していない」と説明した。以下ではサル痘について、中央防疫対策本部のブリーフィングや資料などをもとに整理した。

2022-05-26 09:31:24 | 韓国を知ろう

[Q&A]サル痘の拡散で韓国疾病庁「監視強化」ワクチンは?

登録:2022-05-25 02:39 修正:2022-05-25 22:03
 
世界18カ国で流行の「サル痘」 
海外からの流入に対する管理を強化 
疾病庁「天然痘ワクチンは使用計画ない」
 
 
23日午前、仁川国際空港の第1旅客ターミナルで、海外からの入国者がコロナ検査を受けるために移動している/聯合ニュース

 ウイルス性疾患である「サル痘(monkeypox)」が世界18カ国に拡散していることから、新たな感染症に対する懸念が高まっている。防疫当局は24日、韓国への流入を防ぐため、入国監視システムを強化することを決めた。防疫当局は「サル痘は新型コロナウイルスと違って感染力は高くない。警戒は必要だが、過度な不安は不要だ」とし、「サル痘予防効果のある天然痘ワクチンを備蓄しているが、まだ使用は検討していない」と説明した。以下ではサル痘について、中央防疫対策本部のブリーフィングや資料などをもとに整理した。

-サル痘ってどんな病気?

 世界的に消え去ったと思われている天然痘(韓国では「痘瘡」)と似ているが、感染力と重症度は低いウイルス性疾患だ。げっ歯類(リスなど)が伝播に重要な役割を果たすと推定される。人から人への感染は多くはないが、病変や体液、呼吸器からの飛沫(唾液)や、寝具などの汚染された物との接触を通じて感染する可能性がある。世界保健機関(WHO)によると、2~4週間症状が続くが、ほとんどは自然回復し、最近の致命率は3~6%であることが知られる。

-世界の拡散状況は?

 サル痘はもともとナイジェリア、カメルーン、中央アフリカなどのアフリカ大陸中部と西部の一部の国の風土病だ。最近は欧州、米国、イスラエル、オーストラリアなどの風土病ではない18の国で感染および疑い例が多数報告されている。24日現在、全世界で171人の感染者と86人の疑い患者が報告されている。死者はまだ出ていない。

-サル痘の主な症状は?

 最初は発熱、頭痛、筋肉痛、腰痛、筋無力症などがみられ、1~3日後に顔を中心として発疹が現れる。発疹は遠心性で、体の他の部位へと拡散する。発疹は水疱(水ぶくれ)、膿疱(膿がたまっている状態)などへと進行し、症状は約2~4週間続く。通常、感染から5~21日(平均6~13日)以内に症状が現れることが知られている。

-コロナのように新たなパンデミックをもたらす?

 コロナとは異なり、感染力は強くない。十分な警戒は必要だが、不安になりすぎる必要はない。現在までのところ韓国での発生例はないが、国内への流入に備えて海外の発生状況を詳細にモニタリングしている。疾病管理庁は2016年にサル痘の検査システムをすでに構築している。国内での発生に備えて、全国の市・道の保健環境研究院での検査拡大も検討している。検疫などについては、PHEIC(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)が宣言されるなどの国際社会での動きがあれば、検疫手続きや海外との出入りの問題を別途考慮しうるはずだ。

-ワクチンはある?

 現在、韓国には3502万人分の天然痘ワクチンが備蓄されている。天然痘とサル痘は同じ科に属しているため、天然痘ワクチンはサル痘にも85%の効果を示すことが知られている。天然痘は人類が最初に克服したウイルス性疾患であり、現在発生している国はない。しかし、まだ世界のどこかに残っている可能性のある天然痘ウイルス、そして特に実験室での事故に備えて天然痘ワクチンが確保されている。非常に危険な状況でなければ天然痘ワクチンは使われない。外国でも天然痘ワクチンは目的が非常に限定された使用が検討されているだけであり、疾病庁も現在の状況では使用は検討していない。

-1979年までは天然痘ワクチンの接種(種痘)が行われていた。その予防効果は?

 1979年以降は韓国でも海外でも種痘は行われていない。1979年以前に種痘を行った人々は天然痘に対する免疫力をある程度持っている可能性があるが、これについての評価は正確ではない。人の体には免疫を記憶する免疫細胞があるが、現在どのように発現するかは分からないため、理論的にはありうるものの正確な評価は難しいと言える。

-サル痘に感染した場合の隔離指針はある?

 世界的にサル痘の隔離期間は明確には決まっていない。疫学調査によって事例を確認し、その後は疫学調査官の判断に従わなければならないだろう。ただし、皮膚から水泡や傷痕が消えて回復するまで隔離する必要がある、というのが世界の医学界の共通意見だ。

-サル痘の発生地域を訪問する際の注意点は?

 訪問前に、そこがサル痘が風土病となっている地域なのか、発生地域かを確認する必要がある。アフリカなどの発生地域ではげっ歯類、霊長類や動物の死体に接触したり、野生動物の肉を食べたりすることは控えるべき。サル痘が疑われる患者との接触も禁止しなければならない。

-発生地域の訪問後に症状がみられた時は?

 入国時の検疫で、検疫官に健康状態質問書を提出しなければならない。入国時に発疹、発熱などの症状があれば、検疫官に必ず申告すること。また帰国から21日以内に発熱や悪寒、水疱性の発疹などの、感染の疑われる症状が見られる場合は、疾病管理庁コールセンター1339に相談すること。

チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

尹大統領は、「私は北朝鮮を滅ぼしたいという考えは全くなく、北朝鮮が韓国と繁栄していくことを希望している」とし、「核武装を強化していくことが、北朝鮮が大韓民国とともに平和を維持し繁栄していく道なのか

2022-05-25 08:53:49 | 韓国文化

尹大統領「北朝鮮をなだめすかす時代終わった…

対話再開は金正恩次第」

登録:2022-05-24 03:22 修正:2022-05-24 08:05
 
CNNがインタビュー 
「北朝鮮の顔色をうかがう政策は失敗…過去5年間が証明」 
北朝鮮に対する強い抑止力誇示、北朝鮮の「まず非核化」強調
 
 
尹錫悦大統領が23日午後、大統領室庁舎においてIPEF高位級オンライン会議で発言している。訪日中の米国のバイデン大統領と日本の岸田首相は対面で、尹大統領をはじめとする他の首脳級はオンラインで参加した=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は23日、「あちら(北朝鮮)の機嫌ないし顔色をうかがうような政策は何の効果もなく、失敗したということは、この5年間ですでに証明されている」と述べた。また、対話するかどうかは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が決めることだと述べた。

 尹大統領は23日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領執務室で米CNNのインタビューに応じ、「北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射と核実験の懸念が高まっている。すべての状況が、朝鮮半島の緊張が高まっていた2017年以前に戻るのではないかと憂慮される」との問いに「一時的な挑発と対決を避けるために、多くの人々はそれを『屈従外交』と表現する」として上のように答えた。北朝鮮との対話を追求した文在寅(ムン・ジェイン)政権の朝鮮半島平和プロセスを失敗と規定し、北朝鮮に対する強い抑止力を誇示しつつ、北朝鮮の「まず非核化」を強調する政策へと転換するとの意志を明確にしたものと分析される。CNNは「尹大統領は『北朝鮮をなだめすかす時代は終わった』と語った」と報道した。

 尹大統領は「北朝鮮の金正恩国務委員長は対話に関心がなさそうだが、どのように対話の場へと導けるのか」との問いにも「金委員長が選択すべき問題」だと述べた。尹大統領は、「私は北朝鮮を滅ぼしたいという考えは全くなく、北朝鮮が韓国と繁栄していくことを希望している」とし、「核武装を強化していくことが、北朝鮮が大韓民国とともに平和を維持し繁栄していく道なのか、私はそうは思わない」と述べた。ボールは北朝鮮が握っているというのだ。

 尹大統領は、可能性が高まっている北朝鮮の7回目の核実験には強硬に対処すると述べた。そして、「今回の政府の対処は、前政権とは異なるだろう。北朝鮮のいかなる脅威と挑発行為に対しても強力に、かつ断固として対処し、北朝鮮の挑発を阻止するつもりだ」と述べた。すでに尹大統領と米国のジョー・バイデン大統領は、21日の韓米首脳会談の共同声明で、有事の際に米国が韓国に提供する「拡大抑止」の手段として「核、通常兵器、ミサイル防衛能力」を明示し、強力な対応の意志を誇示している。

 尹大統領は、バイデン大統領と合意した「韓米合同訓練・演習の拡大に向けた協議の開始」については、「軍というものは常に一定の戦力を維持するために訓練しなければならず、韓米同盟軍も朝鮮半島の軍事的、安保的脅威に対処するのに必要な程度の適切な訓練が必要だ。それは原則だ」とし、合同演習の拡大という方向性を再確認した。ただし、韓国に戦術核を配備する可能性については「議論されていない」と述べた。

 このほか尹大統領は、韓国のインド太平洋経済枠組み(IPEF)加入に伴う中国の経済報復の可能性については、「我々が安保や技術の問題において米国との同盟を強化するからといって、中国との経済協力を疎かにするという意味では絶対にないため、中国側がこれを過敏に考えすぎるのは合理的ではないと考える」と述べた。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今回の首脳会談は「経済安全保障」を掲げて米国寄りの姿勢を示し、明らかに中国を牽制する態度を取った。北朝鮮政策では、韓米合同軍事演習の拡大など、対北朝鮮抑止力の強化に焦点を合わせた。

2022-05-24 09:37:42 | アメリカの対応

中国に見せつけるかのように…

韓米「経済安全保障」を中心に超密着

登録:2022-05-23 02:06 修正:2022-05-23 06:57
 
ニュース分析ㅣ首脳会談共同声明 
「グローバルで包括的な戦略同盟」への発展に合意 
IPEFへの参加など中国牽制を具体化 
北朝鮮政策も抑止力の強化に焦点 
対中関係・北朝鮮の核問題解決の道、さらに狭まる 
 
 
今月今月22日、烏山空軍作戦司令部航空宇宙作戦本部を訪問した尹錫悦大統領とジョー・バイデン米大統領が軍将兵たちを激励している=ユン・ウンシク記者//ハンギョレ新聞社

 韓国と米国は21日、首脳会談を通じて両国の同盟関係を朝鮮半島を越えた「グローバルで包括的な戦略同盟」に発展させていくことで合意した。米中戦略競争の中で、それなりにバランスを取ろうと努力した昨年5月の両国首脳会談とは異なり、今回の首脳会談は「経済安全保障」を掲げて米国寄りの姿勢を示し、明らかに中国を牽制する態度を取った。北朝鮮政策では、韓米合同軍事演習の拡大など、対北朝鮮抑止力の強化に焦点を合わせた。韓米同盟の領域は広がったが、難しくなった中国との関係設定、さらに狭くなった「北朝鮮核問題の解決策」の道をどのように切り抜けるかが韓国外交の課題として浮上した。

 今回の首脳会談では、中国牽制のための米国の経済構想であるインド太平洋経済枠組み(IPEF)が核心議題として取り上げられた。開放的なインターネットや自由で開かれたインド太平洋、クアッド(Quad、米日豪印による安全保障協議体)との協力、南シナ海における航行の自由など、事実上中国牽制を念頭に置いた内容が共同声明に盛り込まれた。「すべての議題が中国に関連したもの」(ウッドロウ・ウィルソンセンターのスミ・テリー・アジアプログラム局長)とも評された。

 1年前の韓米首脳共同声明は、「インド太平洋地域に対する『それぞれの』アプローチ」を確認する形で、韓国側が米中の摩擦に巻き込まれないための安全装置を設けたが、今回の声明で、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はまた、米国のインド太平洋戦略を歓迎する」と明らかにした。またバイデン大統領は「韓国のインド太平洋戦略枠組みを樹立する」という尹大統領構想に支持を表明した。大統領室は「韓国のインド太平洋戦略を具体化するための作業を本格的に進める」と発表した。文在寅(ムン・ジェイン)政権はインド太平洋戦略を立てる代わりに、インドやASEANと協力する新南方政策を推進した。韓国が独自のインド太平洋戦略を持つことは、中国を牽制する米国のインド太平洋戦略への同調とみられる可能性があったためだ。

 共同声明は台湾海峡と南シナ海に言及しながらも、「中国」は明示しなかった。キム・ソンハン国家安保室長は「台湾関連の表現は昨年5月の首脳会談でも盛り込まれた。『台湾海峡の平和と安定を追求する』という文言の延長線上で理解してほしい。台湾海峡の安定問題は韓国の国益とも直結する事案と言える。同問題と関連し、中国側の報復など誤解する余地はほとんどない」と説明した。

 しかし、今回の共同声明で中国に向けられた表現はさらに強化された。台湾海峡を「インド太平洋地域の安全保障と繁栄の核心要素」とし、新たに意味を付与した。「インド太平洋地域の人権状況に関する相互の懸念を共有」は香港と新疆ウイグル問題を念頭に置いた表現とみられる。このような言及を内政干渉だとして反発してきた中国の対応がさらに激しくなると予想される。このような懸念に対し、大統領室はIPEFへの参加が中国を排斥するのではなく、韓中関係も管理していけると説明しているが、中国との関係設定が韓国外交の課題となった。

 南北の「板門店宣言(2018年4月27日)」と朝米の「シンガポール共同声明」に対する言及も消えた。北朝鮮核問題の外交的解決策の扉はさらに狭くなった。昨年の共同声明には「2018年の板門店宣言とシンガポール共同声明など既存の南北間、朝米間の約束に基づいた外交と対話が、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着を成し遂げるのに欠かせないという共同の信念を再確認した」という文言が盛り込まれた。これについて、文在寅政権はバイデン政権が板門店宣言とシンガポール共同声明を朝米関係の出発点にしたと説明した。

 北朝鮮の核とミサイルへの対応は具体化された。尹大統領とバイデン大統領はハイレベルの拡張抑止戦略協議体(EDSCG)を早期に再稼動することで合意し、韓米合同軍事演習および訓練の範囲と規模を拡大するための協議を開始することにした。北朝鮮の人権関連の表現も直接的なものに変わった。昨年の「北朝鮮の人権状況を改善するために協力することに同意する」が、「北朝鮮の人権状況に対する深刻な懸念を表明した」に変わった。

 共同声明で「ウクライナ事態」のような中立的な表現の代わりに「ウクライナに対するロシアの一方的な攻撃」だと明示した。これは韓国が欧州でも米国やその同盟国と関与する扉を開いたものとみられる。これと関連し、尹大統領は21日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や気候変動、民主主義の危機などを言及したうえで、「このような課題は自由民主主義と人権という普遍的価値を共有する国家の連帯を通じてのみ乗り越えられる」とし、「両国はグローバル包括的戦略同盟としてこのような課題に共に対応していき、ルールに基づいた秩序を共に作っていくことを目指す」と述べた。

 技術分野の安全保障を強調した韓米は、サイバーセキュリティをさらに多様で具体的に言及した。共同声明は、サイバー敵対勢力の抑止▽重要な基盤施設のサイバーセキュリティ保安▽サイバー犯罪およびこれと関連したマネーロンダリングへの対応▽仮想通貨およびブロックチェーン・アプリケーションの保護など挙げ、「韓米間協力を持続的に深化させていくことにした」と明らかにした。最近、米財務省は仮想通貨の奪取やマネーロンダリングなど、北朝鮮のハッキング活動を阻止するために努力し続けていると発表した。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1400年以上の歴史を誇る福建省邵武市和平古鎮は、「中国国内でも稀有な城塞型大型村鎮」で、これまでに中国歴史文化名鎮、国家4A級景勝地、中国の特色ある小鎮、国家級生態郷鎮、全国郷村観光重点鎮、

2022-05-23 07:15:21 | 中国を知らなければ世界はわからない

活き活きと蘇った古鎮の「新たな顔」 福建省

人民網日本語版 2022年05月27日15:00
 
活き活きと蘇った古鎮の「新たな顔」 福建省
1千年の歴史を誇る和平古鎮(撮影・張麗君)。
 
 

1400年以上の歴史を誇る福建省邵武市和平古鎮は、「中国国内でも稀有な城塞型大型村鎮」で、これまでに中国歴史文化名鎮、国家4A級景勝地、中国の特色ある小鎮、国家級生態郷鎮、全国郷村観光重点鎮、中国観光産業に影響力を持つ文化観光小鎮といったさまざまなリストに登録されている、古鎮に対する保護は、長年にわたり最優先課題として位置づけられ、保護・開発事業に5億元(1元は約19円)以上が次々投じられ、張三豊古道クロスカントリーレースや自転車トライアル大会、郷村グルメフェス・豆腐王コンテスト、黄峭文化フェスティバル、和平砕銅茶摘みフェス、画家100人による千年和平絵画イベントといった文化観光イベントなどが定期的に開催され、人気を集め、ますます賑わいを見せるようになっている。中国新聞網が伝えた。(編集KM)

「人民網日本語版」2022年5月27日

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする